ついにドラム缶がサビで腐食され燃料漏れする事態に。恐怖の「異種金属接触腐食」とは?

ガラス窯の灯油タンクが漏れだしたという、できれば起きてほしくない話。

私の硝子窯の灯油タンクはドラム缶を使っているのだが、このところ、

「なんか油臭いな〜?」

と思いつつ、仕事をしていた。

「ま、この暑さのせいか」

と、
原因究明をほっといたのだが。

やっぱり、どうも臭い!と、ドラム缶まわりを調べてみたら、なんと!
ドラム缶の底部から、灯油がポターリ、ポターリと漏れているではないか!

こりゃーいかん、キケンだ!

まだまだ作らなきゃいけないのもたくさんあるが、キケンはほっとく訳にはいかない。

制作を中止し、直ちに硝子窯の緊急停止ボタンを押す。

が、そんなものはないので、

頭の中でボタンを押して(頭の中で)アラームを鳴らしつつ、バーナーの火を落としルツボに熔けているガラス種を全部掻い出しドラム缶底に設けてあったドレン口から灯油を回収する。

さて、一息ついたところで、「なぜ、こんなに、予想よりも早くサビたのか?」を考えてみる。

灯油を回収しながら、思ったのは、ドラム缶内部で結露し、その水が底に溜まって、サビが進んだのでは?
という、推測。

しかし、よく考えると、それでも早いサビの進み具合だ。

家のほうの灯油ボイラーのタンクも鉄製だが、外観はサビがだいぶ出てきているが、内部は大丈夫だ。
もう20数年使っている。

ドラム缶も同じく鉄製で、こちらは、18年ほどになる。

こっちのほうが短いのに、穴が空くほど錆びるとは!?

ひょっとして、これが、「異種金属接触腐食」の実例ではなかろうか?

「異種金属接触腐食」とは?

このリンク 「ステンレスと異種金属との接触についての問題点」

を読んでいただくとわかるが、異なる種類(正しくは異なるイオン化傾向)の金属を接触させたままにしていると、錆びやすい(イオンになりやすい)金属のほうが、サビ出す。

というものだ。水分などが多く、錆びやすい環境にあれば酸化(サビ)は更に進みやすい。

で、お前のドラム缶のどこが「異種金属接触」なんだ?というと、

ドラム缶の底に、燃料コックと、ドレンコックをつけてあるのだが、差し込んだだけでは燃料が漏れるので、鉄工所さんに頼んで、接続のための「つば」(いわゆるフランジ)をステンレスで、作ってもらって接続してある。

つまり、このステン製のフランジ(つば)と、鉄製のドラム缶本体が、異種金属接触を起こしている。のである。

硝子窯を築いたとき、お金があまりなかったので、ステンじゃなく、鉄製のドラム缶を燃料タンクにしたツケが18年後にまわってきたのか。

なんと愚かな事よ。まあ原発よりはマシだが。

もっとも、その頃は、ネット環境もなかったので、ステンのドラム缶を地金屋で、探すのも大変だっただろうが。

今では、楽天やアマゾンで平気で売っている。

JFE ステンレスドラム缶オープン缶 (×1缶) KD200B
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楽な時代になったものだ。

金さえあれば楽勝である。

未だに金はないが、買わないとガラスが作れない。

*ところで、ステンレスは、合金なのだが、鉄とのイオン化傾向は違うのか?という疑問が浮かんだが、それもこの記事に書いてあった。

ステンレスは合金ですから、イオン化列には見当たりませんが、イオン化列に当てはめますと銅(Cu)と同じくらいです。

「ステンレスと異種金属との接触についての問題点」

なるほど。ありがとうございます。

    

ガラス炉が重篤なトラブルに。

ガラス炉(吹きガラスの窯)にカーボンというか、ススがたまり、どうしようもなくなってしまったが、ブロアーを買って何とか復帰したというお話。

ここ一週間程、うちの吹きガラスの炉の煙道にススがたまり、これはもう再起不能ではないか、と思われるほど重篤な事態になってしまった。

事の起こりは、バーナーの灯油ホースに、ごくわずかだが、油染みが見られ、どうもホースが劣化してヒビが入り、そこから灯油が染み出してるようだ、と、発見してしまった朝に始まる。

