自作薪ストーブとか、薪ストーブの改造とか。

今回は、うちの自宅のほうの薪ストーブを紹介してみようと思う。

山のほうの家には、ロケットマスヒーター型のストーブが置いてあるのだが、こちらのほうは、昔詳しく書いた

(「ロケットストーブ」もしくは「ロケットマスヒーター」製作記録第一回)

ので今度はこっち。

まあ、こっちのストーブも、いろいろと記事を書いているのだが、改造してきているので、自分でどうゆう改造をしてきたのか、混乱してきた。

最近どうやら改造熱も落ち着いてきたので、この際まとめておきたい。

まず、改造の歴史と、反省点から。

初号機、バージョン1(製作時 2015年1月27日前後)

こいつは、ガラスのルツボを切って、煙突にしてみた。

が、しかし、ルツボの接合部から、煙の漏れがあって、部屋が煙くなり、不評。
それに、ルツボはふくらみがあるので、煙道内部の断面積が場所によって変わる事になってしまい、排出効率が悪いように感じた。

(ロケットストーブの煙道面積は、変わらないほうが、いい。とロケットストーブマニュアルに書いてあった。)

なお、ストーブ本体は、新保製作所さんの、ヒートチョッパー君。

もともとは、後ろ出しの煙突だが、それは塞いで、新たに左側に穴を開け、耐火断熱レンガで、煙道を作ってある。
ここの基本部分は、のちの改造でも、手を入れていない。

上面でもお湯が沸かせるように、鉄板を組み込んだのだが、ここからの煙漏れもけっこうあって、笑えた。

それにしても、火好きの人間は、わけもなくお湯を沸かしたがる。

そんなに、お茶や、焼酎のお湯割りを飲む訳でもないのに、である。

炎好きのレゾンデートル、存在意義、の証明なのか?

バージョン2(制作時2015年2月2日前後)

 

排熱を有効利用するため、エルボと、一斗缶を使って「放熱ユニット」を煙道の途中にかましてみた。

暖かさの効果は、一応あったが、見た目がおおげさ、「メカっぽくてかっこいい」と思ってたのは私だけ。
で不評。

しかし、この時の煙突出口からの、排熱が一番温度が低かった。

木酢液もよく滴っていた。
熱回収、という点では、優秀だったのだろう。

バージョン3(制作時2016年2月18日前後)

「オーブン」と、「スス取りボックス」という、二大めんどくさいユニットを取り付けた。
思い立ったが吉日で、聞く耳もたず。という行動である。

ま、しかし、こいつは、けっこう性能がよく、オーブンも小さめ(小さいスキレットが入るくらい。)に作ったせいか、使いやすく、好評。(だと思うが。)
スス取りボックスも、それなりの役目を果たしている。
筈である。

(追記 〜この時、放熱ユニットは取り外した。オーブンと、スス取りボックスがある程度、放熱してくれるだろう、と思って。
しかし、この改造以来、木酢液の滴りはなくなったので、煙突出口の温度は、上がった筈である。)

以上、現在に至る。

詳しい記事は、以下のリンクから、過去記事を参考にしてください。

バージョン1 ルツボを再利用して薪ストーブ。Rocket Stove with Recycle Melting Pot .

バージョン2 ヒートチョッパーとバスタオル一発芸(ナミ)。

バージョン3オーブン&スス取りフィルター付きロケットストーブ。RocketStove with Oven&Sootfilter.

さて、

次の図が、今のバージョンの図解である。

 

写真では、内部の排気の流れがわかりにくいと思い、図にしてみた。

赤い点線が排熱の流れである。

実際には、これに、鉄製の扉と、背面に断熱レンガの防火壁があるのだが、図が煩雑になるので、省いてある。

また、レンガの組み方は、実際とは違う。
あくまで、おおまかな構造をわかってもらうための図である事を、ご了承いただきたい。

説明すると、薪ストーブ部は、新保製作所さんのミニ薪ストーブヒートチョッパー君。

先程書いたように、本来は、背面にある煙突口を、左側面に移動し、煙突は、耐火断熱レンガを組んで立ち上げた。

これにより、ストーブ出口すぐの煙道が断熱され、一定のロケットストーブ効果を生むものと期待している。

次に煙道は、オーブンに向かう。
オーブンと、スス取りボックスは、赤レンガで組んだ防火壁の、天井(天井の赤レンガは、鉄アングルで、支えてある。)に載っている形だ。

そのオーブンの、上と、下を煙道が通るように、耐火断熱レンガを組む。
ここは細かい作業になるので、柔らかく加工しやすい、断熱レンガを、ノコギリで切ってはめこみつつ、オーブンを囲うように、排熱の道を作った。

オーブンの下火が強くなると予想されたので、天火のほうに排熱が向かいやすいよう、上の煙道の幅を下より広げた。

それでも、試運転してみると下火が強いので、スス取りボックスの蓋をあけ、小さなレンガを下の煙道に差し込んで、こちらに排熱が行きにくいようにした。
これで今はいい感じに火が回っている。

オーブンを過ぎた煙道は、一本にまとまり、スス取りボックスに向かう。

ここで、煙突は、ちょっと途切れたような感じになる。
というか、一斗缶のサイズに広がるわけだが、感じとしては、途切れた感じ。

赤い点線が、煙道。

灰色の線が排気の流れ。

そしてステンレスのザルに、ススや灰を付着させつつ、排気は天井部煙突に向かうのだった。

 

これを見ていただいて、だいたいおわかりだろうが、この薪ストーブは、レンガと、鉄を組み合わせて作ってある。

レンガで鉄の箱をつなげるような構造である。

この作り方のメリットは、自由度、拡張性が高い点にある。

思いついたユニットを、つけられるし、薪ストーブ自体の容積も、広げる事ができる。

つなぎ目は、灰と、石灰と粘土をよく混ぜて、モルタルのように、塗りつけている。乾燥してきたら、ヒビが入ってくるので、そのつど、刷毛で、またモルタルを塗る。

 

表面用には、化粧土として石灰を多くしたものを塗ってやると、白っぽくなって、見た目がよくなる。

モルタルとしての配合は、3,3,3の等分で良いと思う。

灰を入れるのは、耐火性を増すためと、つなぎの役目。
セメントでいう、砂利と、砂の役割ですね。

石灰も耐火性があるが、展着性を増す(ひっつきやすくなる)ような感じがする。

もちろん、化粧としての役目もあるし。

場所によって、配合を変えてみれば良いのではなかろうか。

最後に、この薪ストーブでは、レンガが3種類使ってあるが、これは、私が仕事上、たまたま、集めていたもので、薪ストーブの温度域であれば、赤レンガだけで十分だと思う。

高温耐性が必要になってくるのは、1000度超すころからだろう。

(追記〜と思うのだが、念の為、というか、文章の責任上、鉄などが、熱で赤くなってくる700度ごろ、から耐火レンガのほうがいいかも。と、訂正する。
しかし、薪風呂を作る職人さんは、赤レンガだけで十分。と言っていたし、実際、私の、山の家の薪風呂は、赤レンガだけで組んである。
また、赤レンガと、耐火レンガは、サイズが違うので、一緒に組みにくいのである。(耐火レンガが大きい)
であるから、直接炎が当たるところは、耐火レンガ、という事にしておきたい。)

