七夕飾りの仙台光原社から帰ってきました。

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二年ぶりの仙台光原社は変わったところもあり、変わらないところもありました。

最初に気付いた変わったところは、

金魚が、でかくなってる!

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前の写真を探しましたが、なかったので、旧ブログの記事をリンクしておきますが、画像が小さくてよくわからないけど、明らかに金魚さん、大きくなっていました。
これも、光原社の優しい人達が日々お手をかけているからでしょう。

2012年7月8日の仙台光原社行きの記事

さて、今年の仙台光原社の外見はこんな感じでした。

表通りから。
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角の裏通りから。
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ツタが少し伸びたようですが、そんなに変わっていないですね。

私の展示のようすはこんな感じでした。

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きれいに展示してくださってありがとうございました。

お店を閉めたあとはこんな感じ。

これからお話合い、鹿児島弁で飲ん方に行く前にパチリ。

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やっぱり、仙台は涼しいでした。

お店のスタッフの方達が、今日は暑いですねーと、おっしゃってましたが、私は、全然涼しかったのです。

日頃暑さに鍛えられている自分の体が、誇らしくもあり、

涼しい仙台がうらやましくもあり。

 

やっぱりクーラーのいらない夜はちょっとうらやましいですね。

炭と薪を焚いて作った吹きガラスはどう違う?

梅雨明けしてから、ものすごく暑い。
今年は冷夏かも、などと言っていたがとんでも無い。

今年もきっちり暑い鹿児島である。

しかも南方で台風10号が発生しているらしく、南からの蒸し暑い熱気が、太平洋高気圧のへりを回って流れ込んでいるたまらん蒸し暑い暑い状態だ。

 

さて、私は明日から仙台市に行ってきます。

もちろん涼みに行く訳ではないが、鹿児島よりは涼しかろうと期待している。

なにせ、ピーチエアと、カプセルホテルという、ミニマムな組み合わせなので、荷物は最小限!なるべく汗をかかずに過ごしたいので、涼しいければ涼しい程よい。

という訳で、ネット関係の荷物も持って行かない事にしたので、行く前に光原社さんに出品する作品をもう少し、紹介しておこうと思う。

 

さて、今回の展示会から、薪と炭をガス併用で焚いた作品を出す訳だが、この薪炭作品には、大きく分けて3つのパターンがある。

 

一番目、これが目で見て最も分かりやすい作品。

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薪の灰を使い、泡ガラスにしたもの。

普通、泡ガラスにするには、重曹を入れるのだが、今回は灰を使ってみた。 重曹だと、均一な泡になって、きれいはきれいだが、面白みがない。

灰の泡だと、ランダムな泡になり、面白いのである。

実は灰で泡ガラスを作るのは以前にもやった事がある。その時は大きめの蓋物を作ったが、あれもなかなか面白かった。
今回はルリ色のゴブレットを作った。

2番め。

吹きガラスに銀箔を使った薪炭作品

こいつは違いがすぐには判らないかも知れないが、銀箔を使ったパターン。
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今までにも銀箔を使った作品を作った事はあるのだが、出来上がりの箔の肌合いがイマイチだった。 
 

ところが今回、薪炭ガラスだと、箔がガラス生地に完全になじみ、しかもピカピカしている。 
 

これは薪と、炭を焚いたことで、炉内が強還元状態になり、銀箔の銀がきれいに析出したのではないだろうか? 
 

こんなにきれいな箔の状態は、私はいままで、(他の方の作品を入れても)見たことがない。 
 

これからの発展が期待できる薪炭作品である。 
 

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3番目 
 

定番作品のシリカ質の変化 
 

最後に、もう光原社さんに送ってしまって、手元にないので、画像をお見せできないが、今までの定番作品が、薪炭で焚く事により、少々、肌合いが変わった点である。 
 

どう変わったかというと、なんかピカピカしているのだ。 
 

これは薪や炭に含まれるカリ成分が、ガラスのシリカ成分と反応し、表面だけがカリガラスのような状態になったのではないか? 
 

