新ニュートンの法則。なぜすばらしい発明がこんな間抜けな事に・・・

今日は大阪の204号さんがガラスを仕入れに来訪。

「204号」とはお店の入っているビルの部屋番号だそうで、けっこう直なネーミング。

でも、ストレートな割にシュールレアリスティックな感じになってるのが不思議。

いろいろとグリーンと透明を中心に選んで行かれた。

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こんな感じで
いろいろと。
いろいろと。

大正時代に建てられたツタの絡まるいい感じのビルの204号室だそうですので、近くの方はぜひ行って見て下さい。

さて、それから今日も薪割りをするのであったが、薪割りは、タテに斧で割るのより、横にノコで引き切るのが実はけっこう面倒。

チェンソーで切るにせよ、ノコで切るにせよ、足か手で薪をおさえて切らないといけないので、腰が痛くなりけっこうきつい。

そこで!

発明してしまいました。

簡易薪おさえ機!

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いや別に機、などと機械じゃなくて、木にナナメに切り込みを入れただけなので、薪おさえ木。なんだが、
世の中にはニュートンの法則というものがあって、世の中に引力があるというのに気付いたのはひとりニュートンだけではない筈なのだが、ニュートンがあのこむずかしげな、F=なんたらという式を世に問うたからニュートンは引力の発見者になっているのだ。
だから私も簡易薪おさえ木の発明者として、世にちゃんと、数字など使って、寸法や、切り込み角度、理想的重量(もちろん重いほうが安定するが、あんまり重いと移動困難なので、適正な重さの明示化)などを問えば、森永式簡易薪おさえ木として、名を残すかもしれないんだが。

そんな気はまったく無い。

なにせ、この簡易薪おさえ木、太い薪をはさむと、なかなかかっこいいのだが、細い薪だと、なんかこっけい千万。

こんな。

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どう見てもお又にち◯ぽだ。

これがさらに丸い薪だと、さらに変になる事は容易に想像がつく事と思う。

おまけにこれをノコで切ろうものなら、

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なんか下半身が痛くなる。

という事で、ただのスケベなオブジェの発明者になってしまったので、大変面目ない。

太陽光パネルはバッテリー上がりに効くか?

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油断してたら軽トラのバッテリーが上がってしまった。

ケーブルをつないでエンジンをかけようとしたが、停めた場所が悪くてケーブルが届かない。

そうだ!太陽光パネルをつないでみようかな。

と、天気もいいので小屋の屋根の太陽光パネルを降ろして、軽トラのバッテリーにつないでみる。

で、3,4時間日向ぼっこさせて、エンジンかけてみたら、あっさりかかった。

すごいな太陽光パネル、すごいぞ太陽光エネルギー。

私のパネルは一枚15Wのが二枚、たしか、二枚で一万少し超えたかな?

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しばらく天気もいいようなので、も少しつないでおこう。

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今回のつなぎ方は、もう直につないだだけ。

レギュレーター(安定器)もなし。パネル=バッテリー。

こうゆう時はレギュレーターを通さないほうがいいと思うが。どうなんだろう。

ロケットストーブの二次空気について。と、ロケットストーブの過去。

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ロケットストーブに二次空気が必要か?
という問は、ロケットストーブ、特にマスヒータ型のロケットストーブを作った人は考えてしまうのではないだろうか?

二次空気を使った燃焼は要するに、発生した煙にもう一回、空気を送り込むことで、煙の出ないクリーンな燃焼をさせたいということだ。そのため、ストーブの炉壁内に空気道を作り、ストーブの熱で暖めた空気を送る構造の薪ストーブもある。

二次空気燃焼と聞くと、ストーブマニアは、まるで荒野に飛び出す青年のように、わざわざ複雑な空気道を苦労をいとわず作り、一人でにやにやしているものだが、さて、ロケットストーブの場合の二次空気はどうなんだろう?と、実はわたしもちょっと実験してみたりしてた。

きっかけは、山の家の囲炉裏内に、耐火断熱煉瓦を組んで、ロケット囲炉裏にした時かもしれない。

オープン囲炉裏状態の時は煙が部屋に充満し、目がシパシパして痛かったのがロケット囲炉裏にしたら、煙が少なくなり、窓を開け放って換気する必要もなくなったのだ。

もっとも焚く薪の量がかなり減ったのも一因だろうが、ロケット囲炉裏の強力な空気吸い込み力と高温燃焼のおかげで、煙が少なくなったのは間違いない。

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そこでこれならもしかして二次空気を入れたら、完全に煙をなくす事ができるんじゃないか、と期待した訳だ。

