ヒートチョッパーとバスタオル一発芸(ナミ)。

最近また寒くなってきた。
せっかく薪ストーブをつけたのに暖かくなっては拍子ぬけなので私は寒いほうがいい。

ところで家につけた薪ストーブ、新保製作所さんのキャンプ用薪ストーブで、名前がヒートチョッパーという。

キャンプに持ち運べるように、ヒートエースの半分のサイズで、煙突、脚などがセットでついているのだが、ウチの中で使うので、あれもいらない、これもいらないと、新保製作所さんにわがままを言い、本当に本体だけにしてもらった。すいません、ありがとうございました。

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ヒートチョッパー君。なかなか可愛い。

チョッパー君といい、ヒートエース君といい、もしかしてワンピースのキャラからなのかな?
だとしたら、ヒートエースは絶妙の命名ですね。

話は変わるけど、下の小3の娘がときどき突発的に披露してくれるバスタオル一発芸というものがあって、風呂あがりにバスタオル一枚でやるのだが、肩からたらして「ローマ人っ!」次にマントのようにはおって、中空を指さしながら、「なぽれおん」。腰骨からかなり下にずらして巻いて「ナミ!」というのがあり、いきなりやられるとかなりおかしい。

新バージョンで、「ちゅうごくの女の人」というのもあり、だいたいわかると思うが、そうチャイナドレスですな。

どういうふうに巻くかはご想像におまかせします。

で、ヒートチョッパー君ですが、またしてもこのようにチョッパーしてですな。

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ロケットストーブ化するためレンガで作るヒートライザー部に合わせて切ります。

そして、ガラスるつぼをカットして繋げた煙道をのせ、

ルツボをリサイクル
ルツボをリサイクル

煙突をつなげて、試運転。

よく燃える
よく燃える

これで完成にするつもりだったが、思ったより煙突が熱くなるので、一斗缶と、余った煙突を使って放熱部を追加した。バラして掃除が出来るように、一部は太いホースバンドとボルトで固定。

メカだ。
メカだ。

余談だが、ロケットストーブのメリットの一つに煙突の取り回しが自在にできる点がある。
だからこのような放熱部を室内に作る事も可能なのだ。

鋳物製の薪ストーブに使う二重煙突は、逆になるべく高い温度で排気し、煙突内にススやタールがつかないようにする。だから煙突から出る熱も暖房に利用しようとしても出来ない。というかするつもりはない。

この両者の違いは大きい。

ロケットストーブがエコストーブとも呼ばれるのは、排気熱を無駄なく室内に取り込み、薪の使用料を減らす、エコロジカルな面もあるからだろう。
だが、デメリットとしては、排気煙突が長くなることで、ススをもれなくため、ススがたまった時の煙突掃除が大変なこと、排気温度が低くなりすぎて木酢液がたれる事があげられる。もっとも私は木酢液は下にガラス皿でも置いて、回収すればいいと思ってるし、煙突のススがつまる前に、また改造するだろうから、あまり問題視はしていないが。ただやはり掃除はしやすく作っておくに越したことはないだろう。

それにもう一つ。

ススやタールが煙突内につき、木酢液が出るという事は、その分、周りの環境に、それらを排出せず、自分で貯めているという事だ。
だから煙突から出るのは、ほとんど水蒸気だけである。寒い日に煙突から出る煙を見てみると「ほわほわ~」と白い煙が、寒い朝の暖かい息のように出ている。
この煙が黄色っぽい時は焚き始めの時のような不完全燃焼状態、青みがかっている時は、木タールが混ざっている訳だが、あまりそうゆう事も無い。

という事は二重煙突で高い温度のまま排気すると言う事は、スス、その他をいっしょに排気している事になるんだな。

余談終わり。


さて、このヒートチョッパー君、ロケットストーブもどきというか、ロケットストーブの応用なので、あまり寒くない時は、ロケットストーブ本来の「木口焚き」

mo_20151276も出来るし、
寒い時は、「普通の薪ストーブ焚き」

mo_20151272も出来る。

なかなか優秀。

ただヒートエースの半分の長さなので、長い薪が入らないのが難点。

でもかわいいから許す。

ルツボを再利用して薪ストーブ。Rocket Stove with Recycle Melting Pot .

