今回は、うちの自宅のほうの薪ストーブを紹介してみようと思う。
山のほうの家には、ロケットマスヒーター型のストーブが置いてあるのだが、こちらのほうは、昔詳しく書いた
(「ロケットストーブ」もしくは「ロケットマスヒーター」製作記録第一回)、
ので今度はこっち。
まあ、こっちのストーブも、いろいろと記事を書いているのだが、改造してきているので、自分でどうゆう改造をしてきたのか、混乱してきた。
最近どうやら改造熱も落ち着いてきたので、この際まとめておきたい。
まず、改造の歴史と、反省点から。
初号機、バージョン1(製作時 2015年1月27日前後)
こいつは、ガラスのルツボを切って、煙突にしてみた。
が、しかし、ルツボの接合部から、煙の漏れがあって、部屋が煙くなり、不評。
それに、ルツボはふくらみがあるので、煙道内部の断面積が場所によって変わる事になってしまい、排出効率が悪いように感じた。
(ロケットストーブの煙道面積は、変わらないほうが、いい。とロケットストーブマニュアルに書いてあった。)
なお、ストーブ本体は、新保製作所さんの、ヒートチョッパー君。
もともとは、後ろ出しの煙突だが、それは塞いで、新たに左側に穴を開け、耐火断熱レンガで、煙道を作ってある。
ここの基本部分は、のちの改造でも、手を入れていない。
上面でもお湯が沸かせるように、鉄板を組み込んだのだが、ここからの煙漏れもけっこうあって、笑えた。
それにしても、火好きの人間は、わけもなくお湯を沸かしたがる。
そんなに、お茶や、焼酎のお湯割りを飲む訳でもないのに、である。
炎好きのレゾンデートル、存在意義、の証明なのか?
バージョン2(制作時2015年2月2日前後)
排熱を有効利用するため、エルボと、一斗缶を使って「放熱ユニット」を煙道の途中にかましてみた。
暖かさの効果は、一応あったが、見た目がおおげさ、「メカっぽくてかっこいい」と思ってたのは私だけ。
で不評。
しかし、この時の煙突出口からの、排熱が一番温度が低かった。
木酢液もよく滴っていた。
熱回収、という点では、優秀だったのだろう。
バージョン3(制作時2016年2月18日前後)
「オーブン」と、「スス取りボックス」という、二大めんどくさいユニットを取り付けた。
思い立ったが吉日で、聞く耳もたず。という行動である。
ま、しかし、こいつは、けっこう性能がよく、オーブンも小さめ(小さいスキレットが入るくらい。)に作ったせいか、使いやすく、好評。(だと思うが。)
スス取りボックスも、それなりの役目を果たしている。
筈である。
(追記 〜この時、放熱ユニットは取り外した。オーブンと、スス取りボックスがある程度、放熱してくれるだろう、と思って。
しかし、この改造以来、木酢液の滴りはなくなったので、煙突出口の温度は、上がった筈である。)
以上、現在に至る。
詳しい記事は、以下のリンクから、過去記事を参考にしてください。
バージョン1 ルツボを再利用して薪ストーブ。Rocket Stove with Recycle Melting Pot .
バージョン2 ヒートチョッパーとバスタオル一発芸(ナミ)。
バージョン3オーブン&スス取りフィルター付きロケットストーブ。RocketStove with Oven&Sootfilter.