しかしながら、私のちょっとの実験の結果だが、今のところ大きな変化はない。というところだ。
これはまだ、いろいろやってみないと何とも言えないが。

さて、ところでこのロケットストーブの二次空気について調べていたら、面白い記事があったので、紹介しておきたい。

ロケットストーブの前身にロレイナストーブというものがあったらしいが、それはアフリカなどの、薪が主燃料の国での、深刻な薪問題を減らす為に生まれたらしい。
室内で煙突なしで調理する事で、肺炎や、慢性呼吸器疾患になったり、燃料を節約するため、料理を生煮えのまま食して健康を損ねたり、さらにはウガンダの紛争地帯では、薪拾いに行って殺されたり、レイプされたりなどと、木が捨てるほどある日本にいては想像もできない薪問題というのが、世界にはあるのだと初めて知った。

そこで、国連がアプロヴェチョ研究センターという非営利組織に依頼して、出来上がったのが、ロレイナストーブというものらしい。

ところがこのロレイナストーブ、版築構造(ブータンの家屋の土作りの一階部分がかっこいいですね)で作ったため、熱を断熱せず、蓄熱してしまい、火の扱いに習熟した人が焚くと、今までのオープンなかまどの方が、薪が少なくてすんだという事に。

そこで、粘土におがくずを混ぜて断熱したりして、アプロヴェチョ研究センターの技術責任者、ラリー・ウィニアルスキ氏が開発したのがロケットストーブであるというのだ。

ロケットストーブにそのような深刻な過去があったとは、まったく初耳である。

興味のある方はウィキペディアを参照していただきたい。

アプロヴェチョ

さて、そのアプロヴェチョつながりで、ロケットストーブの二次空気について当のラリー・ウィニアルスキ氏が言及している文章があったので、引用しておきたい。

”ロケットストーブについて考えるに興味深い点を指摘しておきたい。二次空気は、いらない。
私は、暖められた二次空気を、ヒートライザー上部に入れる試みをやったが、煙の量や燃焼効率に顕著な改善は見られなかった。いずれにせよ、十分な量の一次空気が、燃焼ゾーンのトップにまで残っているのだ。
ここに空気を入れると温度をかえって下げるようである。将来的にはもっと良い機器を使ってテストしたいが。

ロケットストーブは、適正な量の燃料が入れられた時、理想的な一次燃焼のために実に上手く働く補助的な状況を作り出そうとする。

断熱された煙突が生み出す、増幅された引きは、炎に扇風機のようにたくさんの空気を送り込み、より熱く、力強い燃焼を生む。”

Larry Winiarski's Rocket Stove Principles
Dean Still, April 2002
 より、引用。

このあと、ロケットストーブの原則(10項目)という、また興味深い文が続くが、これについては、今後も考察していくであろうから、またの機会に。

追記 先ほどのアプロヴェチョのウィキペディアに、訳文はのっていた。

アプロヴェチョ ストーブ設計の10原則の項

ロケットストーブの暖かさは? (薪ストーブとロケットストーブの連結。)

さて、今日はちょっと長文を書いてみようと思う。

山の家のロケットストーブの改造も一段落したし、吹きガラスの窯で、薪と炭を使う試みもとりあえず、一段落、という感じで、次の段階へ行く前に、薪、炭の燃焼で、今自分なりにわかってきたことを、まとめておきたい。

1.薪ストーブとロケットストーブは連結できるか?

タイトルに「ロケットストーブの暖かさは?」と付けたとおり、実は山の家に作ったロケットストーブは、とても寒い日に、山の家全体の部屋を暖めるのは、ムリだった。
15畳以上の広さの空間で、床も壁も天井もスカスカで、隙間だらけなのだから当たり前といえば当たり前。

もともとロケットストーブの本にも、ある程度密閉された空間でないとロケットストーブには向いていない、(*1)と書いてあったので、覚悟はしていたのだが、とにかくロケットストーブを作ってみたかったかのだから、少々寒いのは自分は我慢できる。(やせ我慢。)