このまま作業に入っても、問題無い程度のごく薄いにじみだったが、次の日朝早くから広島に行く予定で、窯を監視できないし、もう7、8年経っているホースだから、この際、新品に取り替えた方が、無難だろう、と判断した。

で、灯油バーナーを、臨時用の小さなガスバーナーに入れ替え、灯油ホースを外し、油圧ホースの専門店に持って行き(ユンボとかの油圧機械のホースを修理する業者)、同じ長さの新品を作ってもらう。(9,800円)

そして、無事付け替えたのだが、次の朝起きてみると、何と!バーナー口が、ほぼススで埋まりかけているではないか!

「これは完全にやばい」

どうも推察するに、ホースが新品になって、流れが良くなったせいで、思ったより油が出ており、不完全燃焼になってしまったらしい。

とりあえず、見える範囲のススを細い鉄棒で、突き崩し、エアーを最大に開け、ススを飛ばそうとするが、どうやら炉内にかなりの量のスス、カーボンが溜まっているらしく、全然燃えてくれない。
バーナー口で、ショボショボと、燃えるだけで、炉内に火が入って行かないのだ。

「さて、緊急停止するかね」

いや、仮に停止して、炉内を掃除したところで、私の炉は、煙道を炉底に通し、その上に、二次空気を温める道を作って、灯油を完全燃焼させる想定で作ってあり、煙道にススが付くことはありえない、という構造で作ったので、煙道掃除口からは、ごく一部しか掃除できない。つまり、これは想定外の事態なのだ。
掃除するなら、炉底まで崩して作り直すしかないのだ。

ではもう、炉内の温度を何とかして上げて、中のスス、カーボンを焼き切り、飛ばし散らすしかないのだ。

さて、それから約3日間、なだめたり、すかしたり、持っているACファンや、シロッコファンから、エアをあっちから、こっちから送ってなんとか炉内の温度を上げようとするものの、どうも、どっかが詰まっているらしく、症状は一進一退。というか、0進0退。つまり、にっちもさっちもいかん。

「さ^て困ったね」

どうするよ。もう止めるしか無いか。

「あ?」

「あ!」

そうだ!ブロアーがあった!

あれだ、あれ、田舎のバーベキューでは、炭熾しに絶大な威力を発揮し、あるいは、たまった落ち葉を吹き飛ばして、たちまち道を綺麗にしてしまう、ブオーンとうるさいあいつだ。

よし、買おう。

うへへ。

こんな非常事態にもかかわらず、わたしはニヤリとした。

この非常事態にかこつけて、ついにあこがれのあれを我が手中にできる格好の言い訳が申し分ないではないか。

へっへ。

とほほを緩めつつ、近所のホームセンターへ。

買った。しょうがないから買ったのだ。

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そして、こいつの先端に「ウコンの力」のアルミカンをしばりつけ、耐熱仕様にし、(台無しだ)

吹いた、吹きまくった。

バーナー口から、煙道出口から、二次空気導入口から。ありとあらゆる入り口から、ブオン、ブオンと、吹き付け、吹き込み、吹き飛ばした。

時にはバーナーの油量を最大に上げ、まるで烈火の火炎放射器の如く。

ときには、煙道口から、糸を通すように火の道を拡げるべく。

一日、ブロアーの舞い上げるホコリと、ガラス炉の熱に汗まみれ、ホコリまみれになりながら。

結果。

見事に復調した!