さて、
次の図が、今のバージョンの図解である。
写真では、内部の排気の流れがわかりにくいと思い、図にしてみた。
赤い点線が排熱の流れである。
実際には、これに、鉄製の扉と、背面に断熱レンガの防火壁があるのだが、図が煩雑になるので、省いてある。
また、レンガの組み方は、実際とは違う。
あくまで、おおまかな構造をわかってもらうための図である事を、ご了承いただきたい。
説明すると、薪ストーブ部は、新保製作所さんのミニ薪ストーブヒートチョッパー君。
先程書いたように、本来は、背面にある煙突口を、左側面に移動し、煙突は、耐火断熱レンガを組んで立ち上げた。
これにより、ストーブ出口すぐの煙道が断熱され、一定のロケットストーブ効果を生むものと期待している。
次に煙道は、オーブンに向かう。
オーブンと、スス取りボックスは、赤レンガで組んだ防火壁の、天井(天井の赤レンガは、鉄アングルで、支えてある。)に載っている形だ。
そのオーブンの、上と、下を煙道が通るように、耐火断熱レンガを組む。
ここは細かい作業になるので、柔らかく加工しやすい、断熱レンガを、ノコギリで切ってはめこみつつ、オーブンを囲うように、排熱の道を作った。
オーブンの下火が強くなると予想されたので、天火のほうに排熱が向かいやすいよう、上の煙道の幅を下より広げた。
それでも、試運転してみると下火が強いので、スス取りボックスの蓋をあけ、小さなレンガを下の煙道に差し込んで、こちらに排熱が行きにくいようにした。
これで今はいい感じに火が回っている。
オーブンを過ぎた煙道は、一本にまとまり、スス取りボックスに向かう。
ここで、煙突は、ちょっと途切れたような感じになる。
というか、一斗缶のサイズに広がるわけだが、感じとしては、途切れた感じ。
赤い点線が、煙道。
灰色の線が排気の流れ。
そしてステンレスのザルに、ススや灰を付着させつつ、排気は天井部煙突に向かうのだった。
これを見ていただいて、だいたいおわかりだろうが、この薪ストーブは、レンガと、鉄を組み合わせて作ってある。
レンガで鉄の箱をつなげるような構造である。
この作り方のメリットは、自由度、拡張性が高い点にある。
思いついたユニットを、つけられるし、薪ストーブ自体の容積も、広げる事ができる。
つなぎ目は、灰と、石灰と粘土をよく混ぜて、モルタルのように、塗りつけている。乾燥してきたら、ヒビが入ってくるので、そのつど、刷毛で、またモルタルを塗る。
表面用には、化粧土として石灰を多くしたものを塗ってやると、白っぽくなって、見た目がよくなる。
モルタルとしての配合は、3,3,3の等分で良いと思う。
灰を入れるのは、耐火性を増すためと、つなぎの役目。
セメントでいう、砂利と、砂の役割ですね。
石灰も耐火性があるが、展着性を増す(ひっつきやすくなる)ような感じがする。
もちろん、化粧としての役目もあるし。
場所によって、配合を変えてみれば良いのではなかろうか。
最後に、この薪ストーブでは、レンガが3種類使ってあるが、これは、私が仕事上、たまたま、集めていたもので、薪ストーブの温度域であれば、赤レンガだけで十分だと思う。
高温耐性が必要になってくるのは、1000度超すころからだろう。
(追記〜と思うのだが、念の為、というか、文章の責任上、鉄などが、熱で赤くなってくる700度ごろ、から耐火レンガのほうがいいかも。と、訂正する。
しかし、薪風呂を作る職人さんは、赤レンガだけで十分。と言っていたし、実際、私の、山の家の薪風呂は、赤レンガだけで組んである。
また、赤レンガと、耐火レンガは、サイズが違うので、一緒に組みにくいのである。(耐火レンガが大きい)
であるから、直接炎が当たるところは、耐火レンガ、という事にしておきたい。)
あると助かるのが、断熱レンガだ。
断熱レンガは柔らかく、普通のノコギリで切れるほど加工しやすいので、細かいパーツを作りやすく、作業しやすい。
A類断熱レンガが、珪藻土質のピンク色のもの。七輪のあの感じである。
C類断熱レンガは、発泡スチロールを固くしたような材質で、断熱性に優れる上、荷重に耐える強さもあるので、ガラス炉の敷レンガに使われたりする。
加工もしやすく、よいレンガだが、ちと高い。
ちなみに、断熱レンガと、耐火レンガは全然違う。
耐火レンガは硬い。
断熱レンガは柔らかい。
耐火断熱レンガは、両方の特徴を併せ持つので、真ん中をとって、やや硬い。
種類もA,B,Cとあり、得意とする温度域によって、番号分けされている。
ガラス炉には、比較的価格も安く、強度もあるB類レンガを使うことが多い。
石灰や、耐火レンガは、左官屋さんが出入りするような、玄人向きの建材店であつかったり、注文に応じてくれたりする。
(この記事、つづく?かどうかわからん。けど煙突掃除の事は忘れないうちに書いとこうと思ってはいる。)