だが寒い冬の朝、学校に行く子供たちや、冬になると足先がしもやけになる相方の事を考えると、家の中は暖かくしておきたいのである。

で、ふと思いついたのが、フィードチューブ(焚き口の薪入れ部分)を鉄板製の薪ストーブにしてしまえば、直火で暖まるので、今よりずっと暖かくなるんじゃないか?という事だった。

それに鉄板製の薪ストーブは立ち上がりが早い。

(ロケットストーブはじわじわと暖かくなって来るので、寒い朝、学校に行く子供たちの為に部屋を暖めておきたいときはすごく早起きしないといけない。約、1,2時間はかかるか。)

もともと、山の家のロケットストーブは、フィードチューブ内で、ある程度薪を燃やすように作ってある。

フィードチューブの燃焼について。

ならば、フィードチューブを時計型ストーブなどの鉄板薪ストーブにして、今のロケットストーブをそれの煙道としてつなげてしまえば良いではないか?

つまり、こう。

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いきなりの完成形でわかりやす過ぎるが、実はここにいたるまで、かなり苦労した。

自分では、こんな感じで、こんなもん楽勝でできるぜ。あっと言う間に完成さー。と、夕方から山の家に材料を持ち込んで、工事にかかり始め、よっし!夜には薪ストーブでポカポカさー。とにやにやしていたのだが、結局12時になっても、満足に燃えず、寒い体でフトンにもぐるしまつ。

原因は薪ストーブの煙突口をそのまま、ロケットストーブの焚き口(バーントンネル)に繋げようとした事。

これがまさに失敗例。
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鉄板薪ストーブの円筒形の煙道部が、狭くて、高さも高すぎ、空気の流れを遮断してしまい、薪ストーブからロケットストーブへのスムーズな空気のつながりができず、どんな焚き方をしてもロケットストーブに煙が流れず、家の中がケムリだらけになってしまった。もう目が痛い程。

で、新品のストーブを改造するのは気が引けたが、思い切って煙道部を取り外し、四角い穴を開けた!

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そして新しくレンガでバーントンネルをL字に作り直し、耐火断熱レンガを加工。段差、ストレスのない、スムーズな空気の流れを作ってやる事にした。

鉄板薪ストーブとの隙間は粘土に灰を混ぜたモルタルで埋めてつなげる。

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(右側がロケットストーブへの入口、奥が薪ストーブの煙の出口。L字の結合部を裏から見たところ。
点火時にはここから点火し、右側のバーントンネルへの炎の流れを十分に作ってやるとよく燃える。)

これでやっと燃えるようになったのだが、今度は燃え方に難あり。

薪ストーブの扉を閉めて、空気穴をいっぱいに開けて燃やそうとしても、すぐに火が弱くなって、しまいには消えてくすぶってしまう。どうしたらいいのか?

またまたいろいろいじるうち、扉を開けっ放しにしておくと、よく燃える事に気付いた。
しかし開けっ放しだと、煙が室内に逆流してくる。でも閉じたら火が消えそうになる。

こりゃどうしたもんかいのー、と座り込んで考えるに、どうも扉に付いている空気口だけでは、空気量が不足している。という事であろう、との結論に達した。

通常の薪ストーブの焚き方をしているのでなく、ロケットストーブに連結している→ロケットストーブは空気をたくさん吸う→今の扉に付いている空気口は狭い?→ならば空気口を広げてやれば良い。

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こうして扉を半分にカットし、下半分を開けておくことで、ようやく安定して、燃えてくれるようになった。

カット位置を決めるには、扉を全開にした状態で、適当な板を上からシャッターのように降ろしていくと、煙が室内に逆流せず、きれいに吸い込まれてゆくところがあるので、その線でカットした。

上側の小窓にはガラス窓が付いていたのだが、どうやってもここは煙がくるくると対流する位置にあり、すぐにヤニで黒くなって見えなくなってしまうので、あとで鉄板を加工して窓にしてしまった。炎を見たい時は取り外して見られるように。
結果、ガラス窓がいらなくなってしまい、勿体無い事をした。

ま、とにかく、やれやれ、やっと出来た。

メザシを焼いて、ショーチューで乾杯。
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あー暖かい。

2.ロケットストーブに太い薪。ロケットストーブの欠点を解消。

ロケットストーブは大変エコロジカルなストーブだが、欠点もある。

薪をしょっちゅう入れないといけない、暖かさの立ち上がりが遅い(ロケットマスヒーター型の場合)この2つが代表だと思う。で、今回、鉄板薪ストーブをつなげる事でこの2点がある程度、解決できた。