あると助かるのが、断熱レンガだ。
断熱レンガは柔らかく、普通のノコギリで切れるほど加工しやすいので、細かいパーツを作りやすく、作業しやすい。

A類断熱レンガが、珪藻土質のピンク色のもの。七輪のあの感じである。

C類断熱レンガは、発泡スチロールを固くしたような材質で、断熱性に優れる上、荷重に耐える強さもあるので、ガラス炉の敷レンガに使われたりする。
加工もしやすく、よいレンガだが、ちと高い。

ちなみに、断熱レンガと、耐火レンガは全然違う。

耐火レンガは硬い。

断熱レンガは柔らかい。

耐火断熱レンガは、両方の特徴を併せ持つので、真ん中をとって、やや硬い。

種類もA,B,Cとあり、得意とする温度域によって、番号分けされている。

ガラス炉には、比較的価格も安く、強度もあるB類レンガを使うことが多い。

石灰や、耐火レンガは、左官屋さんが出入りするような、玄人向きの建材店であつかったり、注文に応じてくれたりする。

 

(この記事、つづく?かどうかわからん。けど煙突掃除の事は忘れないうちに書いとこうと思ってはいる。)

 

薪ストーブのガラス窓にススがつかないように改造してみました。Simple Air Curtain&Soot Hood

そろそろ薪ストーブのシーズンも終わりかと思えば、急に冷え込んでみぞれが降ったり、なかなか今年は油断ならないですね。

残り少なくなった薪を気にしつつ、ラストスパートです。うれしいような、さみしいような。

さて、薪ストーブのガラス窓がススでくもりやすかったので、ちょっとした改造を施し、なんちゃってエアカーテンを楽しんでます。

ただし、私のストーブは新保製作所さんの、ヒートチョッパー君ですので、窓は小さいです。窓ガラスの大きなものにはこの改造は苦しいかも。念の為。

それから私の場合、煙道を横に取り付けて、ロケットストーブでのフィードチューブ(薪供給部)の役割を薪ストーブが担当してますので、通常とは薪ストーブ内の煙の流れが違うかも知れません。これも念の為。

オーブン&スス取りフィルター付き薪ストーブ


さて、念の為が多すぎました。結論から言いますと、「ガラス窓の上にヒサシを付けたらいいんじゃないかな」と、それだけです。

こんなふうに。

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扉のガラス窓が付いている上側に、7〜8ミリ程の隙間がありましたので、そこに押しこむように、ツメを付けた鉄板を付けてみました。

ストーブ内部を回った煙は、このヒサシにさえぎられて、ガラス窓には当たらないしくみです。

巾は6,7センチぐらい。巾が広い方が効果的でしょうが、広すぎるとじゃまくさいです。

そして入り口下部に、小さいレンガを使って、ガラス窓の下から空気が入るように流れを作ってやります。

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以上で、完成。

たいした工作ではありませんが、かなり効果的で、ススの多い木や、薪を詰め込みすぎなければ、窓ガラスはクリーンなままです。

なんちゃってエアカーテンの作り方でした。

オーブン&スス取りフィルター付きロケットストーブ。RocketStove with Oven&Sootfilter.

今年2回めの雪が降った。
鹿児島は南のほうだから年中、裸のような格好で生きているように思われる事もしばしだが、

そんなことはない。

雪も降ればアラレも降る。
特に今年は強烈な寒波が南下してきたので、大雪(レベル鹿児島の)が降り、カマクラを作った。

それにこれは本当の話だが、よその人が冬に鹿児島に来ると「鹿児島は寒い!」と言うのだ。

なんでかと言うと、暖房設備がプアな上に、家の造りが冬を旨としていない、からなのだ。
だいたいコタツだけ、とか、ファンヒーターだけ、とかである。
まあ中にはファンヒータープラスエアコンという宅もあるが、それは最近の東京かぶれの暖房意識レベルの高いご家庭の話であって、昔気質の鹿児島人はだいたい冬は着ぶくれてやり過ごす。
だいたい冬に半袖で、ビールだの、アイスだのぜいたくの極みである。昔の鹿児島の店は冬はアイスの冷凍庫に蓋だか、ビニールなどして、冬はアイスなし。が当然だったのだ。実際うちの近所のお店は今アイスはお休み中だ。
それが北海道かぶれして、中暖房外断熱だかしらないが部屋をぬくぬくにして雪の日に半袖でビールなど実にけしからん。

(実は私も大雪の日にビール飲んで、子供はカマクラ作って暑くなったといってアイス食ってました。すいません)

ま、とにかく、昔の鹿児島はそんな感じで、ウチも以前は、冬は厚めに着てやり過ごす。という日々だったが、以前からの記事でおわかりのように、ロケットストーブなるものを知ってから、いろいろと火をいじくり回すうち、お、これなら家に薪ストーブつけられるじゃん。と思うようになった次第である。

ま、それで、薪ストーブの改造の話に入る訳で、ちょと前置き長すぎた。

あ、言っときますが、今回長文注意です。

とりあえず休憩しとこう。

うちの作品ネットショップでも売ってますので、ついでにこのへんで宣伝。

さて、前回煙突掃除の話で、結局ストーブを全バラシしたのはお話した。

Dismantling my rocketstove.
Dismantling my rocketstove.

それで、薪ストーブというのは面白いが煙突掃除もけっこう大変だなーとつくづく思った。

シーズン外の暖かい時なら、まだ良いが、寒い中、煙突が詰まり、やむなく掃除するのは辛かろうと。

私は、手間がかかればかかる程かわいいものよ、などと目を細める気はない。

そこで!

画期的なアイディアを今回導入する事にした。

ま、世界は広いから誰かがやってるかもしれんが、一応自分で思いついた。

それは!

「煙突の途中に、スス取りフィルターを付ければいいじゃん。」

ま、こんな感じで、

mo_20162184

ころがっていたステンレスメッシュの小ざるをかぶせてみた。

この部分は一斗缶で、放熱缶、兼、スス取りフィルター部になる。

全体の構造がわからないと、わかりにくいと思うので、完成形の画像がこれ。

mo_20162189

下の右側から、薪ストーブ本体、左が煙道(断熱してロケットストーブ仕様)、その上に、鉄板製のオーブン、その右側が、放熱缶兼、スス取りフィルター部、そして、上部煙突へ抜ける。という構造。

