空白は埋まるのだろうか・・・将来は職人さんがいなくなる?

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小屋の改造が終わる。

広げた部分の方も一部棟を上げたので、面白い屋根になってますます小屋ぶりが増したというものだ。

今回は隣の大工さんにお願いしたので、いろんなプロの親方たちが次々に現れるので、その仕事ぶりや親方ぶりを見るのが大変面白かった。

大工や、左官さんや、瓦職人や、ブリキ職人さん達の真剣で、無駄のない気持ちの良い仕事っぷりは、今の腐った日本の社会の中で、輝くダイヤモンドのように貴重なものだと思う。

しかし、お茶の時にお話を聞くと、跡継ぎもいなかったり、大手住宅メーカーに振り回されたりと、大変ならしい。

大工さんにしろ、プレカットの大流行で、自分で墨付けも出来ない大工さんもいるという。

「私らが最後の世代じゃないか、」と言ってらした。

社会はますますそんなふうに貴重なものを押し流していくだろうが、仕事に対する心意気はまだまだ親方達が伝えて行くと信じたい。

もっといっぱい写真を撮っておけばと、反省している。

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「ヌスミ」とは? 職人言葉って面白いですね。

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さて、 今のところ休みなし更新中である。 昨日はこんなものを作った。   ところで。 小屋も窓が自然落下するようではもういけん。 改造することにしました! 落ちた出窓のところを増築してしまえば窓はいらなくなるからOK牧場だ!(古っ) まあそうゆう訳で、隣のとなりの大工さんにたのんで基礎の型枠作りをやる。 この角材で仕切ったところにサッシのスライドドアがはまる予定。 ここにサッシの外枠がはまる訳ですな。 建築用語で「ヌスミ」というそうです。 職人言葉って面白いですね。

 

(2014年3月20日)

追加で作業工程の写真を整理した記事を書きました。

「ヌスミ」とは?の作業工程写真をアップしときます。

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小屋とユンボの大きさの不思議な関係。

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去年キオビエダシャクにやられた一ツ葉の木をとうとう引っこ抜く。

それにしてもこのユンボの大きさと小屋の大きさが似てるぐらいなのがおかしい。

うちのガラス小屋は独特なサイズで、大工のH打君が「いい高さですねー」と感心していたかわいいサイズなのだ。

ユンボに小屋をぶっ壊されないか心配で今日は全く仕事にならなかった。

NEWS! もうすぐです!鹿児島ガラス作家5人展。

とうとう櫓を下げる。

もうかれこれ13年にもなるのだ。独立してすぐの頃に作ったガラス窯の燃料タンクの木のやぐら。

落差の圧で、バーナーを焚くのでなるべく高いほうがいいだろうと思って、廃材を利用して組んだ高さ150センチはある櫓だ。

しかしちと高すぎて、灯油のポリタンクを抱え、ハシゴに登って「よっこらせ」と給油するのも年のせいか腰がつらくなってきた。

ずっと雨ざらしで重いドラム缶を支えてきた櫓だが、木がボロボロになったのと、高さを少し下げたいのもあって、ブロックの上にドラム缶を乗せることにした。

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写真のボロボロになっているのが、解体して横倒しになっている木の櫓の脚の部分だ。

 

しかし木というのは案外と丈夫なもので、見た目ボロボロでも芯の部分はまだしっかり残っている。

あと10年はだいじょぶそうでもある。

13年かけて木の耐候試験をやったようなものであるが、外で雨ざらしでも、土の上に直接置かず、風通しのいいところなら、木も案外長持ちする。

また、杉などは湿気に弱いが、一ツ葉(イヌマキ)の木はハードな環境でも強い。

ブロック積みの台になってスッキリしたが、これはもう櫓とは残念ながら呼べない。

やぐらが無いと小屋としてはちょっとさみしいのだ。

 

NEWS  霧島のギャラリー更紗さんで3人展中。
DMの内容はこちら もう夏のように暑い鹿児島と、まだ雪やまぬ北海道からの合同展示会が霧島の更紗さんで。
 

 

桃の花が咲き出す。

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今年も桃の花が咲き出した。

急に暖かくなったからいつもより早いのかと思いながら、「桃の花が咲き出した」と10年日記に書こうとしたら、以前の日記には「桃の花が満開」と書いてある。

やはりいつもの年より寒かったのだろう。

梅も桜いいが、桃のボワーンとした感じが一番好きだ。

「富士には月見草がよく似合う。」

を思い出し、「小屋には桃がよく似合ふ」

と言ってみる。

(2012年3月27日の小屋)

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次の記事も時間があったら見て下さい。お仕事の方は遅刻しないようにね。

10年日記

もうすぐです! 「霧島の更紗さんで、七尾さんご夫婦と三人展」森永豊 ホームページより。

小屋にも悩み事があるのだ。パート2(解決編)

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H打君はいろんな経験のある大工で、最近の新建材の家が嫌いな男で、野遊びの達人だ。
彼といっしょに川釣りに行くとよく釣れるのである。