薪は径20センチ、長さ6、70センチぐらいのメガ薪も入るので、突っ込んでおけば世話はあまりいらなくなった。

(薪ストーブ奥からL字に作ったバーントンネル部。炎がロケットストーブ側に吸い込まれてゆく。)

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立ち上がりの遅さも直火で暖まられる所が増えたので、ある程度は解消できた。
ただし、ヒートライザー直下のバーントンネルを十分に暖めてから、火をだんだんと、薪ストーブの扉付近まで、誘導して来ないと、普通の薪ストーブの焚き方にならない所が難点ではある。
そのかわりヒートライザーとバーントンネルが十分に暖まり、ストーブの引きが決まってくると気持ち良いように燃えてくれる。

こうなってくると、薪ストーブ内のどこで火を焚こうが煙は逆流することなく、ロケットストーブに吸い込まれてゆく。

そして、薪ストーブの底から、バーントンネルにかけて十分に熾き火を敷き詰めておくと、ススの出やすい杉などの薪もあまりススを出さずに燃える。熾き火の上でススが燃え尽きてしまうのだ。

この燃やし方は、先日あった地域のもちつき行事のとき、お年寄りの方が、薪かまどで煙をほとんど出さずに、実に上手に火を扱っていらっしゃるのを見て気付いた事だ。
この状態で空気をうまく導入し、ススを燃やし切るような燃焼をすれば、吹きガラス炉の更なる高温化も可能ではないだろうか。

そしてロケットストーブはヒートライザー直下のバーントンネル部が一番温度が上がる事も、先日の実験でわかったし、

一番簡単なロケットストーブの作り方。

これらを組み合わせて炉を作れば上手いこと行くかもしれない気が今している。

3.今回買った鉄板薪ストーブ。

今回も前回、ホーロー製煙突を買った北海道、小樽の「新保製作所」さんの、薪ストーブにした。
名前がヒートエース。鉄板も厚めの長持ちしそうな薪ストーブだ。

このヒートエースの三面ガラス窓バージョンにしたかったのだが、人気らしく、納期が少しかかるようなので、前面扉だけ、ガラス窓のやつにした。
結果、前述したように、ロケットストーブに連結して燃やす私のやり方だと、丁度ガラス窓の高さのところで、煙が対流して、ガラス窓がすぐ黒くなってしまったであろうから、三面窓にしたら悲しかったかもしれない。

新保製作所さん良い会社です。ありがとうございました。

「北の国より愛を込めて、薪ストーブの新保製作所」

そして勝手に改造してごめんなさい。しかし性懲りもなく今度は床下空気導入口を、切り取った煙道部を使って作ろうと画策中です。

さて、お湯も湧いていい感じに暖まってきました。

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最後に、ロケットストーブの本の中から、Q&A "火急”の質問部分を一部引用して、終わりとします。

長々と読んで下さってありがとうございました。

(*1 ロケットストーブ Rocket Stoves to heat cob bildings より引用)

Q1 ロケットストーブはどんな種類の建物も暖められるの?
A1 (前段略) 〜しかしロケットストーブは、様々な種類の金属製ストーブのように、さっと急速には熱を放射しないので、もしあなたが寒空の下、すきま風が漏れる、断熱効果のよくない家に住んでいたら、もっと放射熱を出せる、正面に立って体を暖められるような、他のバリエーションを考えたほうがいいでしょう。

Q2 ロケットストーブの設置に適さない場所とは?
A2  (前段略)〜木工所などの職場では、作業者はほとんど座っていません。こういう場所では、蓄熱する代わりに、たくさんの熱を放射するストーブを使って、ストーブの近くや遠くに移りながら、素早く快適な暖かさが感じられる方が良いでしょう。納屋のようなあまり密閉されていない大きなテントのような生活空間では、ロケットストーブの周りの土が暖められる前に熱を奪われてしまうので、直接ドラム缶の中で、薪を焚き、熱を放射できるストーブとか暖炉の方がいいでしょう。

一番簡単なロケットストーブの作り方。(ポケットロケットストーブ)The simplest pocket rocket stove.