前より調子が良いかもしれないくらいだ。

ルツボは大丈夫のようだ。

底にヒビの入ったルツボだが、ヒビは大きくならず、だましだまし使っている。

さすがに満杯にするのは怖いので、2分目ほど入れて、色壺で使っているが、大丈夫なようだ。

あと、2ヶ月、いや最低一ヶ月半、もってくれればいいのだが。

今年もまだ氷河期は来そうになく、それどころか例年より暑い夏が来るそうなので、早めに火を落として夏休みとしたいが、無理だろうな。

しかしながら、幸いにして今のところ、私らの所は、去年より涼しい日が続いている。

昨年の8月に、この辺の史上最高温度37・2度を記録したのだが、今年この調子なら、去年より涼しい夏になってくれるかも知れない。

油断は禁物だが。

で、最近は、気象庁のデーターを見るのがすっかり楽しみだ。

こんなふうに。

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平均気温を表す青線が、左側の去年のグラフと比べて、今年の6月は今のところ、21度を下回っている。(緑線、筆者描く)

このまま8月まで、この楽しみが続くといいのだが。

ルツボにヒビが入っている。

恐ろしい事にルツボにヒビが入っているのを発見してしまった。

ガラスを掻い出していたら、底にうっすらと筋が見えるので、まさかヒビではあるまいか?と、ビクビクしつつ全部掻い出すと、間違いなくヒビだった。

えー!今のこの時期に壺替えかよ!と、愕然となるが、いや待てよ、完全に割れている訳ではない。ように見える。

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今までの壺割れの経験から推して、これぐらいなら大丈夫であろう。と判断する。

ガラス屋を始めたばかりの初心な頃であれば、目を吊り上げて直ちに炉を緊急停止し、壺交換に入るとこだが、私もだいぶスれて、こすり切れているくらい経験豊富になってしまったので、「まあ、何とかなるなるさー」ってなもんである。

二本風呂なので、小さいとは言え、もう一本のルツボで作業できるし、この程度のヒビなら一日使う量だけ入れて、終わったら掻い出せば大丈夫だろう。
ヒビのおかげで、火も通りやすくなってガラス生地も柔らかくなるだろうし、と。

実は内心、火を止めてしばらくブラブラしたかったのだが、賢明な判断力に、怠け心が敗北したというところか。

ガラス工房燃料部。

森永硝子工房グラスエリア燃料調達部部長の本日の業務は、炭やき釜への出向である。

燃料の現場を知っておくことは大切な業務である

今回の炭焼きは調子が良いようでほっとしている。

よい炭ができますように。

  
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今は「口焚き」と言われる乾燥焚きの状態だが、けっこうな量の薪をぼんぼんくべる。
2メートル離れていても熱気が押し寄せてくる。
これを見ていると、ガラス炉も薪だけで出来そうな気がしてくる。要は大量の薪と、(大量の)吸気があればいけるだろうと思うのだ。

しかし、新しく窯を作らねばならんのが、なかなか踏み切れないところだ。
構想はまとまりつつあるのだが。

フェイスブックをぼんやり見てたら、どなたかが、 「一般社団法人日本木質バイオマスエネルギー協会」
なる所のページを紹介して下さっており、これがお固い名前の割に大変面白い内容で、参考になる。

その中に、

この当時の日本を振返ってみよう。昔ながらの木質燃料は、海外から入ってくる安価な化石燃料と国内の原発から送られてくる電気に押されて、衰退の一途をたどっていた。灯油や液化天然ガスが山奥の集落にまで深く浸透し、薪や木炭は徹底的に駆逐されていく。

という一節があり、大変ぐっと来る。

まさに、ここほんの数十年で、「薪や木炭は徹底的に駆逐されて」いった。

私は間に合ったのだろうか。

ロケットストーブの暖かさは? (薪ストーブとロケットストーブの連結。)

さて、今日はちょっと長文を書いてみようと思う。

山の家のロケットストーブの改造も一段落したし、吹きガラスの窯で、薪と炭を使う試みもとりあえず、一段落、という感じで、次の段階へ行く前に、薪、炭の燃焼で、今自分なりにわかってきたことを、まとめておきたい。

1.薪ストーブとロケットストーブは連結できるか?

