ピッチャーを作る。
いつも思うが、ピッチャー、水差しというのは、”トリ”っぽい。
口をつけるので、その口がクチバシみたいに見えてしまうのだ。
なるべく”トリ”っぽくないように作ろうと、努力してきたので、近頃は努力が実ったような気がしていたのだが、
まとめて並べると、やはり、トリっぽい。
もういいや。
おんぼろ小屋で今日もコップを吹いている。
ここ数日、30度越えで、夏にもどったように暑い。
去年も今頃まで暑かったのだが、似たようなパターンで、ちくしょうめ!と言いたくなる。
太平洋高気圧が今頃になって異常に強いようだ。
くそのような青空が広がって、見上げると、ちくしょう!と言いたくなるが、眩しくてくしゃみが出てしまい、くやしい。
せっかく涼しくなって、少しずつ精神をいたわりながら、良いペースをつかもうとしてたのに台無しだ。
太平洋高気圧はもういいから。
暑さ寒さも彼岸まで、というのは、今までは結構その通りで、それを支えになんとかやってきたのに、30度越えでその支えを、蹴り飛ばされてしまい、私の気は地面に落ちた。
そうだ、ただの故事にせよ、何かを支えにするのは、止めないといけない。
自分を支えにせねば。(自分のどこを?)
しかしながら、残念な事に、この暑さにふと気づくと体が喜んでいるじゃないか。
さー汗いっぱいかいたから、とりあえずビールね。
それから、今日は久しぶりにカレーうどん。
(どうも今年の夏にカレーうどんにはまったのが、ぶり返したらしい。)
いやだと言いながら、体は正直なものだ。(なんだ?)パブロフか、
じゃあ、しょうがない。
カレー蕎麦にするか。
ガラス炉(吹きガラスの窯)にカーボンというか、ススがたまり、どうしようもなくなってしまったが、ブロアーを買って何とか復帰したというお話。
ここ一週間程、うちの吹きガラスの炉の煙道にススがたまり、これはもう再起不能ではないか、と思われるほど重篤な事態になってしまった。
事の起こりは、バーナーの灯油ホースに、ごくわずかだが、油染みが見られ、どうもホースが劣化してヒビが入り、そこから灯油が染み出してるようだ、と、発見してしまった朝に始まる。
このまま作業に入っても、問題無い程度のごく薄いにじみだったが、次の日朝早くから広島に行く予定で、窯を監視できないし、もう7、8年経っているホースだから、この際、新品に取り替えた方が、無難だろう、と判断した。
で、灯油バーナーを、臨時用の小さなガスバーナーに入れ替え、灯油ホースを外し、油圧ホースの専門店に持って行き(ユンボとかの油圧機械のホースを修理する業者)、同じ長さの新品を作ってもらう。(9,800円)
そして、無事付け替えたのだが、次の朝起きてみると、何と!バーナー口が、ほぼススで埋まりかけているではないか!
「これは完全にやばい」
どうも推察するに、ホースが新品になって、流れが良くなったせいで、思ったより油が出ており、不完全燃焼になってしまったらしい。
とりあえず、見える範囲のススを細い鉄棒で、突き崩し、エアーを最大に開け、ススを飛ばそうとするが、どうやら炉内にかなりの量のスス、カーボンが溜まっているらしく、全然燃えてくれない。
バーナー口で、ショボショボと、燃えるだけで、炉内に火が入って行かないのだ。
「さて、緊急停止するかね」
いや、仮に停止して、炉内を掃除したところで、私の炉は、煙道を炉底に通し、その上に、二次空気を温める道を作って、灯油を完全燃焼させる想定で作ってあり、煙道にススが付くことはありえない、という構造で作ったので、煙道掃除口からは、ごく一部しか掃除できない。つまり、これは想定外の事態なのだ。
掃除するなら、炉底まで崩して作り直すしかないのだ。
ではもう、炉内の温度を何とかして上げて、中のスス、カーボンを焼き切り、飛ばし散らすしかないのだ。
さて、それから約3日間、なだめたり、すかしたり、持っているACファンや、シロッコファンから、エアをあっちから、こっちから送ってなんとか炉内の温度を上げようとするものの、どうも、どっかが詰まっているらしく、症状は一進一退。というか、0進0退。つまり、にっちもさっちもいかん。
「さ^て困ったね」
どうするよ。もう止めるしか無いか。
「あ?」
「あ!」
そうだ!ブロアーがあった!
あれだ、あれ、田舎のバーベキューでは、炭熾しに絶大な威力を発揮し、あるいは、たまった落ち葉を吹き飛ばして、たちまち道を綺麗にしてしまう、ブオーンとうるさいあいつだ。
よし、買おう。
うへへ。
こんな非常事態にもかかわらず、わたしはニヤリとした。
この非常事態にかこつけて、ついにあこがれのあれを我が手中にできる格好の言い訳が申し分ないではないか。
へっへ。
とほほを緩めつつ、近所のホームセンターへ。
買った。しょうがないから買ったのだ。
そして、こいつの先端に「ウコンの力」のアルミカンをしばりつけ、耐熱仕様にし、(台無しだ)
吹いた、吹きまくった。
バーナー口から、煙道出口から、二次空気導入口から。ありとあらゆる入り口から、ブオン、ブオンと、吹き付け、吹き込み、吹き飛ばした。
時にはバーナーの油量を最大に上げ、まるで烈火の火炎放射器の如く。
ときには、煙道口から、糸を通すように火の道を拡げるべく。
一日、ブロアーの舞い上げるホコリと、ガラス炉の熱に汗まみれ、ホコリまみれになりながら。
結果。
見事に復調した!