バイクツーリングにも持っていけるコンパクトなロケットストーブ 。耐久性の高いステンレス仕様。

ついに!というか、とうとうここまで来たかという程、超簡単なロケットストーブを作ってしまった。

いや、「作る」という言葉も大げさ過ぎる。

ただ缶の中に煙突を突っ込む、だけである。

外で作業をしていてアラレが降り出し、あまりの寒さにそのへんにあったペール缶に薪を突っ込んで燃やしていたのだが、下に穴を開けていないので、よく燃えない。

そこでふと思いつき、余っていたステン煙突をナナメに突っ込むと!

注意!

煙突を突っ込む時、絶対に煙突を覗き込みながらしないで下さい。

ヤケドします。

 

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急にすさまじく燃え出した。

もうびっくりするほど燃えるのだ。

すさまじい勢いで煙突が火を吸い込み、赤い炎がまさにロケットの発射のようにゴウオーと音を立てて吹き出す。

不用意に覗きこむと顔をヤケドをするオソレがあるだろう。

煙突をナナメに突っ込んだ事で、底に隙間ができ、そこから空気が勢い良く(薪の間を通って)吸い込まれる事で、このように強烈な燃焼が起きたのだ。

さらに吸い込まれる空気は、燃えている熱い薪の間を通る事で暖められ、効率よく燃えるのだろう。

とにかく、すごい!の一言である。

こんな単純な事をどうして誰も思いつかなかったのだろう。

ガソリンスタンドでペール缶をもらってきて、ホームセンターで煙突を買ってきて突っ込むだけである。

お金が勿体無い、という人はモウソウ竹の節を抜いて、突っ込んでもいいだろう。

効果の程を見るには十分だ。ペール缶の底に穴を開ける必要もない。とにかく加工は一切必要がないのに、これだけ劇的に変わるのだからビックリする。

ぜひ騙されたと思って、一回やってみてほしい。

ちなみにロケットストーブのマニュアル本に出てくる「デトロイタス」製のポケットロケットは、元祖、単純構造ロケットストーブだが、それでも、穴を開けたり、とかの加工はしたようだ。

絵で描くとこんな感じ。

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私のロケットストーブ、「私の」というのもおこがましい気がするが、

最後には煙突の根っこ部分が真っ赤になってきた。

これはつまり、ロケットストーブの燃焼はバーントンネル部分の、空気を取り込みつつ燃焼して、排気されていくヒートライザー直下が一番温度が上がると言う事の証明だ。

そして、燃えている薪の間を通り、空気が暖められてバーントンネルに向かうと言う事は、一次空気がすでに暖まっているので、更に良い燃焼を生む事になるんだな。

実に上手い具合にやっている。

完全燃焼に近い燃焼をするというのもうなずける。(竹や杉などの油分の多いものはさすがにススが出るが。)

これをうまく利用すれば高温の炉の設計もできるのではないだろうか。

このやり方は構造が超単純なだけに、ロケットストーブの燃焼のしくみを捉えるのには最適であった。

外で、寒い思いをしながら作業している人にぜひ試みてほしい。

ペール缶でなく、ドラム缶ならば更に暖かいと思う。

pocket roket b

ついでに動画もつけてみた。短いのでまあ見てくんさい。

「デトロイタス」〜道路脇などに廃棄された車・車の部品などの山。私たちの車社会・移り気な消費社会の残余物。

追記 その後、ステンレス缶と、厚め(肉厚5ミリ、内径110ミリ)の鋼管で同じ事をやってみたが、なかなかうまくいかなかったので、理由を考えるに、・・・

ロケットストーブの点火の絶対条件。A necessary reguirement of RocketStove ignition

木質ガスの燃焼。動画つき。

ようやく寒くなって吹きガラスの仕事も楽になってきた。

と思ったら、今日は蒸し暑くて小屋内は30度。夕方から雨が降りだす。

木質ガスの燃焼は水素ガスの燃焼が多いように思う。

動画を撮ってみた。

透明な炎でふわふわ燃えているのが、木質ガスの炎だ。

木質ガスだけでは温度が上がらないので、プロパンガスも、ごくごく絞って燃やしているが、赤い炎がプロパンガスの炭素が燃えている炎である。

ガラスを熔かすのには赤色の炎が良いという。(輝炎、というらしい)