丁度良かったので、小屋の補修方法を相談しつつ日頃思っている疑問をいろいろと尋ねてみた。

「壁に粘土を塗りたいんだけど木が腐らないかな?」

「通気性があって粘土が濡れても乾くような構造にしておけば大丈夫です。」

「なるほど。厚さはどれぐらいまでいけるかな?」

「ただの土でも2,3ミリくらいなら塗ることができるから、粘土ならもっと大丈夫。」

「そうか。じゃこの小屋の穴ほげのところに粘土を塗ってもいいだろうか?」

「うーん・・・・・・・・僕は昔、墨壁を塗ったことがあるんですが、その時は、ニカワを湯煎しながら煤を混ぜ込んで、何人かで塗っていくんです。ニカワは冷めると固くなるので、冷めないように容器をお湯につけながら塗ってましたね。

粘土を直接壁に付けると、雨で濡れた時が心配だから、何か膜になるような、そういうニカワと墨を混ぜたようなものがあるといいんでしょうが・・・」

「あ、そうか!ニカワか、ニカワならあるよ。」

と、話は意外な方に進み、とりあえず、ニカワを溶かしてみることに。

ペンチでニカワを細かく切って、カップに入れ、水を注いで湯煎してみる。

「お、溶けてきた!溶けてきた」

「それで、これを何かガーゼのような布に浸けてから、貼り付けてみたらどうでしょうか。」

ぺたん、ぺたんと貼り付けてみるとなかなか良い感じである。

「これで乾いたら硬くなりますよ、補強にもなると思います。」

 

・・・・で、翌日。

乾いたニカワ布はガチンガチンになっていた!

やったー!

という訳で、小屋板壁補修計画も、解決の方向性が見つかり、これからどんどん進んでいくのだ。

ちなみに、ニカワはバイオリンを作る時に接着剤として使うそうである。硬化に時間はかかるが、高い接着力と、部材への浸透性が弦楽器作成に最適らしい。

ウチの小屋も弦楽器クラスになったということで、大変うれしい。

そうゆうことで、ニカワ布をピタピタと貼っていると、とても気持ちが充実する。

このような、自然物由来のニカワとか、柿渋、とかで、作業するときの何とも言えない清々しさは不思議に心を落ち着かせるのである。

「すまんなあ、長いことほっといて」

と小屋に謝りつつペタペタと貼るのである。

このあとは煤の代りに、柿渋と煤を混ぜた「渋墨」というものを布に塗り、(ニカワは親水性があるそうなので、煤を混ぜたほうが水に強くなるのでは)その上に寝かしておいた粘土を付けていく計画。

ちなみに、冒頭のきれいな写真は、ニカワを入れたビンにお湯を注いだ時のもの。

剥がれて溶けてゆくニカワの膜に、小さな泡がいっぱい付いて、それはきれいで、不思議な景色だった。

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小屋にも悩み事があるのだ。パート1

私のガラス作業小屋は昭和元年生まれ。

昭和に1925を足すと西暦になるので、1たす1925で西暦1926年生まれ。
今2013年なので、2013ひく1926で、今のお歳は87歳なのだ。

お歳なので、あちこちガタがきているのはしょうがない。

今、一番の悩みは西側の壁で、道路ばたで、毎日風雨にさらされているので、板壁が薄くなって来ていることだ。

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厚さ5ミリもない薄い板なので、木目の夏時期のやわらかいところが、長年の風雨で侵食され、ついに、あなほげになってしまってきているのだ。

 

西日が差すと内側からはこのように、とてもまぶしい。

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照明代わりになっていいのだが、問題はこれだけ薄くなってくると、おならの音が外に丸聞こえになることだ。

この薄い壁を隔てて、西側は、文句なしの公衆用道路がばーんと直線で通っている。

このスケスケの板壁の内側で、会心の一撃を放とうものなら、公衆用道路を通行している人が、まず、びっくりする。

びっくりするぐらいならいいが匂いまでもれては迷惑というものだ。

そこで、この壁をなんとかしたいのであるが、これが難しい。

なにせ薄い、とにかく夏木目がぺらぺらに薄い、ので内側からコンパネなど打ちつけると、絶対にベキ割れてしまうだろう。

外側からトタンなど打ち付ける手もあるのだが、長年這わせてきたツタをはがして、また最初からやり直さないといけない。

 

私としてはどうせ、ほっとけば自然に環ってしまうような、ぼろ小屋だから、できれば自然な素材で直してやりたい。

防火を兼ねて土壁にできたら、防音効果もあるだろうから、できればその線でいきたい。

などど、考えていたのだけど、まずはこの穴ほげをどうやって、手をつけたらいいものか悩みの種で、どうにも手が出ないのであった。

と悩んでるところに、大工のH打君が遊びに来た。

(長くなりそうなので、続きはまた明日書く)

私のガラス小屋(旧ブログからの抜粋記事)2010年7月28日

これが私のガラス小屋だ。吹けば飛ぶようなとは、まさにこのことだろう。
壁板の厚さ、平均約5ミリ。透けているところもある。

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(追記2014年2月21日)ブログを始めたころのガラス小屋。

この頃はまだ一ツ葉の木もある。

巾が二間しかなくて狭かったが、日当たりは良かった。今は一間増築して広くなったが、日当たりは悪い。

何にしろ、いいことばかりはありゃしない、のだ。

 

(今の小屋)

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