人が死んでしまうという事は

近ごろ私の知人が死んでしまう事が重なりいつもは死の事など考えもしないのだがこのところ頭の隅に死がすみついている。

実に人はあっさりと死んでしまうものだなと。

親しかった人が、私の中では存在を保ったまま、現実には存在しなくなってしまったというのは、なんとも妙な感じだ。

よく飲む人たちだったので、頭の中ではショーチューコップを抱えた姿が思い浮かぶのだが、もう一緒に飲めないのである。

またもう一つ。

人の少ない所で人が死んでしまうと、欠落感がかなりあると言う事。

一人は借りている山の家の限界集落の人だった。

そんなに親しくしていた訳でもなく、たまに公民館の新年会とかで一緒に飲む人で、呑み助三羽がらす、の一角だった人なのだが、限界集落で一人死ぬとがっくり感がちょっと重い。

あの震災では、少なからず限界集落のような地域でもかなり被害があった筈で、その喪失感は限りないものだったんだろうと、まことに遅すぎるが想像できる。

そしてあの戦争でも。

これからの事を考えるとやらなければいけない事がいっぱいあるのだ。

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