まさかそんな馬鹿な事が、と思われるだろうが、ガラス表面のシリカ成分が、水の中のアルカリ成分と反応して、いくらこすっても取れない、「水アカ」が着く事を考えれば、そんなに馬鹿な推測ではない。 
 

いや、そう推測せねば説明がつかぬ程、明らかに前よりピカピカしているのである。 
 

ま、そうゆうことで、あとはご自分の目で確かめていただきたい。 
 

私はヒコーキの関係で、明日は夜に仙台に着。 
 

翌日から、土日の26,27日は在廊予定ですので、ぜひお声をかけて下さい。 
 

それでは。 
 

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吹きガラスの水滴。光原社出品作から

細い注ぎ口のついた、カラカラとか、すいのみ、とか、水滴などをたまに作る。

作らないと作り方を忘れてしまうから、たまには作らないといけない。

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作り方は、本体が吹棹に付いている状態で、熱いガラス種を、注ぎ口にしたい所にペトッとつける。

そして、吹棹に息を吹き込むと、熱いガラス種が、本体の身ごと(熱いガラス種の温度で、本体のガラスもいっしょに熔けて)膨らんでくるので、適当な長さまで延ばし、切りたいところを、火箸やピンサーでつまむとそこから冷めて切れるのである。

手伝いがいたり、付ける種の量が多いなら、種を種棹から切り離してもいいが、この写真のものくらいなら、種棹はつけたままのほうが、素早く作業できる。

つける種の温度を利用して、本体のガラスを熔かすのだから、早く息を入れないと、硬くなって、上手いこと膨らまない。

こうゆう熱燗用のカラカラとか、またはポッペンなどは、昔のガラス職人は昼休みにひょひょいと作り、子供のみやげとかにしていたらしい。徐冷もしない。

薄手に作るし、温度を見極めてちょいと水につける事で強化ガラスのようにしていた、とのことだ。

この話は、昔の大阪のガラス工場で、働いていた師匠から聞いた。

昭和30年代頃、この頃はガラスで作れるものはまだ、ほとんど職人が吹いて作っていたとの事。
ブラウン管とか、電球の玉とかもである。

今なら機械で作るものも全部職人が作っていた訳で、その頃の職人の腕は相当なものだったのだろう。
毎日いろんな製品をA品として作っていたのだから、カラカラや、ポッペンを昼休みに軽く作れたのもガラスに対する慣れが全然違ったのだろう。

私もポッペンを作ってみたが、半日やって、きれいな音がペッポンと鳴るのは2,3個しか出来なかった。

コツがあるのである。

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光原社と宮沢賢治とゴーシュのコップと詩人のこと。

「光原社」といえば、宮沢賢治を連想するのは私だけだろうか。

 

生前、まったく売れなかったと言われている賢治の最初の童話集、「注文の多い料理店」を出版したのが、盛岡で農業関係の書物を出版していた初代光原社主、及川四郎氏である。

 

若いころから、賢治ファンであった私は「光原社」といえば宮沢賢治であった訳だが、ガラスの仕事をするようになって、盛岡と、仙台に光原社という、工芸のお店がある事を知り、「もしかして、宮沢賢治とつながりがあるのでは?」と思っていた。

そして、後年、広島の舩木倭帆氏の元で、修行中の時、現在の光原社の若当主さんと、知遇を得る事となり、工芸店である現在の光原社さんも、宮沢賢治にゆかりのある光原社であることが分かったのである。

 

思えば不思議な縁であり、きっかけを与えてくれた師匠には改めて感謝している。

 

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それで、独立してから、光原社さんで個展をさせていただく事になった時、案内の葉書に次の一文を書かせていただいた。

 

「セロ弾きのゴーシュ」で家に帰ってきたゴーシュが水を飲むのはどんなコップだったのだろう。

そんな答えの見つからないコップを私はずっと作っていきたい、と思っている。

〜2010年7月光原社森永豊展示会DMより。

 

そして更に2012年、若かりし頃、バイブルのように持ち歩いていた宮沢賢治の最初の詩集「春と修羅」のような詩を書ける詩人になりたかった私は、調子にのって、また、賢治関係、のような、文を書いた。

 

売れない詩人になりたい。というのが若い頃のぼくの夢だった。どうして「売れない」が頭につくのかというと、売れない方が本物っぽく思えたからだ。ガラス作家になるということは半ば詩人になるようなものだから、とりあえずは夢がかなった、という事になる。

〜2012年7月光原社森永豊展示会DMより。

 