薪ストーブ本体は新保製作所さんのキャンプ用薪ストーブ「ヒートチョッパー」君だが、本来は後ろに付いている煙突口を塞いで、新たに左横に煙突口を開けてある。

サンダーとドリルで四角に穴を開け、耐火断熱レンガの煙道につなげてある。隙間は自作モルタルで固定した。

横に煙道を付けた事で、着火の時、すぐに煙の流れが煙道部に行き、ロケットストーブ特有のゴウゴウという燃焼音が聞こえる。

これはつまり、バーントンネル直下で点火する事により、煙がヒートラーザに引き込まれ、ロケットストーブ燃焼が容易に起こるのだと思われる。

これにより、着火が楽になり、朝、寝ぼけていても簡単に火が起きるので早起きが楽しくなった。

それから今回、ちょっと欲張ってオーブンも付けた。

ロケットストーブ仕様の煙道から上昇してきた排熱が、オーブンの箱の、上と下を通って、一斗缶の放熱部に入り、煙突に抜けるという煙の流れ。一斗缶の中の煙突に、スス取りフィルター(ま、ただの小ざるですが)を付けてある。
一斗缶は横だおしに設置し、右側に蓋が来てそれを外して掃除できるようにした。

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あ、これを作ったのはもう去年の話。だからこのスス取りフィルターの効果がどうだったか?も、あとで書いときます。

さて、オーブンからスス取りフィルター部のレンガの取り回しをイメージする為、まずは仮組みしてみる。

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細かい加工が必要な部分は、耐火断熱レンガを使う。こいつはノコギリで切れるので、細かい作業がし易い。
おおむねこんな感じでよかろう。
問題はオーブンの下火と上火の調節だ。煙道からの排熱が、オーブンの鉄箱の左下にまず当たり、そこから、上と下に煙道が分かれるのだが、おそらく下火が強くなると思う。なのでオーブンの上側の煙道に排熱が流れやすく作るべきであろう。
ダンパーを付けて調節する方法もあるが、上火と下火のバランスが決まれば、そうそう調節するものでもないだろうから、オーブンで焼く時に下火が強ければ下に薄いレンガを敷いて調節すればいいと思う。

オーブンを載せてみる。

mo_20162191

まこれでよかろう。

さて、では仮組みをバラして、モルタルをつけて積んで行こう。
ちなみにモルタルは、石灰と、粘土と、土と灰を混ぜて作る。セメントは混ぜない。セメントを混ぜると硬くなるので、作業が次の日に持ち越し出来ないのだ。
混合比は、石灰4,灰3,粘土2,土1、覚えやすいからこの比率にしたというのは嘘でなく本当だ。だから真似するといけない。
このモルタルは後で火入れした時にも、収縮してヒビ割れてくる箇所に刷毛や、コテで塗りつけたりするので、硬くならないのは重要なところ。
薪風呂を積む左官さんは、石灰と砂に1,2割ほどセメントを入れると聞いたが、それは仕事の早いプロの話。

煙道の立ち上がり、完了。
オーブンを置く所を作る。

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オーブンを載せて、上下に排熱の流れる煙道を作る。オーブンは鉄板を溶接して作成。厳密な密封性は問われないので、素人の私でもできた。
オーブン皿が一枚入るくらいでいいので、小さめにかわいく作る。

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天板は面積がいるので、何かないかとホームセンターに行ったらガーデニング用の平たくて薄いレンガ板があったので、こりゃーいいや!とゲット。わずか5〜600円だった。耐火レンガで、巾の広いレンガを買ったら数千円はする。今度ガラス窯もこれで作ってみよう。

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天板を載せてオーブン部完成。

そして次は、一斗缶を加工して、・・
あ、まずは一斗缶入りのせんべい大入りセットを楽天などで注文して、食べるとこからだった。

 

 

で、カラにした一斗缶で焚き火して、表面の塗装を焼いてと。これをやらないと、ストーブに火入れした時、部屋が臭くなるので必ずやる事。なんか銀色で、塗装してないっぽいじゃん。OKOKと、そのまま施工するとひどい目に会う。
で、加工。底と横に丸く穴を開けて、煙突を突っ込む。
それにしても最近の一斗缶は薄くなって加工しやすいですなー。
でも何年もつだろか。

そして、掃除でフタを外す時、一斗缶がぐらつかないよう、しっかり固定するためのバンドを作る。
これまたホームセンターで、適当なL字の金物を買ってきて、切って溶接して、タッピングビスで固定。

隙間をモルタルで埋めて完了。

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あとは煙突につなげて完成。

バンザーイ!

今回煙突と、防熱壁は前からあったから割と早く済んだ。
せんべい缶の注文にやや時間がかかったが。(選ぶの遅い)

さて、オーブン作ったら、まずはピザ焼こう!

できました!

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ほんでパンだ!

できました!

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ほんでついでに塩パンだ!

できた!

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うまい!

まちょっと落ち着こう。

で、しばらくはしゃいだ後、スス取りフィルターを見てみる。

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おお!こんなにいっぱい採れた!

というか、ふさがってる。

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意外とすぐにススがたまる。
寒い日など、朝と夕方にフィルター掃除しないといけなかった程。

掃除する時は、一斗缶のフタを外してフィルターを取るので、薪が入っていると、室内に煙が出てしまう。
ならば薪が熾き火になった時を見計らって、掃除すれば煙は出ないのであった。

そして掃除するタイミングは、ロケットストーブ特有のゴウゴウという燃焼音が弱くなり、空気の引きが悪くなって、煙が室内に出てきたら、フィルターのお掃除サインなので、わかりやすい。(何の宣伝だ。)

あとは、シーズン終わって煙突掃除する時にどんくらい煙突内にススがあるかが見もの。
フッフッフ楽しみだぜ。

と言いつつ、多分秋ごろになって、寒くなったなーえーいしょうがないなーよっこらしょー一と煙突掃除し始めるんだろうな。

ま、そうゆう訳で、秋ごろになったら、煙突の状態をレポート出来ると思います。

多分。

煙突掃除、煙道火災、ロケットストーブ、タール付着など気になる事まとめ。Rocketstove Chimny sweep.flue fire.Removing a tar.

もう12月なのでちょっとシーズン遅れだが、自宅ロケットストーブの煙突掃除をした時に、ロケットストーブの煙突や、煙道火災について今まで気になっていた疑問が自分なりにわかってきたのでまとめておきたい。

自宅の薪ストーブは、新保製作所さんの、キャンプ用薪ストーブ「ヒートチョッパー」を改造し、廃ルツボを切って煙道にしたものをつなげてある。

 

Rocket stove
Rocket stove with used melting pot

 

そして更に排熱で部屋を暖めるため、上部と横に排熱缶を増設してある。

Heat radiator using rice cracker can.
Heat radiator using rice cracker can.

この状態で昨シーズン3月か4月頃まで焚いたのだが、最後の頃は、だいぶ煙が漏れてきて、こりゃ煙突掃除せんといかんな。と思いつつ、そのうち暖かくなったので、そのまま放置。

なので、今シーズンを迎えるにあたり、どうしても煙突掃除をせねばならぬ。

さあて、腰を入れて煙突掃除しようか、と思ったが、どうせメンドクサイ仕事だから、いっそばらしてオーブン付きロケットストーブに改造してしまう事にした。

Dismantling my rocketstove.
Dismantling my rocketstove.