タイトルに「ロケットストーブの暖かさは?」と付けたとおり、実は山の家に作ったロケットストーブは、とても寒い日に、山の家全体の部屋を暖めるのは、ムリだった。
15畳以上の広さの空間で、床も壁も天井もスカスカで、隙間だらけなのだから当たり前といえば当たり前。

もともとロケットストーブの本にも、ある程度密閉された空間でないとロケットストーブには向いていない、(*1)と書いてあったので、覚悟はしていたのだが、とにかくロケットストーブを作ってみたかったかのだから、少々寒いのは自分は我慢できる。(やせ我慢。)

だが寒い冬の朝、学校に行く子供たちや、冬になると足先がしもやけになる相方の事を考えると、家の中は暖かくしておきたいのである。

で、ふと思いついたのが、フィードチューブ(焚き口の薪入れ部分)を鉄板製の薪ストーブにしてしまえば、直火で暖まるので、今よりずっと暖かくなるんじゃないか?という事だった。

それに鉄板製の薪ストーブは立ち上がりが早い。

(ロケットストーブはじわじわと暖かくなって来るので、寒い朝、学校に行く子供たちの為に部屋を暖めておきたいときはすごく早起きしないといけない。約、1,2時間はかかるか。)

もともと、山の家のロケットストーブは、フィードチューブ内で、ある程度薪を燃やすように作ってある。

フィードチューブの燃焼について。

ならば、フィードチューブを時計型ストーブなどの鉄板薪ストーブにして、今のロケットストーブをそれの煙道としてつなげてしまえば良いではないか?

つまり、こう。

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いきなりの完成形でわかりやす過ぎるが、実はここにいたるまで、かなり苦労した。

自分では、こんな感じで、こんなもん楽勝でできるぜ。あっと言う間に完成さー。と、夕方から山の家に材料を持ち込んで、工事にかかり始め、よっし!夜には薪ストーブでポカポカさー。とにやにやしていたのだが、結局12時になっても、満足に燃えず、寒い体でフトンにもぐるしまつ。

原因は薪ストーブの煙突口をそのまま、ロケットストーブの焚き口(バーントンネル)に繋げようとした事。

これがまさに失敗例。
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鉄板薪ストーブの円筒形の煙道部が、狭くて、高さも高すぎ、空気の流れを遮断してしまい、薪ストーブからロケットストーブへのスムーズな空気のつながりができず、どんな焚き方をしてもロケットストーブに煙が流れず、家の中がケムリだらけになってしまった。もう目が痛い程。

で、新品のストーブを改造するのは気が引けたが、思い切って煙道部を取り外し、四角い穴を開けた!

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そして新しくレンガでバーントンネルをL字に作り直し、耐火断熱レンガを加工。段差、ストレスのない、スムーズな空気の流れを作ってやる事にした。

鉄板薪ストーブとの隙間は粘土に灰を混ぜたモルタルで埋めてつなげる。

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(右側がロケットストーブへの入口、奥が薪ストーブの煙の出口。L字の結合部を裏から見たところ。
点火時にはここから点火し、右側のバーントンネルへの炎の流れを十分に作ってやるとよく燃える。)

これでやっと燃えるようになったのだが、今度は燃え方に難あり。

薪ストーブの扉を閉めて、空気穴をいっぱいに開けて燃やそうとしても、すぐに火が弱くなって、しまいには消えてくすぶってしまう。どうしたらいいのか?

またまたいろいろいじるうち、扉を開けっ放しにしておくと、よく燃える事に気付いた。
しかし開けっ放しだと、煙が室内に逆流してくる。でも閉じたら火が消えそうになる。

こりゃどうしたもんかいのー、と座り込んで考えるに、どうも扉に付いている空気口だけでは、空気量が不足している。という事であろう、との結論に達した。

通常の薪ストーブの焚き方をしているのでなく、ロケットストーブに連結している→ロケットストーブは空気をたくさん吸う→今の扉に付いている空気口は狭い?→ならば空気口を広げてやれば良い。

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こうして扉を半分にカットし、下半分を開けておくことで、ようやく安定して、燃えてくれるようになった。

カット位置を決めるには、扉を全開にした状態で、適当な板を上からシャッターのように降ろしていくと、煙が室内に逆流せず、きれいに吸い込まれてゆくところがあるので、その線でカットした。