売れない方が本物っぽく・・・というのは、賢治の童話や、詩集が生前売れなかったり、ゴッホや、田中一村の絵が生前、評価されなかった、という話から、売れるのは本物ではないのだ!と若く、青く、硬く思い込んでいたのだろう。

今は私はそんな事は思わない。第一売れなくては、作品を作る原料も燃料も買えないし、それに、賢治もゴッホも田中一村もその後正しく評価され、作品はむしろちゃんとすごく売れたではないか。

 

そうゆう事で、今回も文章付の葉書が出来た。今回はあまり、賢治的、ではないが、それでももし、宮沢賢治が今の時代にいたならば、どのような行動をし、どのように感じられるであろうかと思えば胸が痛む気持ちも入っている。

仙台光原社さんで二年ぶりの個展です。

それで、一回目の個展の時、思いつきで賢治くんガラス人形を作ったのだが、今回、またリクエストがあったので、作ってみた。

勝手に現在によみがえらせてすいませんとこころで謝りつつ。

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光原社出品作から、 「Kenji」

光原社さんと宮沢賢治との、由来については、仙台光原社さんのホームページに詳しく、書かれているので、興味がおありの方はぜひ読んで見られる事をおすすめする。

簡素でわかりやすい文章で、当時の宮沢賢治と、及川四郎氏と、もう一人、近盛善一氏との面白いエピソードが紹介されている。花巻農学校時代の若き賢治と、及川、近盛両氏の熱い語らいが目に見えるようである。

 

仙台光原社:すぐれた手仕事

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吹きガラスでの失透生地はこんな感じ。

(仙台光原社、出品作品より。)

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吹きガラス、というかガラス全般であるが、「失透」という、やっかいな状態の生地になることがある。

これは、ガラス生地が、ある条件下に置かれた時、結晶、もしくは結晶核を生じ、結果、ガラスの透明感が失われ、つや消し状態や、つぶつぶ状態になってしまう事を言う。

焼き物で言うと、失透釉、マット釉、の感じで、なかなか悪くないのだが、この生地になってしまうと、固くて作りにくいは、結晶核化が進むと、溶けきれなかったコムギ粉のダマみたいになって、そこからヒビ割れるはで、進んで仕事したくなるような生地ではない。

 

私の窯では、温度が作業温度に上がりきれないと、なる事があり、その時はしょうがなしに作ったりする。

しかし、とにかく歩留まりが悪すぎ、進んでしたい仕事ではない。

だが、なんとか取れたものは、なかなか味があって、良いのである。

特に、水を入れると、霜がついたようでなかなか綺麗だ。

失透、英語で言うとデビトリフィケーション、

覚えておいてもあんまり役に立たないけど、こんなガラス生地もあるという事で。

 

 

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梅雨入りと梅雨明けの平均は?

台風一過、すっきりと晴れ上がるかと思ったら、すっきりしない。

 

最近はどうもこんな感じが多い。

はっきりしない天気だから、私はもう自分勝手に梅雨明けということに、はっきりしてしまう事にしよう。

 

ところで、吹きガラスは夏に忙しくなる商売である。

というか、春先から暖かくなって来るとよく動くようになる。

なので、この季節に展示会をする事が多いのだが、問題は梅雨である。

展示会をするお店の人と打ち合わせする時に、梅雨時は避けるようにしたいのだが、なんか梅雨って正確にいつからいつまで、というのがないので、いつも油断して、結果、梅雨時に展示会がかかってしまう事が毎年の事である。

ところが、今回、

台風8号、ノグリーくんの情報を集めようと、気象庁のホームページを見ていたら、「各種データ、資料」のところに、「過去の梅雨入りと梅雨明け」という、データがあった。

そして、ここに、過去1951年から、現在までの梅雨入り、梅雨明けのデーターがちゃんと書いてあるのである。

気象庁、過去の梅雨入りと梅雨明け

 

これによると、南九州の梅雨入りは、だいたい、5月終わりから、6月はじめ、梅雨明けは7月末ごろ、という事である。

つまり、6月はほとんど梅雨、梅雨明けは子供たちの夏休み前。

と、考えていたら、おおかた合っている事になる。

 

 