どんどんバラして薪ストーブ本体と外部に行く煙突だけにする。

周りの断熱壁と、フレームなどはそのまま残す。

バラして見ると思ったよりけっこうススやタールが付いている。一応ロケットストーブ方式だから、少ないと思っていたが甘かった。

特に煙突(ステンレスの一重煙突)内のタールがけっこうすごい。

The tar which attached to the chimney inside
The tar which attached to the rocketstove chimney inside

放熱缶から金属の煙突にかけて内壁にびっしりとタールが付着している。

しかもまるで黒曜石のように硬く、ブラシなどではとても落とせない。

とりあえず届く範囲を無理やり、スクレーパーで掻き落とす。

手が届かない所はいかんともしがたいが、それでもごっそり採れた。

I get tar of a lot of frying pans.
I get tar of a lot of frying pans.

しかしこんなに硬いタールが付着しては煙突掃除も容易ではない。下手すると毎シーズンごとに煙突を交換せねばならんか。と、絶望感におそわれる。

「やはりロケットストーブ方式の薪ストーブというのはけっこう掃除がやっかいなのか・・・」

しばらくボーゼンと座り込んでしまったが、気を取り直し、煙道内のタールを焼き切ってしまう作戦で行こう!と決める。

これは北海道のガラス工房の人が、煙突が詰まって燃えが悪くなった時、窯の温度をムリヤリ上げてススを焼き切ってやったぜ。

怖かったけどな。

と言っていたのを思い出したからだ。

いわば強制的に煙道火災を起こしてしまおう、という危険な作戦だが、煙突を外して外でやればよかろう。

で、タールがこびりついて固着した煙突をなんとか外し、ステン缶で焚き火を熾した中に煙突を突っ込む。

I 'm tring to burn off tar inside rocketstove chimney.
I 'm tring to burn off tar inside rocketstove chimney.

すぐに煙突内のタールに引火し、煙突から激しく火が吹き出す、かと思いきや、くすぶって臭い煙が出るばかりで引火しないではないか。

えっ、タールってすぐ燃えるんじゃないの?と先ほどフライパンに集めたタールを、トーチバーナーであぶってみたが、ブスブスと溶けてジュルジュルと煙は出すもののいっこうに引火はしないではないか。

I roast tar in a gastorch burner, but fire does not arrive.
I roast tar in a gastorch burner, but fire does not arrive.

なんだ、タールって簡単に燃えるもんじゃなかったのだ、じゃあ煙道火災ってよほど掃除してないか、悪条件が重ならないと、起きるものではないんだな、と、変な所で安心する。

しかも、このタールがくすぶる時の煙の匂いがひどく臭い。

どっかの古い駅の灰皿に山盛りたまった吸い殻が、くすぶっているような悪臭である。

成る程、このタールをそのまま排気する作りの薪ストーブだと、近所から苦情が来てしまったりする訳か、と、また、変な所で納得する。

ま、納得したのはいいのだが、タールを焼き尽くさない事には肝心の煙突掃除が終わらない。

この時納得し、安心した煙道火災や、ロケットストーブの排気についての感触は最後にまとめて書くことにして、とりあえず今は煙突掃除。

結局煙突の中に、割った竹やら、細枝を入れて煙突内で強制的に焚火し、タールを焼き尽くす事ができた。

I burn off tar.
I burn off tar.

キレイに焼き色がついた。

さてさて、次はエルボ部分の掃除。

これまたこびりついてスクレーパーでガリガリやっても落ちるものではない、しかもジャバラ状になってるし。

どうしようか。

あ、そうだ。さっきバーナーであぶったら融けだしたな、と言う事は意外と熱に弱いんじゃ?

と、お湯をかけてみると!

Tar  peeled off neatly when I took hot water! 
Tar peeled off neatly when I took hot water!

見事にぺろりとむけた。

なんと!いままでの苦労は何だったのだ。

「タールはお湯をかけるとはがれる」

のです。

ふう、やれやれだ。

ここで5分間休憩。お茶にしましょう。

(2018年10月23日 追記。 この時はお湯をかけたらきれいに取れたが、今シーズンやはり、タールがついた煙突にお湯をかけたが、なかなか取れなかった。
この記事を書いた(2015年)時は、ストーブに近い部分にタールが付着し、今期(2018年)は、外の煙突出口に付着した。
オーブンや、スス取りフィルターをこの時取り付けた事で、その後タールの付着する場所が変わってしまい、しかもタールの性質まで変わってしまったようだ。
タール掃除にこの記事を参考にされた方、ご注意ください。)

さて、どうしてこんなに煙突内にタールが付いたのか?

その原因を考えつつ、煙道火災や、ロケットストーブの煙突掃除についてもここでまとめておこう。

実は、こんなに溜まるとは予想してなかった。

ほら、こんなに。

Lump of tar.
Lump of tar.

ここは耐火レンガで作った横煙道から、天井へのステン煙突へのつなぎの部分である。

で、ここをよく観察してみると、耐火レンガ部分にはあまりタールは付いておらず、ステン煙突になった境目のあたりから、タールが付着しだしているのだ。

そして、そこから2メートルほどの所が一番タールが付着している。

そこから外の出口部分にかけては、ほとんど付着していない。タールの付着も途中で力尽きた、という形だ。

では、どうしてステンの金属部分になった所から急にタールが付着しだしたのか?

それを考えると、原因が推測出来てきた。

タールの元は煙である。煙が煙道内を通過していく時にススやタールの形で、煙道内部に付着していく。

しかしこの時、煙の温度が十分高ければ煙はスピードをもって外まで排気されていく。

しかし、今回の私のような放熱部を室内に設けて、排熱を放出させてから排気が煙突を通る構造だと、排気はかなり温度が下がった状態で煙突に行く。

煙突に1,2秒は手を当てていられたから、おそらく温度は7〜80度ぐらいだった筈だ。

そして、その排気煙には、まだ乾燥しきれていなかった薪の水分や、室内から空気とともに取り込んだ水蒸気が含まれており、燃焼を終え、断熱、保温の効いた耐火レンガ部を通過し、一重のステン煙突部に行った時、急に冷まされ、いわば結露のような具合で、煙道内部にタールとなって付着したのであろう。

そして、その後、水分は熱で蒸発して、水蒸気となり煙突トップから排出され、付着したタールは乾燥してとどまり、その後次々と新しい層を形成していったのだろう。

それにしてもシーズン終わりに、よく乾いていない薪を焚いたのはいけなかった。

そういえば、その頃は、かなり引きが悪くなって、煙が室内に返って来てたな。もう少しで暖かくなるから、と結局煙突掃除もしなかったし。

ロケットマスヒーター型のロケットストーブの排気煙は、室内に排熱を放出するため温度が低い。

外の煙突は手をずっと当てていられる程なので、3〜40度くらいだろう。

そして、煙突先端からは煙というより、ほぼ湯気が出て、木酢液が滴っている。

従ってロケットマスヒーター型のロケットストーブを設置する時は、木酢液が垂れる所は下がり勾配に煙突をつけ、木酢液が外に流れ出るようにし、煙突の金属部分で温度が下がり内部に結露して、タールが付着しそうな所は掃除しやすく、もしくは取り外ししやすくしておくべきだろう。

また、ベンチ内を煙道にする場合は、まだ排煙の温度がそう低くなく、また土などの断熱体を使うだろうから、結露の心配はないだろうが、ススはつくだろうから、やはりここも掃除口を設けるなり、あまり狭くならないように施工すべきだと思う。

