ついにロケットストーブの制作を実施することに決めた。 耐火断熱レンガは山ほど貰って、積んためてあったので、いつでも作れる。
最後まで迷ったのが、煙突付きのロケットストーブにするか、それとも、ブリキ製のストーブにするかの問題だった。
煙突を付けて設置するのは両方同じような手間だが、ロケットストーブがどれくらい暖かくなるのかが、実際に部屋の中に設置してみないことには分からないからだ。
一方ブリキ製ストーブの暖かさと、立ち上げの早さは友人宅で体験させてもらったので、よくわかる。
借りている山の家は寒い。
なぜなら床も天井も壁も隙間だらけだからだ。
直火でガッと暖めるブリキ製ストーブの方が、隙間風には強いであろう事は想像がつく。
しかし、作ってみたい、ロケットストーブ。
こんな面白そうなものを作るチャンスはもう無いだろう。
やっぱり結局ただそれだけの理由で作る事にする。
で、まずはテストモデルを作って、試験運転。
実際に火を点けないと何も分からない。
一回目、燃焼室がレンガ二段で、断熱煙突部に当るヒートライザー部がレンガ二段積み。
おお! たったこれだけの事でもすごく良く燃える。
屋外で料理とかに使うのにはこれで十分かも。
二回め 燃焼室はレンガ二段で十分とみたので、ヒートライザー部をレンガ三段積み。
これもよく燃える。
形のバランス的にも落ち着いていて良い。
調理するのにも十分な火力だ。
さて、この後、断熱煙突部=ヒートライザー部分を一段ずつ増やして、レンガ六段まで積んでみた。
確かに高く積めば積むほど良く空気を吸い込むが、そうかと言って、二段と六段の差がものすごいか?
というと、そうでもない。
むしろ屋外で調理するのなら、直火に近い二段、三段あたりが使いやすいのではないだろうか。
さて、一応ここで、ドラム缶などの熱放熱缶をかぶせないで、裸火を利用する一番シンプルなロケットストーブの実験終わり。
今回は室内で使えるロケットストーブ※を作る予定なので、次の実験に移る。
※断熱煙突部(ヒートライザー)にドラム缶などをかぶせ、煙突から出る熱を下向きに、ダウンドラフトさせ、熱をドラム缶の表面から放熱させ、排熱をムダ無く暖房に取り込み、室内を暖めるのがロケットマスヒーターと呼ばれるロケットストーブであるが、今回の記事では特に区別せず、一括りにロケットストーブと書くことにする。
室内に置くための、放熱缶を何にするか?で中に入れるヒートライザーの高さが決まるので、まず、それを決めねばなるまい。
これだ! 納屋にいい感じのブリキ缶が転がっていたので、これを使う事にする。
ところで、ロケットストーブはアメリカ生まれなので、各部分に、かっこいい英語の名前がついている。
たとえば、ヒートライザーとか、バーントンネルとか、なのだが、ドラム缶はそのままドラム缶としか、マニュアル本には書いてない。
そうなると私の場合、熱放熱缶を、ブリキ缶、と呼ばんといけんので、せっかくかっこ良く各部分の名前を呼びながら作ろうと盛り上がった気分がしおれる。
で、自分勝手に熱放熱缶をヒートバレルと呼ぶことにする。
煙突を引いて、室内に設置するタイプのロケットストーブは、ヒートライザー部から勢い良く流れ出た上昇排熱が、このブリキ缶、もとい、ヒートバレルの天井にぶち当たった勢いと、急に冷まされる事とで下向きに流れを変え、ぐるりと室内の床面に這わせた煙道を通って室外の煙突に引かれるのだという。
それにより、薪を燃やした熱はほとんど余す所なく、室内に取り込む事ができ、室内の床に這わせた煙道を粘土などで覆うと、暖かいベンチとなり、そこに座ると、あまりの気持ちよさについ居眠りしてしまうのだという。
ふむ、あの暖かい電車の椅子と同じ感じの椅子ができると言うことだな。
で、確実に、排熱をダウンドラフトさせるには、強い上昇気流の流れをヒートライザー部に作る必要がある訳だ。
そのための高さは本によると、62.5センチから100センチの高さにすること!
さて、その為にはこのブリキ缶の中でどうレンガを組めば良いか?
次回に続く。
こちらもどうぞ。
「もっとも簡単なロケットストーブの作り方」
ロケットストーブの暖かさは?(ロケットストーブと薪ストーブの連結)
※ 私の言ってるロケットストーブのマニュアル本はこの本です。
サイズなどが詳しく書かれていて、(但し、ヒートバレルにドラム缶を使った場合ですが。)とてもいい本です。
まずこの通りに作ったら間違いないでしょう。
日本ロケットストーブ普及協会ー公式ブログ 「ロケットストーブ」イアント・エヴァンス+レスリー・ジャクソン共著 服部 淳子 訳