さて、今日も炭火吹きガラス炉は快調である。
この炭火のじわっとくるあぶりは実にやりやすい。
特に鉢、ボウルをやる時に、身の中程がじわっと柔らかくなるので、ゆるやかな曲線をたもちつつ、広げていくのが大変やりやすいのである。
もう、前のガスバーナーだけのあぶりには戻れないかもしれない。
あぶりたいところをピンポイントであぶれる小さなバーナーが炉内にあるようなものなのだ。
ところで、この炭火効果だが、前の記事で言ったように、どうも私は遠赤外線というものを勘違いしていたようだ。
遠赤外線効果というと、なんとなく、遠くまで暖かさがじわっと来ること。
と思っていたのだが、それは違う。
炭火の遠赤外線は近ければ近いほど、対象物(炭火焼きの時の食材や、吹きガラスの時のガラスなど)を暖める効果があるのだ、とわかった。
吹きガラスを炭火でやって、やっとわかった赤外線の意味。
炭火で作業していてなんとなく、そんな感じがしていたのだが、調べてみると、遠赤外線の、「遠」は、赤外線のうち、より、赤の波長から遠い波長の赤外線を遠赤外線というのであって、遠くまで届く、という遠、ではないということらしい。
ちなみに、赤の波長に近い赤外線は近赤外線というらしい。
まったく恥ずかしい事で、いちいち書くのも恥さらしだが、知らぬはいっときの恥である。
多分私と同じ勘違いをしている人もいるだろうと思って老婆心ながら書いてみた。
おそらく、遠赤外線に、効果が付いてくるから、変な勘違いをしてしまうのではないだろうか。
バーベキューをやる時に、起こり始めのゴウゴウたる炭で、肉を焦がしながら焼いて、食べて、腹いっぱいになってしまって、一息ついて、
落ち着いたいい感じの炭火を眺めながら、「今焼けばうまいこと焼けるんだがなー」と、しみじみ後悔するのは毎度のことで、まさにこれが遠赤外線効果であったのだ。
落ち着いたころの炭火で厚めの肉を火に近づけてじっくりと芯まで焼く。
これが、一番効果的な炭火の使い方だ。
しかし問題は腹が減っている時にそこまで辛抱して、じっくり焼けたためしがない事なんだな。