上側の小窓にはガラス窓が付いていたのだが、どうやってもここは煙がくるくると対流する位置にあり、すぐにヤニで黒くなって見えなくなってしまうので、あとで鉄板を加工して窓にしてしまった。炎を見たい時は取り外して見られるように。
結果、ガラス窓がいらなくなってしまい、勿体無い事をした。

ま、とにかく、やれやれ、やっと出来た。

メザシを焼いて、ショーチューで乾杯。
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あー暖かい。

2.ロケットストーブに太い薪。ロケットストーブの欠点を解消。

ロケットストーブは大変エコロジカルなストーブだが、欠点もある。

薪をしょっちゅう入れないといけない、暖かさの立ち上がりが遅い(ロケットマスヒーター型の場合)この2つが代表だと思う。で、今回、鉄板薪ストーブをつなげる事でこの2点がある程度、解決できた。

薪は径20センチ、長さ6、70センチぐらいのメガ薪も入るので、突っ込んでおけば世話はあまりいらなくなった。

(薪ストーブ奥からL字に作ったバーントンネル部。炎がロケットストーブ側に吸い込まれてゆく。)

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立ち上がりの遅さも直火で暖まられる所が増えたので、ある程度は解消できた。
ただし、ヒートライザー直下のバーントンネルを十分に暖めてから、火をだんだんと、薪ストーブの扉付近まで、誘導して来ないと、普通の薪ストーブの焚き方にならない所が難点ではある。
そのかわりヒートライザーとバーントンネルが十分に暖まり、ストーブの引きが決まってくると気持ち良いように燃えてくれる。

こうなってくると、薪ストーブ内のどこで火を焚こうが煙は逆流することなく、ロケットストーブに吸い込まれてゆく。

そして、薪ストーブの底から、バーントンネルにかけて十分に熾き火を敷き詰めておくと、ススの出やすい杉などの薪もあまりススを出さずに燃える。熾き火の上でススが燃え尽きてしまうのだ。

この燃やし方は、先日あった地域のもちつき行事のとき、お年寄りの方が、薪かまどで煙をほとんど出さずに、実に上手に火を扱っていらっしゃるのを見て気付いた事だ。
この状態で空気をうまく導入し、ススを燃やし切るような燃焼をすれば、吹きガラス炉の更なる高温化も可能ではないだろうか。

そしてロケットストーブはヒートライザー直下のバーントンネル部が一番温度が上がる事も、先日の実験でわかったし、

一番簡単なロケットストーブの作り方。

これらを組み合わせて炉を作れば上手いこと行くかもしれない気が今している。

3.今回買った鉄板薪ストーブ。

今回も前回、ホーロー製煙突を買った北海道、小樽の「新保製作所」さんの、薪ストーブにした。
名前がヒートエース。鉄板も厚めの長持ちしそうな薪ストーブだ。

このヒートエースの三面ガラス窓バージョンにしたかったのだが、人気らしく、納期が少しかかるようなので、前面扉だけ、ガラス窓のやつにした。
結果、前述したように、ロケットストーブに連結して燃やす私のやり方だと、丁度ガラス窓の高さのところで、煙が対流して、ガラス窓がすぐ黒くなってしまったであろうから、三面窓にしたら悲しかったかもしれない。

新保製作所さん良い会社です。ありがとうございました。

「北の国より愛を込めて、薪ストーブの新保製作所」

そして勝手に改造してごめんなさい。しかし性懲りもなく今度は床下空気導入口を、切り取った煙道部を使って作ろうと画策中です。

さて、お湯も湧いていい感じに暖まってきました。

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最後に、ロケットストーブの本の中から、Q&A "火急”の質問部分を一部引用して、終わりとします。

長々と読んで下さってありがとうございました。

(*1 ロケットストーブ Rocket Stoves to heat cob bildings より引用)

Q1 ロケットストーブはどんな種類の建物も暖められるの?
A1 (前段略) 〜しかしロケットストーブは、様々な種類の金属製ストーブのように、さっと急速には熱を放射しないので、もしあなたが寒空の下、すきま風が漏れる、断熱効果のよくない家に住んでいたら、もっと放射熱を出せる、正面に立って体を暖められるような、他のバリエーションを考えたほうがいいでしょう。