つまり、炭素が燃えている状態がガラスの加工をしやすい炎という事だ。

ガスより、灯油、灯油より、重油が吹きガラスの作業はし易いというのも、炭素分が多いほうがガラスをよく熔かすということだ。

という事は、炭素がほとんどない、水素ガスの燃焼は吹きガラス向きでないという事になる。

まだまだ、課題が多いようである。

昔はいい時代ではあったが「〇〇が欲しいのですが・・・・」というと、オレに聞け!みたいなオヤジが出てきて、「なんにするんだ!」と聞かれ

気がつくと、萩の白い花が散り始めている。
不思議に咲くのも散るのも静かな花で、昔の日本人はそんなところを秋の花として愛したのだろう。

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今はコスモスが秋の花になってしまったが、花札にはできないな。

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さて、今日は少し時間があったので、買っといた小型ファンの結線をして、使えるようにする。

薪炭ガラス窯はエアを強制的に入れた方が温度が上がるようなので、流量の大きなACファンをオークションで手に入れといたのだ。

一つはカタツムリ型のシロッコファン、もひとつはふつうのACファンだ。

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近ごろは、こういうパーツがネットで手に入れられるようになって、わたしみたいな、自分でやるぜ派にはいい時代になったもんだ。
その他の政治経済とかは近未来的な退廃的崩壊状態だがそこがまた近未来的ではある。

昔はいい時代ではあったが、私の少年の頃はホームセンターすらなく、こういうコマい部品を買うのにも、地元の業者しか入らないコアな卸売専門業者に覚悟を決めて入り、「〇〇が欲しいのですが・・・・」というと、オレに聞け!みたいなオヤジが出てきて、「なんにするんだ!」と聞かれて、いや、あんたに言ってもわからんだろ、オレみたいな非常識な使い方、とも言えず、適当な分かりやすい言い訳をしつつ買うのが苦痛だった。値段も、最後におっさんが分厚いカタログをめくって調べるまでわからんし、結局以外に安かったりするのだが、とにかく手に入れるまでの過程が大変だった。

だからパソコンの画面で、値段と寸法を確認しながら買える、というのは、もう、理想的なのですね。
その分、余計なものまで買ったりするが。

そういう事で、すぐに、強制ファン、つまり薪、炭用の電気フイゴがすぐにできてしまった。

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さてさて、シロッコファンと、普通のACファンを並べて、風量実験してみよう。

以外な事にシロッコファンはその、いかにも大風量があります!という外見からは期待ハズレな風量であった。

普通のACファンのほうが、少し、風量体積は勝ってるのではないかと思う。

ただ、シロッコファンのほうが、風が絞られてて吹いてくるのはいいのだが。

あとは、明日、実際に焚いて実験するしかあるまい。

シロッコファンのほうが高かったんだがな。

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スモール イズ ビューティフル を読むと。

スモール イズ ビューティフルを読むと、たちどころに眠たくなってしまう。

仙台の行き帰りの待ち時間に、読破しようと、デイパックに入れて行ったのだが、2,3分も読むと、ものすごく眠くなり、はっと気付くと寝ている。

熟睡して、ヒコーキが飛んでしまっては、パーなので、読みたくてもあまり読めなかった。

いや、なんかいい事言ってるなーと思うのだが、いかんせん、翻訳文独特の伝わりにくさと、もともとの、ちょっと回り道して説明するような文体が、たまらなく至福の眠気を誘う。

 

しかし!その中で、我が意を得たり!という箇所をちょっと抜粋してみる。

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「したがって、現代技術は、人間が楽しんでする仕事、頭と手を使っての創造的で有益な仕事を奪い、代りにみんながいやがるコマ切れの仕事をたくさん作り出したと言って良い。」

「・・・人が仕事に費やす時間からすべての人間的な喜びや満足感が失われてしまうという事が起こった。現場での生産のほとんどが、人間を豊かにするどころか貧しくする、非人間的な雑用になってしまった。」

「実のある仕事が人をすこやかにする力、教育する力を考えてみてほしい。・・・今日ではなかなか手が届かない特権、つまり頭と手を使って、好きなときに自分のペースで、性能のよい道具を使って役に立つ創造的な仕事をする機会を、だれもが手に入れることになるだろう。」

E・F・シューマッハー スモールイズビューティフルより、抜粋

 

以上、3箇所を抜粋してみたが。

 

