ついに!というか、とうとうここまで来たかという程、超簡単なロケットストーブを作ってしまった。
いや、「作る」という言葉も大げさ過ぎる。
ただ缶の中に煙突を突っ込む、だけである。
外で作業をしていてアラレが降り出し、あまりの寒さにそのへんにあったペール缶に薪を突っ込んで燃やしていたのだが、下に穴を開けていないので、よく燃えない。
そこでふと思いつき、余っていたステン煙突をナナメに突っ込むと!
注意!
煙突を突っ込む時、絶対に煙突を覗き込みながらしないで下さい。
ヤケドします。
急にすさまじく燃え出した。
もうびっくりするほど燃えるのだ。
すさまじい勢いで煙突が火を吸い込み、赤い炎がまさにロケットの発射のようにゴウオーと音を立てて吹き出す。
不用意に覗きこむと顔をヤケドをするオソレがあるだろう。
煙突をナナメに突っ込んだ事で、底に隙間ができ、そこから空気が勢い良く(薪の間を通って)吸い込まれる事で、このように強烈な燃焼が起きたのだ。
さらに吸い込まれる空気は、燃えている熱い薪の間を通る事で暖められ、効率よく燃えるのだろう。
とにかく、すごい!の一言である。
こんな単純な事をどうして誰も思いつかなかったのだろう。
ガソリンスタンドでペール缶をもらってきて、ホームセンターで煙突を買ってきて突っ込むだけである。
お金が勿体無い、という人はモウソウ竹の節を抜いて、突っ込んでもいいだろう。
効果の程を見るには十分だ。ペール缶の底に穴を開ける必要もない。とにかく加工は一切必要がないのに、これだけ劇的に変わるのだからビックリする。
ぜひ騙されたと思って、一回やってみてほしい。
ちなみにロケットストーブのマニュアル本に出てくる「デトロイタス」製のポケットロケットは、元祖、単純構造ロケットストーブだが、それでも、穴を開けたり、とかの加工はしたようだ。
絵で描くとこんな感じ。
私のロケットストーブ、「私の」というのもおこがましい気がするが、
最後には煙突の根っこ部分が真っ赤になってきた。
これはつまり、ロケットストーブの燃焼はバーントンネル部分の、空気を取り込みつつ燃焼して、排気されていくヒートライザー直下が一番温度が上がると言う事の証明だ。
そして、燃えている薪の間を通り、空気が暖められてバーントンネルに向かうと言う事は、一次空気がすでに暖まっているので、更に良い燃焼を生む事になるんだな。
実に上手い具合にやっている。
完全燃焼に近い燃焼をするというのもうなずける。(竹や杉などの油分の多いものはさすがにススが出るが。)
これをうまく利用すれば高温の炉の設計もできるのではないだろうか。
このやり方は構造が超単純なだけに、ロケットストーブの燃焼のしくみを捉えるのには最適であった。
外で、寒い思いをしながら作業している人にぜひ試みてほしい。
ペール缶でなく、ドラム缶ならば更に暖かいと思う。
ついでに動画もつけてみた。短いのでまあ見てくんさい。
「デトロイタス」〜道路脇などに廃棄された車・車の部品などの山。私たちの車社会・移り気な消費社会の残余物。
追記 その後、ステンレス缶と、厚め(肉厚5ミリ、内径110ミリ)の鋼管で同じ事をやってみたが、なかなかうまくいかなかったので、理由を考えるに、・・・
ロケットストーブの点火の絶対条件。A necessary reguirement of RocketStove ignition