さて、昨日の続き、ゴタクはいいので早く本題に入るとしよう。
吹きガラス炉の燃料にどうやって、薪を使っているのか?
直に薪を焚いているのではない。
薪から発生する木ガス、つまりはケムリ、を燃やして燃料にしているのである。
実際に私の窯を見てもらったら、すぐに分かるのだが、文章で説明するのはちょっとめんどう。
今日は、石窯でパンを作っているTさんが見に来てくれたが、すぐに分かってもらえた。
さて、文章でうまく説明できるか、がんばってみよう。
今回、木ガスを使っているのは、吹きガラス製作の作業時に焚く加工炉、吹きガラス用語で、「ダルマ」といわれる窯である。
ガラスは冷めると硬くなり、加工出来なくなるので、冷めたらこの炉(ダルマ。テッポウともいう。今回はダルマと呼ばせて下さい。)で、あぶり直しては成型し、製品を作っていく。
一個の製品を作るのに、けっこうあぶり直す。
簡単なコップでも、仕上げまで5,6回はあぶり直すし、複雑なものだと何十回も。
時間に区切ると、1,2分おきにはあぶり直す、といった感じだ。
昼間の作業時だけに点火する炉だが、けっこう燃料代もかかる。
今の燃料単価だと、作るものにもよるが、一日2千円から3千円弱くらいはかかる。
で、私の作業場には、大小、二種類のダルマがあり、作るものにより使い分けている。
作品的な大きなものは大ダルマで、定番のコップや、ワイングラスなどは小さなダルマで、焚いている。
もっとも最近は大きなものを作っても売れないので、小さなダルマしか使っていないけど。
さて、そこで、この大小ダルマはレンガの壁一枚、隣合わせで作ってあり、排熱が行き来できるように壁に穴を開けてある。
うーんつまり、アパートの隣の堺の壁に穴があいており、自由に行き来できる状態、になっているのである。(なんかそんなマンガがあったですな)
ということは、つまり、となりの部屋で、バーベキューをやれば、排煙が直ちにこっちの部屋に伝わり、こらたまらんにおいがする訳で。
だから、大ダルマで、焚き火をすれば、ケムリが小ダルマに流れて来る。
で、そのケムリはまだ、燃える成分が残っているので、バーナーであぶれば、燃えてしまう。
つまり、大ダルマで、ケムリを発生させ、小ダルマで燃やしてしまおう、と。
で、
もともと、小ダルマは、ガラスを作るために、ガスバーナーを点けているので、その燃えるケムリは、補助的な燃料になるのですね。
ガスバーナーで燃やしてるところに木ガスが来れば、補助的に燃焼してくれるので、その分、ガスを絞って燃やせるじゃん!
というわけなのだが、お分かりいただけたであろうか?
さて、この画像、右が、今言ってた小ダルマで、左の、蓋して、鉄棒で突っ張っているのが、大ダルマだ。
左の大ダルマの中には、薪がぎっしり詰め込んである。
朝、窯の立ち上げの時に、ぎっしりと薪を入れる。
すると、前日の余熱がけっこうあるので、蒸された薪はすぐにケムリを出し始める。
そして蓋をして、蒸し焼き状態にしてしまうと、大量の木ガスが小ダルマに流れて来るので、そいつをプロパンバーナーで、一緒に燃やしてしまうのだ。
ゴウゴウと燃えている。
つまり、こうゆうことなのだが、わかって頂けたであろうか?
すごく極端に言うと、焚き火のケムリをもう一回、バーナーで焚いて燃やし尽くしてしまう。
という原理だ。
ものすごく眠いので続きはまた。