最後に、煙道火災について感じた事を書いておきたい。

私の近所のお宅にやはり薪ストーブを設置されている方がおられて、その人が薪ストーブについて語る時、必ずどこかのお寺さんで煙道火災が起きて、お寺が丸焼けになったお話をされるので、煙道火災という言葉には少なからず恐怖心を感じていた。

だが、今回採取したタールを焚いてみて、すごく臭い煙が出るばかりで簡単に着火するものではない、という事が分かったので、安心した。

今は、煙道火災は、かなりの悪条件が重ならないと起きないのではないか?と感じている。

その悪条件とは。

  1. かなりの量のタールがたまる事。
  2. そのタールが垂れてきて液状になり、発火点に近い温度付近の場所に溜まってしまう煙突の作りになっている事。
  3. そしてそのタールが高温で気化し始め、悪臭を放つ煙が出だしても、気付く人が近くにいない事。もしくは気付かない所に煙突の出口がある事

逆に言えばこの条件が重なれば煙道火災を起こせる訳で、それもけっこう大変なのではないか?

第一、これほど煙突が詰まってきたら、かなり引きが悪く、煙も逆流してくる筈で、ちょっとおかしいな、と感じる筈である。

そしてロケットストーブで煙道火災が発生しやしないか?と恐れていたが、それも杞憂であろう。

なぜならロケットマスヒーター型の煙道は、とてもタールが燃える程の高温にはならないだろうし、その前におそらく、詰まったススやタールのせいで、引きが悪くなり、全然燃えなくなってしまって、煙突掃除をやむなくし始めるだろうから。

ビルトイン七輪のロケット囲炉裏。

 
irori2015916 

囲炉裏を改造して、ロケット囲炉裏にし、ついでに横に七輪を埋め込む。

これから寒くなってくると、囲炉裏は暖房兼、調理スペースとして活躍する。

より、調理スペースとして使いやすくするため、七輪を囲炉裏に埋め込んだ。

ロケットストーブで、火力のいる調理をし、七輪にはロケットストーブで出来た熾き火を入れて、じっくりと煮込み調理をしようと思う。

そして、手前と左奥に、鍋を置く場所を作り、鍋やらヤカンやらを入れ替えての調理をしやすくする。

右側には灰を溜めて囲炉裏本来の役目の、薪を消火したり、翌朝の為の埋め火をキープしておくスペースとする。

これでかなり使いやすくなる筈。

寒くなるのが楽しみ。

ロケットストーブの点火の絶対条件。A necessary reguirement of RocketStove ignition.

ちょっとなめていると手こずって、なかなか火が点かない事のあるロケットストーブ。
焚つけが湿気っていたり、足りなかったりすると煙ばかり出て、点かないことがたまにあります。

そこは普通の焚き火と同じですが、ロケットストーブを点火する時、これは絶対、という条件がある事に、今まで、何回もレンガを積んだり、また崩したりと、私、体を使って来て、やっと確信が持てた事があります。

それは、

「ロケットストーブの点火は、バーントンネルのなるべくヒートライザーに近い所で点ける事!」

The ignition of the rocket stove can be turned on in the place near as possible to a heat riser of the barn tunnel!

です。

そろそろ落ち葉がたまってきたので、簡単ロケットストーブで、ごー、と行こうぜ。と、

手近にあったステン缶に、鋼管(肉厚5ミリ、内径110ミリ)を突っ込んでみましたが、全然煙突が吸い込んでくれません。

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「あれー?」

しかし、ぐりぐり場所を変えたり、レンガを底に置いてスキマを作ってやったりしているうちに、急に「ゴー!」と来ました!

(この煙突ツッコミロケットストーブは、火が点いている缶に突っ込むと、本当に急にゴー!と来ますので、絶対に、顔を煙突出口から離しておかないと、ヤケドします。燃え方が、急に全く別物、になる感じです。もちろん覗きこんでもいけません。ロケットの噴出口を覗くようなものです。)

最初、どこがいけなかったのか?

そうです、火種の無い所に、煙突を突っ込んだのがマチガイでした。

つまりロケットストーブ用語!?で言うと、

「点火時にはヒートライザー下部に火種がある事」

この場合、鋼管の煙突がヒートライザーに当たり、バーントンネルは、しいて言えば、煙突下部のスキマ付近に当るでしょうか。

要するに、火が燃えている所に煙突を突っ込んでやると、ロケットストーブの強烈な引きを生む事が出来るのでした。

で、もう一つ今やってる実験が、

「どうやったら、日本式かまどに負けないお湯の沸かし方ができるか?」というのをやってます。

実は日本式かまどは元祖ロケットストーブのようなもので、大変効率の良い、お湯の沸かし方ができます。

土で出来た本体は、断熱体ですし、お釜の底にまんべんなく火が当るので、お湯が沸くのが早い。
しかも、羽釜だと、火がもれないようにピッタリと煙道にフタが出来る構造になっているので、更に熱を無駄にしてません。

更に、私はここが今一番ロケットストーブとして、悩んでいる点なのですが、

日本式かまどは、

「熾き火になってからが強い」

点です。

薪は直火もパワーがありますが、炭火になってからはまた別のパワーがあります。

質が違うというか、C(炭素)だけが燃えている状態(炭火)(熾き火)

と、H(水素)とC(炭素)の結合物が燃えている状態(火が燃えているとき。)

しかも木により、いろんな結合状態があります。ススが多かったり、少なかったりするのは、炭素と、水素の結合状態の違いだろうと私は思っています。

で、日本式かまどは、この薪の燃え方の両方の、いいとこだけ、実にうまくいただいている。

直火でぐわーと、焚いた後は、熾き火でじっくり調理する。など得意中の得意技です。

しかるに、ロケットストーブは、熾き火を利用する点では、かまどに完全に負けています。

せっかく出来た熾き火もバーントンネルにたまるばかり。

実にもったいない。

そうゆう訳で、こんなふうに、とりあえず鉄かまどで、鍋を覆って、湯沸かしの実験中。

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バーントンネルは、レンガ三枚分ありますが、点火の時は、一枚だけにして点火します。(重要)

「ロケットストーブの点火は、バーントンネルのなるべくヒートライザーに近い所で点ける事!」

The ignition of the rocket stove can be turned on in the place near as possible to a heat riser of the barn tunnel!

火が安定してきたら三枚に伸ばして、薪の乾燥と、乾留、という、ヒートライザーの役目を、十分果たせるようにします。

あ、それから最後に、もう一つ必要なもの、それは

「火吹き竹」

です。

ロケットストーブの点火の時、これでフー、と吹いてやると、まるで、魔法の扉が開くように、急に火が吸い込まれてよく燃え出します。

それは普通の燃焼が別物、ロケットストーブ燃焼、になる瞬間で、いつもちょっとドキッとします。

火吹き竹で、熱い炎をヒートライザー直下に送り込むので、急にロケットストーブ燃焼が起きるのでしょう。

息をフーフーしても良いですが、ここはアメリカ生まれのロケットストーブに対抗して、アジアの知恵、

火吹き竹をさり気なく使いましょう。

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bamboo pipe fire starter

北欧のメーカーにはこんなオシャレなのもありますね。

 

アメリカのアマゾンにはこんなのが。

Fire Starter- Blow Pipe Bellow アマゾンで69$

それにしても、ロケットストーブの熾き火、どうやったら有効利用できるのでしょうか?