今回、霧島でやっている更紗さんの3人展も梅雨にかかってしまい、更に台風まで来てしまった。

誠にすまん事であった。

なので、DMに使った写真のメイキングバージョンをアップし、明日とあさってまでの三人展にぜひともご来場を願うものである。

 

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今回のDMに使ったのとは別バージョンの写真。

どこが違うかはこちらと比べてみよう。

私的な詩的吹きガラスたち

次にDMでは各個人の顔写真の横に白黒画像でのっていた作品写真のカラー版。

七尾佳洋さんのティーカップと、イッチンミニ湯のみ。

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七尾うた子さんの渋いミニ湯呑みと、中の赤い片口。

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んで、私のひわ色口巻小タンブラーと、灰釉泡瓶。
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明日、2014年7月12日、土曜日と、7月13日、最終日の日曜日は、七尾うた子さんが、在廊する予定ですので、ぜひこの不思議に強くも渋い作品群の親玉に会いにいって頂きたいものである。

 

仙台光原社さんのハガキが出来ました。

幸いにして台風8号は急に弱くなって通過してくれたので、大した事もなく良かった。

風もそんなに強くないので、吹きガラス作業を続行する。

子供たちは学校が休みになって喜んでいたが。

さて、25日からの仙台光原社さんのハガキが出来てきた。

なんか恐ろしげな顔の写真の人がいるが誰なのだろう?

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私は26日と27日は光原社さんにいる予定。

仙台は震災以後、ホテルがバカ高いそうで、予約を取ろうとしたら、土曜日だけ2万円とかで、ぼったくりである。

しゃくなので、カプセルホテルに泊まる事にした。

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光原社さんのブログとホームページはこちらから。

仙台光原社たより

仙台光原社:すぐれた手仕事

ブログに書いてくださったように、薪と炭を燃料にして作った作品を今回は初出し予定である。

籠城準備完了!

雨戸を閉めて、飛びそうなものの上に薪で重しをし、ついでに畑の草刈りと、木の剪定をやって台風対策が完了した。

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今日は台風準備のため、吹きガラス作業は休み。

こうゆう時、止められない窯は困る。早く窯を改造したいものだ。

さて、台風8号ノグリーくんだが、思っていたよりヘタってきたようだ。

はっきりしていた台風の目もなくなって、形もバラけてきている。

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多分、東シナ海の海水温がまだ低かったので、勢力を削ぎ取られたのだろう。

しかもコースが西にそれて、九州に真横から当たってくるコースどりになった。

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このコースなら、威力はだいぶ下がる。

北上しながら斜め左後ろから、えぐりこむように直撃するコースだと、強烈な南風が台風の進行するスピードに増幅され、軽く瓦がふっとぶ暴風になるのだが、西から、いそいそと来る場合、無理やりに東に進むことで、勢力が弱まるであろう。と予想する。

それに南西諸島の各空港の風速を見ても、そんなに強くないので、ノグリーくん、だいぶ弱ったようである。

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それにしてもインターネットのおかげて、気象庁の最新情報が得られるのは、大変ありがたい。
テレビやラジオの上っ面な情報より、生のデーターを見ることのできる気象庁のサイトはこうゆう時、大変頼りになる。

 

気象庁

 

まだ、油断は出来ないが、ノグリーくん、明日の正午ごろに、こちらにいらっしゃる予定。

 

来るなら来なさい! 

時間つぶしのDVDもこの際だからいっぱい借りたぞ。

 

 

しかし台風の生暖かい風のせいか、南方系の植物が急に元気になって来たのが、おもしろい。

 

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バナナとか。

 

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ソテツとか。

今度の台風はやばいかも。

きのうまで涼しかった空気が、急にブ厚くなって、台風が押し上げた南方の温気が息苦しい程だ。

 

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台風が来るかも知れない。

鹿児島で、強烈な台風が来ることは、命がけである。

特に、何もさえぎるもののない海上を渡ってきた台風の目が、左斜め下から直撃するコースの場合、最悪、家屋倒壊、最低でも瓦の5,6枚は飛ばされる覚悟をしておかないといけない。

今回のノグリーくん、その最悪のコースである。

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仙台の光原社さんの個展に向けて、ラストスパートをかけていたが、進路次第では、窯の火を落とさないとやばいかもしれない。

あとは念じるのみ。