Q2 ロケットストーブの設置に適さない場所とは?
A2  (前段略)〜木工所などの職場では、作業者はほとんど座っていません。こういう場所では、蓄熱する代わりに、たくさんの熱を放射するストーブを使って、ストーブの近くや遠くに移りながら、素早く快適な暖かさが感じられる方が良いでしょう。納屋のようなあまり密閉されていない大きなテントのような生活空間では、ロケットストーブの周りの土が暖められる前に熱を奪われてしまうので、直接ドラム缶の中で、薪を焚き、熱を放射できるストーブとか暖炉の方がいいでしょう。

吹きガラス窯での薪と炭の使い方。(いにしえのマエストロのように)

今年から吹きガラス窯で薪と炭を焚いているが、近ごろやっとパターンが決まってきたようだ。

最初の頃はやみくもに焚いて、ススとケムリが出るばかりで、ずいぶん無駄も多かったが、少しは賢くなった。

さて、まず、朝一番にダルマの底の灰をかき出し、窯前を掃除する。

そして、小ダルマに炭を1,2本投入。

次に、小ダルマのガスバーナを点火する。
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それから大ダルマに細めの薪を一本投入。余熱で窯内は十分熱いので、しばらくすると薪がくすぶりだす。

そのケムリは小ダルマに流れて、小ダルマ内できれいに燃焼してしまう。

大ダルマの薪が燃え尽きて熾き火になったら、次の薪を投入。またケムリを出して小ダルマ内で燃やす。

そうやって、繰り返し薪を燃やすうち、大ダルマ内では、大量の熾き火ができる。

その熾火を長い火箸でつかんで小ダルマに移動してまた燃やす。

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こういう感じの繰り返しで、ガスバーナーはごくごく絞っていても、小ダルマ内は高温を保つ事ができる。

熾き火は大量にできるので、小ダルマに入りきらない分は、ペール缶に入れて蓋をすれば酸素がなくなり、消し炭ができるので、それを家の火鉢で使用する。

このように、何というか、吹きガラスの仕事をしつつ、炭作りもできるというパターンが形成されつつあるのが、何かいい。

かっこ良く言えば、「カーボンニュートラル」な、炭素固定をやっているわけだ。

更に、このパターンでいくと、小ダルマ内がケムリが自燃するほど熱くなれば、ガスを止めても無煙炭焼き窯ができる。

温度が下がればまた適宜、小ダルマに大ダルマの熾き火を移動させればすむ話である。

これからの課題としては、ススの出やすい油分の多い杉や竹を入れすぎると、黒いススのケムリが出る事だ。

だが、逆に、このススを完全に燃やしきる事ができれば、
更なる薪ガラス炉の高温化が出来る筈だと思っている。

まあそういう訳で、薪を燃やしつつ、リサイクルグラスを熔かして、ルネッサンススタイルのワイングラスなど、作っていると、古(イニシエ)のマエストロになった気分で仕事ができて大変気分が良い。

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さて、ここからは、まあ宣伝だが、

このワイングラスは、ただ今開催中の、鹿児島市のシーズギャラリーで展示しているので、気に入っていただけたら、お買い求め下されば幸いである。

木質ガスの燃焼。動画つき。

ようやく寒くなって吹きガラスの仕事も楽になってきた。

と思ったら、今日は蒸し暑くて小屋内は30度。夕方から雨が降りだす。

木質ガスの燃焼は水素ガスの燃焼が多いように思う。

動画を撮ってみた。

透明な炎でふわふわ燃えているのが、木質ガスの炎だ。

木質ガスだけでは温度が上がらないので、プロパンガスも、ごくごく絞って燃やしているが、赤い炎がプロパンガスの炭素が燃えている炎である。

ガラスを熔かすのには赤色の炎が良いという。(輝炎、というらしい)