前より調子が良いかもしれないくらいだ。
鹿児島の荒田に、クロワッサンのお店というお店がある。
一階が、青い鉄骨のフレームが目印のパン屋さんで、二階がクロワッサンのお店のショップ。
その二階の階段横のイートインスペースに、地元のクラフト作家たちの小品を飾れるスペースがある。
狭いので、あまり多くは飾れないのだが、わざわざ来てくださる方もいらっしゃるので、毎年展示会をしている。
私も独立してから16年たつのだが、そんだけけっこうな年月が経つと、各地のお付き合いのあるお店にも結構な変遷があり、親しくしていたお店がやめたりと、世の移りというものを、肌で感じてしまう事になり、
いらぬ年寄り気分を味わうハメになる。
だから、続いているお店というのは、貴重な事だとつくづく思うのである。
一階がパン屋というのが良いのかな。と、陳列作業のあと、おみやげのメロンパンなど買いながら思うのである。
そして、少しばかり多めに買ったりする。
底にヒビの入ったルツボだが、ヒビは大きくならず、だましだまし使っている。
さすがに満杯にするのは怖いので、2分目ほど入れて、色壺で使っているが、大丈夫なようだ。
あと、2ヶ月、いや最低一ヶ月半、もってくれればいいのだが。
今年もまだ氷河期は来そうになく、それどころか例年より暑い夏が来るそうなので、早めに火を落として夏休みとしたいが、無理だろうな。
しかしながら、幸いにして今のところ、私らの所は、去年より涼しい日が続いている。
昨年の8月に、この辺の史上最高温度37・2度を記録したのだが、今年この調子なら、去年より涼しい夏になってくれるかも知れない。
油断は禁物だが。
で、最近は、気象庁のデーターを見るのがすっかり楽しみだ。
こんなふうに。
平均気温を表す青線が、左側の去年のグラフと比べて、今年の6月は今のところ、21度を下回っている。(緑線、筆者描く)
このまま8月まで、この楽しみが続くといいのだが。
ヒロ画廊さんに行って帰ってきたら、今日は何だか肌寒く、薪ストーブを焚いている。
北海道の人が「5月でもストーブを焚くよ。」と言ってて、羨ましかったのだが、うちでも薪ストーブを導入してから初の5月焚き、なのでホホがゆるむ。
ヒロ画廊さんでは天気も良く、暑いぐらいで絶好のガラス日和だった。
日和が良くなるとガラスもよく売れるので、寒いからと喜ぶのもいかんのだ。
ヒロ画廊の奥さんが、私の以前の展示会で買って、ご自宅で使っているガラスをいろいろ見せてくれたが、自分ではあまり変えていないつもりでも、随分と記憶とは違うものがあったりして驚く。
中には、「あれ?こんなの作ったっけ?」と全く記憶に無いものもあり、それがけっこういい感じのもので、もう一回作ってみようと思ったりする。
ふと思いつきで作ってそのまま展示会に出したりすると、そこで売れてしまい、あとで思い出せないものも結構ある。
定番作品をコツコツと作り続けていけば、そのうち、作為なく、脂身の抜けたものが出来る気がしているのだが、ふとした思いつきで、夢中に作ったものも、作為もなく、脂身もないものが出来るように思う。
2017年5月3日から5月14日まで、和歌山のヒロ画廊さんで個展です。
私は5月7日に在廊できそうです。
ところで、このブログを全体的に更新しようとして、冬から完全にドツボにはまっています。
テーマを変えようとしたら、ワードプレス本体と、PHPと、その他なんやらのバージョンアップをせねばならず、バージョンアップするにはまずバックアップをとっておかねばサイトが真っ白になる事が最悪あるらしく、またそのバックアップがめんどくさく、何で世の中にバージョンアップなどというものがあるのか?とブツブツ言ってて結局なかなか進まない。
まあ、そんな訳で、しばらくごちゃごちゃしてます。
今は、ホームサイトと、インスタグラムのほうで、何かとごまかしてる感じなのですが、ありがたい事にインスタグラムで、私のグラスやらをアップしてくださる方々がいらっしゃり、へー、こんな風に使っておられるのかーと、なかなかおもしろいです。
展示会の詳しい情報は、私のホームサイトと、ヒロ画廊さんのサイトを御覧ください。
修行の旅を終えて故郷にガラス炉を築いてから、早くも16年が経ちました。
石の上にも3年と申し、長くかじりついていたら、そのうちなんとかなる、という意味であろうと思いますが、
16年かじりついていてもなんともならず、相変わらず手探りでなんとかやっている状態です。
始めた頃の、牧歌的な世の中と比べ、いろんな事が起きてしまい混沌とした世の中ですので、
手探りで丁度良いのかもしれません。
例えば、最初は作った作品をバッグに詰め、全国各地のギャラリーや百貨店をめぐり、冷たくあしらわれたり、逆に暖かく迎えられたり、とまさに、ザ、営業の日々。
ところが、最近はインターネットのおかげで、鹿児島からでも、自分で情報発信ができ、全国から注文が来ます。
もっとも、数が少ない割に種類が多い注文が多く、別な苦労があるのですが。
近頃、地元の燃料、炭や、薪などを使って、窯を焚く実験を始めています。
ガラスの窯は、高温を維持しなければならず、どうしても、化石燃料に頼らざるを得ないのですが、
化石燃料依存を、一回見直してみる事で、自身の周りの問題、田舎の過疎化の問題や、頼るべきエネルギーについて、肌感覚で、悩んでいけると思うからです。