どなたか良いアイディアがあったら教えて下さい。

ヒートチョッパーとバスタオル一発芸(ナミ)。

最近また寒くなってきた。
せっかく薪ストーブをつけたのに暖かくなっては拍子ぬけなので私は寒いほうがいい。

ところで家につけた薪ストーブ、新保製作所さんのキャンプ用薪ストーブで、名前がヒートチョッパーという。

キャンプに持ち運べるように、ヒートエースの半分のサイズで、煙突、脚などがセットでついているのだが、ウチの中で使うので、あれもいらない、これもいらないと、新保製作所さんにわがままを言い、本当に本体だけにしてもらった。すいません、ありがとうございました。

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ヒートチョッパー君。なかなか可愛い。

チョッパー君といい、ヒートエース君といい、もしかしてワンピースのキャラからなのかな?
だとしたら、ヒートエースは絶妙の命名ですね。

話は変わるけど、下の小3の娘がときどき突発的に披露してくれるバスタオル一発芸というものがあって、風呂あがりにバスタオル一枚でやるのだが、肩からたらして「ローマ人っ!」次にマントのようにはおって、中空を指さしながら、「なぽれおん」。腰骨からかなり下にずらして巻いて「ナミ!」というのがあり、いきなりやられるとかなりおかしい。

新バージョンで、「ちゅうごくの女の人」というのもあり、だいたいわかると思うが、そうチャイナドレスですな。

どういうふうに巻くかはご想像におまかせします。

で、ヒートチョッパー君ですが、またしてもこのようにチョッパーしてですな。

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ロケットストーブ化するためレンガで作るヒートライザー部に合わせて切ります。

そして、ガラスるつぼをカットして繋げた煙道をのせ、

ルツボをリサイクル
ルツボをリサイクル

煙突をつなげて、試運転。

よく燃える
よく燃える

これで完成にするつもりだったが、思ったより煙突が熱くなるので、一斗缶と、余った煙突を使って放熱部を追加した。バラして掃除が出来るように、一部は太いホースバンドとボルトで固定。

メカだ。
メカだ。

余談だが、ロケットストーブのメリットの一つに煙突の取り回しが自在にできる点がある。
だからこのような放熱部を室内に作る事も可能なのだ。

鋳物製の薪ストーブに使う二重煙突は、逆になるべく高い温度で排気し、煙突内にススやタールがつかないようにする。だから煙突から出る熱も暖房に利用しようとしても出来ない。というかするつもりはない。

この両者の違いは大きい。

ロケットストーブがエコストーブとも呼ばれるのは、排気熱を無駄なく室内に取り込み、薪の使用料を減らす、エコロジカルな面もあるからだろう。
だが、デメリットとしては、排気煙突が長くなることで、ススをもれなくため、ススがたまった時の煙突掃除が大変なこと、排気温度が低くなりすぎて木酢液がたれる事があげられる。もっとも私は木酢液は下にガラス皿でも置いて、回収すればいいと思ってるし、煙突のススがつまる前に、また改造するだろうから、あまり問題視はしていないが。ただやはり掃除はしやすく作っておくに越したことはないだろう。

それにもう一つ。

ススやタールが煙突内につき、木酢液が出るという事は、その分、周りの環境に、それらを排出せず、自分で貯めているという事だ。
だから煙突から出るのは、ほとんど水蒸気だけである。寒い日に煙突から出る煙を見てみると「ほわほわ~」と白い煙が、寒い朝の暖かい息のように出ている。
この煙が黄色っぽい時は焚き始めの時のような不完全燃焼状態、青みがかっている時は、木タールが混ざっている訳だが、あまりそうゆう事も無い。

という事は二重煙突で高い温度のまま排気すると言う事は、スス、その他をいっしょに排気している事になるんだな。

余談終わり。


さて、このヒートチョッパー君、ロケットストーブもどきというか、ロケットストーブの応用なので、あまり寒くない時は、ロケットストーブ本来の「木口焚き」

mo_20151276も出来るし、
寒い時は、「普通の薪ストーブ焚き」

mo_20151272も出来る。

なかなか優秀。

ただヒートエースの半分の長さなので、長い薪が入らないのが難点。

でもかわいいから許す。

ルツボを再利用して薪ストーブ。Rocket Stove with Recycle Melting Pot .

薪がいっぱいあるので、薪ストーブをまた作る。

今度は、吹きガラスで使うルツボ(ジャパン壺)を再利用して作ることにした。

吹きガラスのガラス種を熔かす壺は、一回冷ましてしまうとヒビが入りやすくなるので、2,3ヶ月連続して使ったら、新品に取替える。

なのでウチには使用済みルツボがたまる。

人にあげると喜んで貰う人もいるのだが、それでも余るので、これを煙突として利用し、薪ストーブを作ってみた。

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こんな感じで、底を切れば煙突になるだろう。

で、出来た!

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今日のところは、セツメイを省くが、そのうち、まとめるつもりではあります。

やっぱり家の中に火があるのはいいな。

ルツボを煙道部に使った事で、ロケットストーブのような断熱煙突になり、よく空気を吸い込む。

薪ストーブは結局、ストーブ本体から、煙突につながるここの、エルボ(L字)部分が大事だと思う。

一番温度が上がり、ハードに使われるので、傷みも早い。

だから、この部分を耐火物で作っておけば、長持ちするだろう、というのも今回の狙い。

余談だが、ペール缶でロケットストーブを作る時、ステンレス製のエルボ管や、T字管を使うが、あれは耐久性はどうなのだろう。

ステンレス製だから鉄よりはましだろうが、一番温度の上がる部分だし、さらにそこを断熱するのだから、おそらくすぐに真っ赤に焼け、いずれはボロボロになると思うのだが。

しかもエルボまわりの断熱材は、バーミキュライトや、パーライトなどの、支持体がなければ形が崩れてしまう、粘性のない素材が勧められている。

これでは、ステンのエルボが、ボロボロになったら、煙道も崩れ、空いた穴からバーミキュライトなどがこぼれてきて、ロケットストーブとしての役目を終える事になる。

試しに作ってみて、たまにしか使わないのなら、それでもいいだろうが、日常的に薪かまどとして使うつもりなら、より耐久性のある素材で作っておけば、半永久的に使えるものが出来るはずだ。

もし、私が作るなら、パーライトに粘土を混ぜるか、粘土に、灰やおがくずなど、断熱性があり、つなぎにもなる素材を混ぜ、突いて少し固め、エルボがボロボロになっても、それ自体で固着しているように作りたい。

欠点は、重くなることだが、一人で持ち上げられない程にはなるまい。

あるいは、ステンのエルボのかわりに、発泡スチロールか、木材、あるいは乾いたバナナの茎、で煙道の型(中子)を作って、粘土を詰め込み、乾いてから、それらを焼き切ってしまってもいい。

それか、こんな土管を使うのも、面白いと思う。

でも値段が分からないんだな。だれか買ってみませんか?