薪がいっぱいあるので、薪ストーブをまた作る。

今度は、吹きガラスで使うルツボ(ジャパン壺)を再利用して作ることにした。

吹きガラスのガラス種を熔かす壺は、一回冷ましてしまうとヒビが入りやすくなるので、2,3ヶ月連続して使ったら、新品に取替える。

なのでウチには使用済みルツボがたまる。

人にあげると喜んで貰う人もいるのだが、それでも余るので、これを煙突として利用し、薪ストーブを作ってみた。

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こんな感じで、底を切れば煙突になるだろう。

で、出来た!

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今日のところは、セツメイを省くが、そのうち、まとめるつもりではあります。

やっぱり家の中に火があるのはいいな。

ルツボを煙道部に使った事で、ロケットストーブのような断熱煙突になり、よく空気を吸い込む。

薪ストーブは結局、ストーブ本体から、煙突につながるここの、エルボ(L字)部分が大事だと思う。

一番温度が上がり、ハードに使われるので、傷みも早い。

だから、この部分を耐火物で作っておけば、長持ちするだろう、というのも今回の狙い。

余談だが、ペール缶でロケットストーブを作る時、ステンレス製のエルボ管や、T字管を使うが、あれは耐久性はどうなのだろう。

ステンレス製だから鉄よりはましだろうが、一番温度の上がる部分だし、さらにそこを断熱するのだから、おそらくすぐに真っ赤に焼け、いずれはボロボロになると思うのだが。

しかもエルボまわりの断熱材は、バーミキュライトや、パーライトなどの、支持体がなければ形が崩れてしまう、粘性のない素材が勧められている。

これでは、ステンのエルボが、ボロボロになったら、煙道も崩れ、空いた穴からバーミキュライトなどがこぼれてきて、ロケットストーブとしての役目を終える事になる。

試しに作ってみて、たまにしか使わないのなら、それでもいいだろうが、日常的に薪かまどとして使うつもりなら、より耐久性のある素材で作っておけば、半永久的に使えるものが出来るはずだ。

もし、私が作るなら、パーライトに粘土を混ぜるか、粘土に、灰やおがくずなど、断熱性があり、つなぎにもなる素材を混ぜ、突いて少し固め、エルボがボロボロになっても、それ自体で固着しているように作りたい。

欠点は、重くなることだが、一人で持ち上げられない程にはなるまい。

あるいは、ステンのエルボのかわりに、発泡スチロールか、木材、あるいは乾いたバナナの茎、で煙道の型(中子)を作って、粘土を詰め込み、乾いてから、それらを焼き切ってしまってもいい。

それか、こんな土管を使うのも、面白いと思う。

でも値段が分からないんだな。だれか買ってみませんか?

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織田陶管有限会社

ホームページを新しくしました。2015年版です。

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最近、ニホンもきな臭くなってまいりました。
暗黒の2015年の幕開けかもしれませんが、皆さん何とかやるしかないですよね。
国というものは結局、民に犠牲や、理性や、強制や、税制や、自制や、協調性や、自粛性?を押し付け、自らは生き延びようとするツル性植物のような醜い姿なのが本来。その醜い姿に十二単のようにコロモを被ってカモフラージュしていたのがコロモを一枚ずつ脱ぎ捨て、あられもない姿を現しつつあるのが最近たまらん見苦しい、というか見たくないですね。

ということで!

ホームページをリニューアルしました。

たよりになるのは・・・・・・

{くらかけ山の雪}

でしょうか?

私は?です。

森永豊ホームページ私的な詩的吹きガラス

 

 

太陽光パネルはバッテリー上がりに効くか?

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油断してたら軽トラのバッテリーが上がってしまった。

ケーブルをつないでエンジンをかけようとしたが、停めた場所が悪くてケーブルが届かない。

そうだ!太陽光パネルをつないでみようかな。

と、天気もいいので小屋の屋根の太陽光パネルを降ろして、軽トラのバッテリーにつないでみる。

で、3,4時間日向ぼっこさせて、エンジンかけてみたら、あっさりかかった。

すごいな太陽光パネル、すごいぞ太陽光エネルギー。

私のパネルは一枚15Wのが二枚、たしか、二枚で一万少し超えたかな?