出版がなんと、1971年。この本は世界のベストセラーになり、シューマッハーは現代の預言者になった。らしい。

どれだけの人がこの本を手にしたかは判らないが、多分、多くの人が眠たくなったかもしれないが、石油危機と、増殖する現代文明の不気味さに、感づき、救いと回答を求めて、この本を手にしたのだろうと推察される。

 

そしてシューマッハーは、その答えに、手仕事の重要性を用意していたのだ。

一人の人間が、自分の手をもって、完成させる、一つの手仕事。

その満足感と、幸福感を救いとし、回答としたのはまさに慧眼という他はない。

 

しかしながら、1971年からもう2014年となり、回答はあるのに未だ救いは得られず、我々はますます混迷の泥沼にはまっていくようである。

これは、化石燃料を始めとする地球資源を簒奪することでしか、経済を進めて来れなかった人類の、根本的な愚かさゆえであろう。

 

この本は「経済学」に対して、その根本的な愚かさを主題としているようなのだが、私は、そこのところをもっと深く、読み込もうとすると眠くなってしまうので、「経済」、のところがよくわからない。

ただ、思うに、「経済」、を、発展するもの、右肩上がりのもの、とする設定は、元が間違ってると思う。

 

生まれ、成長し、やがて衰え、死んでいくのが生命だ。

そこに、繁栄し続ける事を理想とした「経済」、を植え付け、あたかも不老不死のごとく見せようとすることは、どだい矛盾のカタマリなのだ。

そうゆう事をシューマッハーは多分この本で言いたかったのだろう、と思うが、更に読み込もうとすると、眠くなってたまらない。

しばらく、私の枕元の座右の書となりそうである。

 

 

 

 

 

 

 

“薪と炭を使って吹きガラス” つまりこうゆうことだ。

 

さて、昨日の続き、ゴタクはいいので早く本題に入るとしよう。

吹きガラス炉の燃料にどうやって、薪を使っているのか?

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直に薪を焚いているのではない。

薪から発生する木ガス、つまりはケムリ、を燃やして燃料にしているのである。

実際に私の窯を見てもらったら、すぐに分かるのだが、文章で説明するのはちょっとめんどう。

今日は、石窯でパンを作っているTさんが見に来てくれたが、すぐに分かってもらえた。

さて、文章でうまく説明できるか、がんばってみよう。

 

今回、木ガスを使っているのは、吹きガラス製作の作業時に焚く加工炉、吹きガラス用語で、「ダルマ」といわれる窯である。

ガラスは冷めると硬くなり、加工出来なくなるので、冷めたらこの炉(ダルマ。テッポウともいう。今回はダルマと呼ばせて下さい。)で、あぶり直しては成型し、製品を作っていく。

一個の製品を作るのに、けっこうあぶり直す。

簡単なコップでも、仕上げまで5,6回はあぶり直すし、複雑なものだと何十回も。

時間に区切ると、1,2分おきにはあぶり直す、といった感じだ。

 

昼間の作業時だけに点火する炉だが、けっこう燃料代もかかる。

今の燃料単価だと、作るものにもよるが、一日2千円から3千円弱くらいはかかる。

 

で、私の作業場には、大小、二種類のダルマがあり、作るものにより使い分けている。

作品的な大きなものは大ダルマで、定番のコップや、ワイングラスなどは小さなダルマで、焚いている。

もっとも最近は大きなものを作っても売れないので、小さなダルマしか使っていないけど。

さて、そこで、この大小ダルマはレンガの壁一枚、隣合わせで作ってあり、排熱が行き来できるように壁に穴を開けてある。

うーんつまり、アパートの隣の堺の壁に穴があいており、自由に行き来できる状態、になっているのである。(なんかそんなマンガがあったですな)

ということは、つまり、となりの部屋で、バーベキューをやれば、排煙が直ちにこっちの部屋に伝わり、こらたまらんにおいがする訳で。

だから、大ダルマで、焚き火をすれば、ケムリが小ダルマに流れて来る。

で、そのケムリはまだ、燃える成分が残っているので、バーナーであぶれば、燃えてしまう。

つまり、大ダルマで、ケムリを発生させ、小ダルマで燃やしてしまおう、と。

 

で、

もともと、小ダルマは、ガラスを作るために、ガスバーナーを点けているので、その燃えるケムリは、補助的な燃料になるのですね。

ガスバーナーで燃やしてるところに木ガスが来れば、補助的に燃焼してくれるので、その分、ガスを絞って燃やせるじゃん!

