さて昨日、ぎりぎりモードに突入していることを書いたけど、まあブログを書く余裕は出てきたので少し嬉しくなっている。
言い訳になるが、こんなにギリギリになって、個展の作品を作っているのは、今の異常な燃料高が原因である。
私のガラス窯は、燃料に灯油とガスを使っている。
この写真の左側が作業炉でガスバーナーを焚いており、右側がガラス熔解炉で灯油バーナーを焚いている。
こんだけ真っ赤に焼けているので、当然燃料を食う。
今、ウチの窯で燃料代は月に約20万円かかっている。
知らない人は「へーそんなもんか」と思うだろうが、昔、と言っても約10年前は、月に8万円もかからなかったのである。
つまり、20万円の資金があれば、軽く二ヶ月以上、窯を焚けた訳で、ひるがえって20万円で一月しか仕事できない今の状況は、大変苦しい。
で、下手に火をつけると、まさに燃えるようにお金が消えてゆくわけで、やむを得ずギリギリまで仕事を先延ばしし、短期決戦で一気に作ることになるのである。
当然、体にも悪いし、家庭にもよくない。
しかし、異常事態とあきらめるしかない。
多分、この寒い夜に日本全国のどこかで、灯油ストーブのタンクに燃料も入れられず布団にくるまっている人もいるだろう。
何も文句も言えずに。
静かな異常とはそのようなものだろう。
どこかで人が静かに死んでゆく。