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しばらく天気もいいようなので、も少しつないでおこう。

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今回のつなぎ方は、もう直につないだだけ。

レギュレーター(安定器)もなし。パネル=バッテリー。

こうゆう時はレギュレーターを通さないほうがいいと思うが。どうなんだろう。

ロケットストーブの二次空気について。と、ロケットストーブの過去。

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ロケットストーブに二次空気が必要か?
という問は、ロケットストーブ、特にマスヒータ型のロケットストーブを作った人は考えてしまうのではないだろうか?

二次空気を使った燃焼は要するに、発生した煙にもう一回、空気を送り込むことで、煙の出ないクリーンな燃焼をさせたいということだ。そのため、ストーブの炉壁内に空気道を作り、ストーブの熱で暖めた空気を送る構造の薪ストーブもある。

二次空気燃焼と聞くと、ストーブマニアは、まるで荒野に飛び出す青年のように、わざわざ複雑な空気道を苦労をいとわず作り、一人でにやにやしているものだが、さて、ロケットストーブの場合の二次空気はどうなんだろう?と、実はわたしもちょっと実験してみたりしてた。

きっかけは、山の家の囲炉裏内に、耐火断熱煉瓦を組んで、ロケット囲炉裏にした時かもしれない。

オープン囲炉裏状態の時は煙が部屋に充満し、目がシパシパして痛かったのがロケット囲炉裏にしたら、煙が少なくなり、窓を開け放って換気する必要もなくなったのだ。

もっとも焚く薪の量がかなり減ったのも一因だろうが、ロケット囲炉裏の強力な空気吸い込み力と高温燃焼のおかげで、煙が少なくなったのは間違いない。

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そこでこれならもしかして二次空気を入れたら、完全に煙をなくす事ができるんじゃないか、と期待した訳だ。

しかしながら、私のちょっとの実験の結果だが、今のところ大きな変化はない。というところだ。
これはまだ、いろいろやってみないと何とも言えないが。

さて、ところでこのロケットストーブの二次空気について調べていたら、面白い記事があったので、紹介しておきたい。

ロケットストーブの前身にロレイナストーブというものがあったらしいが、それはアフリカなどの、薪が主燃料の国での、深刻な薪問題を減らす為に生まれたらしい。
室内で煙突なしで調理する事で、肺炎や、慢性呼吸器疾患になったり、燃料を節約するため、料理を生煮えのまま食して健康を損ねたり、さらにはウガンダの紛争地帯では、薪拾いに行って殺されたり、レイプされたりなどと、木が捨てるほどある日本にいては想像もできない薪問題というのが、世界にはあるのだと初めて知った。

そこで、国連がアプロヴェチョ研究センターという非営利組織に依頼して、出来上がったのが、ロレイナストーブというものらしい。

ところがこのロレイナストーブ、版築構造(ブータンの家屋の土作りの一階部分がかっこいいですね)で作ったため、熱を断熱せず、蓄熱してしまい、火の扱いに習熟した人が焚くと、今までのオープンなかまどの方が、薪が少なくてすんだという事に。

そこで、粘土におがくずを混ぜて断熱したりして、アプロヴェチョ研究センターの技術責任者、ラリー・ウィニアルスキ氏が開発したのがロケットストーブであるというのだ。

ロケットストーブにそのような深刻な過去があったとは、まったく初耳である。

興味のある方はウィキペディアを参照していただきたい。

アプロヴェチョ

さて、そのアプロヴェチョつながりで、ロケットストーブの二次空気について当のラリー・ウィニアルスキ氏が言及している文章があったので、引用しておきたい。

”ロケットストーブについて考えるに興味深い点を指摘しておきたい。二次空気は、いらない。
私は、暖められた二次空気を、ヒートライザー上部に入れる試みをやったが、煙の量や燃焼効率に顕著な改善は見られなかった。いずれにせよ、十分な量の一次空気が、燃焼ゾーンのトップにまで残っているのだ。
ここに空気を入れると温度をかえって下げるようである。将来的にはもっと良い機器を使ってテストしたいが。

ロケットストーブは、適正な量の燃料が入れられた時、理想的な一次燃焼のために実に上手く働く補助的な状況を作り出そうとする。

断熱された煙突が生み出す、増幅された引きは、炎に扇風機のようにたくさんの空気を送り込み、より熱く、力強い燃焼を生む。”