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織田陶管有限会社

ロケットストーブの二次空気について。と、ロケットストーブの過去。

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ロケットストーブに二次空気が必要か?
という問は、ロケットストーブ、特にマスヒータ型のロケットストーブを作った人は考えてしまうのではないだろうか?

二次空気を使った燃焼は要するに、発生した煙にもう一回、空気を送り込むことで、煙の出ないクリーンな燃焼をさせたいということだ。そのため、ストーブの炉壁内に空気道を作り、ストーブの熱で暖めた空気を送る構造の薪ストーブもある。

二次空気燃焼と聞くと、ストーブマニアは、まるで荒野に飛び出す青年のように、わざわざ複雑な空気道を苦労をいとわず作り、一人でにやにやしているものだが、さて、ロケットストーブの場合の二次空気はどうなんだろう?と、実はわたしもちょっと実験してみたりしてた。

きっかけは、山の家の囲炉裏内に、耐火断熱煉瓦を組んで、ロケット囲炉裏にした時かもしれない。

オープン囲炉裏状態の時は煙が部屋に充満し、目がシパシパして痛かったのがロケット囲炉裏にしたら、煙が少なくなり、窓を開け放って換気する必要もなくなったのだ。

もっとも焚く薪の量がかなり減ったのも一因だろうが、ロケット囲炉裏の強力な空気吸い込み力と高温燃焼のおかげで、煙が少なくなったのは間違いない。

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そこでこれならもしかして二次空気を入れたら、完全に煙をなくす事ができるんじゃないか、と期待した訳だ。

しかしながら、私のちょっとの実験の結果だが、今のところ大きな変化はない。というところだ。
これはまだ、いろいろやってみないと何とも言えないが。

さて、ところでこのロケットストーブの二次空気について調べていたら、面白い記事があったので、紹介しておきたい。

ロケットストーブの前身にロレイナストーブというものがあったらしいが、それはアフリカなどの、薪が主燃料の国での、深刻な薪問題を減らす為に生まれたらしい。
室内で煙突なしで調理する事で、肺炎や、慢性呼吸器疾患になったり、燃料を節約するため、料理を生煮えのまま食して健康を損ねたり、さらにはウガンダの紛争地帯では、薪拾いに行って殺されたり、レイプされたりなどと、木が捨てるほどある日本にいては想像もできない薪問題というのが、世界にはあるのだと初めて知った。

そこで、国連がアプロヴェチョ研究センターという非営利組織に依頼して、出来上がったのが、ロレイナストーブというものらしい。

ところがこのロレイナストーブ、版築構造(ブータンの家屋の土作りの一階部分がかっこいいですね)で作ったため、熱を断熱せず、蓄熱してしまい、火の扱いに習熟した人が焚くと、今までのオープンなかまどの方が、薪が少なくてすんだという事に。

そこで、粘土におがくずを混ぜて断熱したりして、アプロヴェチョ研究センターの技術責任者、ラリー・ウィニアルスキ氏が開発したのがロケットストーブであるというのだ。

ロケットストーブにそのような深刻な過去があったとは、まったく初耳である。

興味のある方はウィキペディアを参照していただきたい。

アプロヴェチョ

さて、そのアプロヴェチョつながりで、ロケットストーブの二次空気について当のラリー・ウィニアルスキ氏が言及している文章があったので、引用しておきたい。

”ロケットストーブについて考えるに興味深い点を指摘しておきたい。二次空気は、いらない。
私は、暖められた二次空気を、ヒートライザー上部に入れる試みをやったが、煙の量や燃焼効率に顕著な改善は見られなかった。いずれにせよ、十分な量の一次空気が、燃焼ゾーンのトップにまで残っているのだ。
ここに空気を入れると温度をかえって下げるようである。将来的にはもっと良い機器を使ってテストしたいが。

ロケットストーブは、適正な量の燃料が入れられた時、理想的な一次燃焼のために実に上手く働く補助的な状況を作り出そうとする。

断熱された煙突が生み出す、増幅された引きは、炎に扇風機のようにたくさんの空気を送り込み、より熱く、力強い燃焼を生む。”

Larry Winiarski's Rocket Stove Principles
Dean Still, April 2002
 より、引用。

このあと、ロケットストーブの原則(10項目)という、また興味深い文が続くが、これについては、今後も考察していくであろうから、またの機会に。

追記 先ほどのアプロヴェチョのウィキペディアに、訳文はのっていた。

アプロヴェチョ ストーブ設計の10原則の項

ロケットストーブの暖かさは? (薪ストーブとロケットストーブの連結。)

さて、今日はちょっと長文を書いてみようと思う。

山の家のロケットストーブの改造も一段落したし、吹きガラスの窯で、薪と炭を使う試みもとりあえず、一段落、という感じで、次の段階へ行く前に、薪、炭の燃焼で、今自分なりにわかってきたことを、まとめておきたい。

1.薪ストーブとロケットストーブは連結できるか?

タイトルに「ロケットストーブの暖かさは?」と付けたとおり、実は山の家に作ったロケットストーブは、とても寒い日に、山の家全体の部屋を暖めるのは、ムリだった。
15畳以上の広さの空間で、床も壁も天井もスカスカで、隙間だらけなのだから当たり前といえば当たり前。

もともとロケットストーブの本にも、ある程度密閉された空間でないとロケットストーブには向いていない、(*1)と書いてあったので、覚悟はしていたのだが、とにかくロケットストーブを作ってみたかったかのだから、少々寒いのは自分は我慢できる。(やせ我慢。)

だが寒い冬の朝、学校に行く子供たちや、冬になると足先がしもやけになる相方の事を考えると、家の中は暖かくしておきたいのである。

で、ふと思いついたのが、フィードチューブ(焚き口の薪入れ部分)を鉄板製の薪ストーブにしてしまえば、直火で暖まるので、今よりずっと暖かくなるんじゃないか?という事だった。

それに鉄板製の薪ストーブは立ち上がりが早い。

(ロケットストーブはじわじわと暖かくなって来るので、寒い朝、学校に行く子供たちの為に部屋を暖めておきたいときはすごく早起きしないといけない。約、1,2時間はかかるか。)

もともと、山の家のロケットストーブは、フィードチューブ内で、ある程度薪を燃やすように作ってある。

フィードチューブの燃焼について。

ならば、フィードチューブを時計型ストーブなどの鉄板薪ストーブにして、今のロケットストーブをそれの煙道としてつなげてしまえば良いではないか?