というわけなのだが、お分かりいただけたであろうか?

さて、この画像、右が、今言ってた小ダルマで、左の、蓋して、鉄棒で突っ張っているのが、大ダルマだ。

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左の大ダルマの中には、薪がぎっしり詰め込んである。

 

朝、窯の立ち上げの時に、ぎっしりと薪を入れる。

 

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すると、前日の余熱がけっこうあるので、蒸された薪はすぐにケムリを出し始める。

そして蓋をして、蒸し焼き状態にしてしまうと、大量の木ガスが小ダルマに流れて来るので、そいつをプロパンバーナーで、一緒に燃やしてしまうのだ。

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ゴウゴウと燃えている。

つまり、こうゆうことなのだが、わかって頂けたであろうか?

すごく極端に言うと、焚き火のケムリをもう一回、バーナーで焚いて燃やし尽くしてしまう。

という原理だ。

ものすごく眠いので続きはまた。

“薪と炭を使って吹きガラス”

「機」というものは、熟する時を待っているかのようだ。

そして何かのきっかけで実現する。

 

薪を焚いて吹きガラスをやるなんて、冗談話で笑うレベルで、実現させようなどとは全然思っていなかった。

 

アフガニスタンのヘラートという町で、ターバンを巻いた痩せた髭親父が、
短い棒の先にガラスを巻き取り、吹きガラスのような事をしていて....

その横で、女の子が、薪を窯にくべている...のを、NHKのテレビで見たおぼろげな記憶や、

 

私の好きなレーマー杯が、森を一山潰して作られたほど、貴重なガラス製品だった事など、

 

知識としては、薪で吹きガラスをやってやれん事もないだろう、

ただし、膨大な手間がかかる・・・

一人じゃムリ。

と、思っていた。

 

だが何だか今年から、薪を焚く機会がやたらと増えた。

 

借りている山の家での、煮炊き、風呂、暖房はすべて薪である。

なので薪がいくらあっても足りない。

 

そこで、ロケットストーブという、新しい概念を導入し、薪の節約につとめてきた。

 

ところがもう一つ、ロケットストーブと裏表の兄弟のように、ウッドガスストーブ(TLUDストーブ)という、燃やし方が出てきた。

 

これはまあ、要するに、日本古来の炭窯や、もみがらを利用した、ぬくかど、などの伝統技術を新しい言葉に置き換えて、新しい器具を使って、木質バイオマスを利用しようという事なのだが、これまた面白い燃焼をするのである。

 

ロケットストーブは、うまく燃やすと、きれいに完全燃焼し、ススの付かない「煤切れ」の温度、400度以上だろう。

まで排煙の温度を上げて、燃やす事が出来た。

 

そして反面、友人がアマゾンで買ったウッドガスストーブは、炎好きの人間なら、飛びつく魔法の言葉「二次燃焼」を、デイパックに入る程の小さなサイズで軽々とやって、ひとつかみの杉っ葉で、10分もかからずお湯を沸かし、美味しいコーヒーを淹れてくれた。

そのような、薪割りが日課、という生活に突入しつつあった頃、

いつもの散歩道に行ってみると。

 

 

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くすの木の大木が切り倒されていた。

そしてその下には、大量の木質バイオマスが・・・

ま。要するにバイオマスとカッコつけんでも、大量の葉っぱと、枝と、幹、
なんだが。

 

 

201464b

山の家の薪調達が最優先事項だった私は、

すぐに、

「これ、もらってもいいですか!?」

と、木を切っていたおじさんに聞いた。

「おーいいよー。遠慮はいらんから全部もってって!」

やった!大量の木質ばいおます、ゲット!

と、喜んだが、

量がハンパない。

多分、二冬分くらいは十分に暖まる薪の量だと思う。

割っても、割っても、まだまだある。

 

 

しかし、ほぼ生木なので、今はまだ燃やせない。

ストーブや囲炉裏で燃やすのには、まだまだ乾燥させないとダメだ。

 

 

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だけど、炭窯に入れて炭にしてしまったり、ウッドガスを抽出するのなら、生でも問題ない。

 

えーい、そんなら、ガラス窯に入れてしまえ!

と、ガラス窯で、薪を焚き始めた。

 

ま、つまりこれが、

"薪と炭で吹きガラスをやる"

きっかけになったのである。

 

トリガー「引き金」は、熟する時を待っていたのだ。