つまり、炭素が燃えている状態がガラスの加工をしやすい炎という事だ。

ガスより、灯油、灯油より、重油が吹きガラスの作業はし易いというのも、炭素分が多いほうがガラスをよく熔かすということだ。

という事は、炭素がほとんどない、水素ガスの燃焼は吹きガラス向きでないという事になる。

まだまだ、課題が多いようである。

塩吹き男。

風呂に入ろうとアゴに手をやったら塩が出来ていた。

なんでアゴに塩が出来るのかというと吹きガラスをやっている人なら経験があると思う。

暑い時に吹きガラスをやると塩を吹くのだ。

吹くというか、正確にゆうとつまり、暑さでかいた汗が、窯の熱で水分が蒸発して、いつの間にか塩になる。

出来るのは大体、胸の谷間の上部、つまりTシャツからはみ出た部分に出来やすい。

一番汗がたまりやすい所で、ガラス窯の熱にさらされるので、汗がすぐ乾き、塩になるのだ。

さわるとザラザラするのですぐ分かる。

で、塩分補給のため、なめたりするのだが。

けっこうおいしい。

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それからアゴの先も塩を作りやすい。

ふつうアゴは先が下がっているので、汗がたまりやすいし、ヒゲが適当に伸びていると、水分が蒸発しやすくなるので、よく塩ができる。

特に長さが、3,4ミリの時が良いようだ。

また、塩吹き男。と書いたが、これが女、だと変に喜ぶ人がいるかもしれないので気を付けよう。

人間であれば誰にでも暑い時に塩は出来る事なのだが、潮吹き岩を見て大喜びする馬鹿もいるので。

全国いろいろあるが、山口県の竜宮の潮吹き岩が私は特に面白かった。

 

 

 

 

昔はいい時代ではあったが「〇〇が欲しいのですが・・・・」というと、オレに聞け!みたいなオヤジが出てきて、「なんにするんだ!」と聞かれ

気がつくと、萩の白い花が散り始めている。
不思議に咲くのも散るのも静かな花で、昔の日本人はそんなところを秋の花として愛したのだろう。

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今はコスモスが秋の花になってしまったが、花札にはできないな。

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さて、今日は少し時間があったので、買っといた小型ファンの結線をして、使えるようにする。

薪炭ガラス窯はエアを強制的に入れた方が温度が上がるようなので、流量の大きなACファンをオークションで手に入れといたのだ。

一つはカタツムリ型のシロッコファン、もひとつはふつうのACファンだ。

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近ごろは、こういうパーツがネットで手に入れられるようになって、わたしみたいな、自分でやるぜ派にはいい時代になったもんだ。
その他の政治経済とかは近未来的な退廃的崩壊状態だがそこがまた近未来的ではある。

昔はいい時代ではあったが、私の少年の頃はホームセンターすらなく、こういうコマい部品を買うのにも、地元の業者しか入らないコアな卸売専門業者に覚悟を決めて入り、「〇〇が欲しいのですが・・・・」というと、オレに聞け!みたいなオヤジが出てきて、「なんにするんだ!」と聞かれて、いや、あんたに言ってもわからんだろ、オレみたいな非常識な使い方、とも言えず、適当な分かりやすい言い訳をしつつ買うのが苦痛だった。値段も、最後におっさんが分厚いカタログをめくって調べるまでわからんし、結局以外に安かったりするのだが、とにかく手に入れるまでの過程が大変だった。

だからパソコンの画面で、値段と寸法を確認しながら買える、というのは、もう、理想的なのですね。
その分、余計なものまで買ったりするが。

そういう事で、すぐに、強制ファン、つまり薪、炭用の電気フイゴがすぐにできてしまった。

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さてさて、シロッコファンと、普通のACファンを並べて、風量実験してみよう。

以外な事にシロッコファンはその、いかにも大風量があります!という外見からは期待ハズレな風量であった。

普通のACファンのほうが、少し、風量体積は勝ってるのではないかと思う。

ただ、シロッコファンのほうが、風が絞られてて吹いてくるのはいいのだが。

あとは、明日、実際に焚いて実験するしかあるまい。

シロッコファンのほうが高かったんだがな。

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