つまり、こう。

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いきなりの完成形でわかりやす過ぎるが、実はここにいたるまで、かなり苦労した。

自分では、こんな感じで、こんなもん楽勝でできるぜ。あっと言う間に完成さー。と、夕方から山の家に材料を持ち込んで、工事にかかり始め、よっし!夜には薪ストーブでポカポカさー。とにやにやしていたのだが、結局12時になっても、満足に燃えず、寒い体でフトンにもぐるしまつ。

原因は薪ストーブの煙突口をそのまま、ロケットストーブの焚き口(バーントンネル)に繋げようとした事。

これがまさに失敗例。
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鉄板薪ストーブの円筒形の煙道部が、狭くて、高さも高すぎ、空気の流れを遮断してしまい、薪ストーブからロケットストーブへのスムーズな空気のつながりができず、どんな焚き方をしてもロケットストーブに煙が流れず、家の中がケムリだらけになってしまった。もう目が痛い程。

で、新品のストーブを改造するのは気が引けたが、思い切って煙道部を取り外し、四角い穴を開けた!

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そして新しくレンガでバーントンネルをL字に作り直し、耐火断熱レンガを加工。段差、ストレスのない、スムーズな空気の流れを作ってやる事にした。

鉄板薪ストーブとの隙間は粘土に灰を混ぜたモルタルで埋めてつなげる。

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(右側がロケットストーブへの入口、奥が薪ストーブの煙の出口。L字の結合部を裏から見たところ。
点火時にはここから点火し、右側のバーントンネルへの炎の流れを十分に作ってやるとよく燃える。)

これでやっと燃えるようになったのだが、今度は燃え方に難あり。

薪ストーブの扉を閉めて、空気穴をいっぱいに開けて燃やそうとしても、すぐに火が弱くなって、しまいには消えてくすぶってしまう。どうしたらいいのか?

またまたいろいろいじるうち、扉を開けっ放しにしておくと、よく燃える事に気付いた。
しかし開けっ放しだと、煙が室内に逆流してくる。でも閉じたら火が消えそうになる。

こりゃどうしたもんかいのー、と座り込んで考えるに、どうも扉に付いている空気口だけでは、空気量が不足している。という事であろう、との結論に達した。

通常の薪ストーブの焚き方をしているのでなく、ロケットストーブに連結している→ロケットストーブは空気をたくさん吸う→今の扉に付いている空気口は狭い?→ならば空気口を広げてやれば良い。

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こうして扉を半分にカットし、下半分を開けておくことで、ようやく安定して、燃えてくれるようになった。

カット位置を決めるには、扉を全開にした状態で、適当な板を上からシャッターのように降ろしていくと、煙が室内に逆流せず、きれいに吸い込まれてゆくところがあるので、その線でカットした。

上側の小窓にはガラス窓が付いていたのだが、どうやってもここは煙がくるくると対流する位置にあり、すぐにヤニで黒くなって見えなくなってしまうので、あとで鉄板を加工して窓にしてしまった。炎を見たい時は取り外して見られるように。
結果、ガラス窓がいらなくなってしまい、勿体無い事をした。

ま、とにかく、やれやれ、やっと出来た。

メザシを焼いて、ショーチューで乾杯。
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あー暖かい。

2.ロケットストーブに太い薪。ロケットストーブの欠点を解消。

ロケットストーブは大変エコロジカルなストーブだが、欠点もある。

薪をしょっちゅう入れないといけない、暖かさの立ち上がりが遅い(ロケットマスヒーター型の場合)この2つが代表だと思う。で、今回、鉄板薪ストーブをつなげる事でこの2点がある程度、解決できた。

薪は径20センチ、長さ6、70センチぐらいのメガ薪も入るので、突っ込んでおけば世話はあまりいらなくなった。

(薪ストーブ奥からL字に作ったバーントンネル部。炎がロケットストーブ側に吸い込まれてゆく。)

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立ち上がりの遅さも直火で暖まられる所が増えたので、ある程度は解消できた。
ただし、ヒートライザー直下のバーントンネルを十分に暖めてから、火をだんだんと、薪ストーブの扉付近まで、誘導して来ないと、普通の薪ストーブの焚き方にならない所が難点ではある。
そのかわりヒートライザーとバーントンネルが十分に暖まり、ストーブの引きが決まってくると気持ち良いように燃えてくれる。

こうなってくると、薪ストーブ内のどこで火を焚こうが煙は逆流することなく、ロケットストーブに吸い込まれてゆく。

そして、薪ストーブの底から、バーントンネルにかけて十分に熾き火を敷き詰めておくと、ススの出やすい杉などの薪もあまりススを出さずに燃える。熾き火の上でススが燃え尽きてしまうのだ。

この燃やし方は、先日あった地域のもちつき行事のとき、お年寄りの方が、薪かまどで煙をほとんど出さずに、実に上手に火を扱っていらっしゃるのを見て気付いた事だ。
この状態で空気をうまく導入し、ススを燃やし切るような燃焼をすれば、吹きガラス炉の更なる高温化も可能ではないだろうか。

そしてロケットストーブはヒートライザー直下のバーントンネル部が一番温度が上がる事も、先日の実験でわかったし、

一番簡単なロケットストーブの作り方。

これらを組み合わせて炉を作れば上手いこと行くかもしれない気が今している。

3.今回買った鉄板薪ストーブ。

今回も前回、ホーロー製煙突を買った北海道、小樽の「新保製作所」さんの、薪ストーブにした。
名前がヒートエース。鉄板も厚めの長持ちしそうな薪ストーブだ。

このヒートエースの三面ガラス窓バージョンにしたかったのだが、人気らしく、納期が少しかかるようなので、前面扉だけ、ガラス窓のやつにした。
結果、前述したように、ロケットストーブに連結して燃やす私のやり方だと、丁度ガラス窓の高さのところで、煙が対流して、ガラス窓がすぐ黒くなってしまったであろうから、三面窓にしたら悲しかったかもしれない。

新保製作所さん良い会社です。ありがとうございました。

「北の国より愛を込めて、薪ストーブの新保製作所」

そして勝手に改造してごめんなさい。しかし性懲りもなく今度は床下空気導入口を、切り取った煙道部を使って作ろうと画策中です。

さて、お湯も湧いていい感じに暖まってきました。

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最後に、ロケットストーブの本の中から、Q&A "火急”の質問部分を一部引用して、終わりとします。

長々と読んで下さってありがとうございました。

(*1 ロケットストーブ Rocket Stoves to heat cob bildings より引用)

Q1 ロケットストーブはどんな種類の建物も暖められるの?
A1 (前段略) 〜しかしロケットストーブは、様々な種類の金属製ストーブのように、さっと急速には熱を放射しないので、もしあなたが寒空の下、すきま風が漏れる、断熱効果のよくない家に住んでいたら、もっと放射熱を出せる、正面に立って体を暖められるような、他のバリエーションを考えたほうがいいでしょう。

Q2 ロケットストーブの設置に適さない場所とは?
A2  (前段略)〜木工所などの職場では、作業者はほとんど座っていません。こういう場所では、蓄熱する代わりに、たくさんの熱を放射するストーブを使って、ストーブの近くや遠くに移りながら、素早く快適な暖かさが感じられる方が良いでしょう。納屋のようなあまり密閉されていない大きなテントのような生活空間では、ロケットストーブの周りの土が暖められる前に熱を奪われてしまうので、直接ドラム缶の中で、薪を焚き、熱を放射できるストーブとか暖炉の方がいいでしょう。