Larry Winiarski's Rocket Stove Principles
Dean Still, April 2002
 より、引用。

このあと、ロケットストーブの原則(10項目)という、また興味深い文が続くが、これについては、今後も考察していくであろうから、またの機会に。

追記 先ほどのアプロヴェチョのウィキペディアに、訳文はのっていた。

アプロヴェチョ ストーブ設計の10原則の項

鬼火焚きはファイアードラゴン、の巻。

さてさて、全国のパイロマニア(炎マニア)の皆さん。

お待たっせいたしもした。

1月11日に鬼火焚きの櫓についに点火いたしました。

しのごのいいません。写真を見てくいやったもんせ。

今回は少しだけいつもより、画像サイズ大きめ、写真多めで行きもんど!(鹿児島弁)

点火!
村の消防団も待機して、準備万端体制。
しかし、少々風が出て来た。
大丈夫か?

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燃える燃える。

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火の粉をまき散らしながら燃える燃える。上から灰が降ってきだした。

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そして辺りがすっかり暗くなる頃、ついにファイヤードラゴンがその姿を表した!

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かっけ〜!

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しかし、その勇姿も去り、ついに櫓が燃え尽きる。

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そして残った熾き火でお餅を焼く。でもまだまだ熱い!顔が焼けるかと思うほど。

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この後焼けたお餅を皆んなで少しずつちぎって食べ、今年の無病息災をお願いしました。

その後はお決まりの「飲ん方」

風邪気味だった私も鬼火焚きのおかげですっかり良くなったようです。

焼酎のおかげかも。

では皆さんまた。

*追記 今回のお餅の焼き方について「とんど焼き」に精通している、さる方から指導、が入りました。
この方は今回のお餅の製作者でもあります。
「そもそもこの餅は、手で持って焼くのではなく、竹棹のお尻を地面に突き刺して焼くのである。顔をヤケドしそうになりつつ、がまんして焼くのは、ばかちんのやることだ。そのためにわざわざ竹棹のお尻をナナメに切ってあるのに。
そもそも火がもっと弱くなって、完全熾き火状態になってから焼き始めるものだ。早く焼き過ぎだ。せっかくワタシがついたぷるぷるのお餅が、黒焦げになっちゃったじゃないの!」
と、お怒りでした。
正しいとんど焼きのお餅の焼き方がおわかりになられたでしょうか?
皆さんよろしくお願いいたします。

鬼火焚きの櫓を組む。(大きな火遊びの準備は楽しいぞ!)

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長ーいモウソウ竹を四本結んで皆んなで立てる。

番線でケタをきびって、燃えるものをどんどん詰め込む。

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更にケタを組んでいき、燃えるものを更にどんどん詰め込む。

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更に、竹を周りにたけかけて、完成!

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これでもかという程の量の、燃えやすい竹やら杉の葉っぱを大量に詰め込んだ櫓が見事に出来上がった。

これはもう、燃やすのが楽しみでしょうがない。

作っている人間も皆んな、ちょっと試しに火を点けてみたくてしょうがなかった。

がまん、がまん。

来年1月11日5時半に点火予定。

こいつはすごく燃えるぜ。

クリスマスとレーマー杯。

今年も、うやむやのうちにクリスマスが終わってやれやれ、だ。
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近ごろは子供も、サンタはパパとママ、日本語でいうと、とーちゃんとカーチャンだと、どここらから仕入れてきたらしく、あまり、むやみな要求も言わなくなったので安心である。

しかしながら一応、「サンタの声を聞いて、プレゼントを買っているのよ。」と、相方はゆってるようだが。

むやみにイルミとかはしないが、一応はいつもより、少し、ごちそうが並ぶ。

私はレーマー杯でワイン。つまみは回転焼き。

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ワイングラスの台が、つけ足でなく、ブローフットのものを作ってみたら、意外に簡単だったので、これならブローフットのワイングラスも作れるんじゃないかと、作ってみたらなんとかできた。

一人で作るのにブローフットは意外と簡単にできるようだ。

特にガラス生地が硬いときは、ブローフットのほうが軽く出来ていいのかもしれない。

ただコイル状の紐を巻き付けるのが一人だと、ちょっと気を使う。すぐに冷めて紐が付かなくなってしまうからだ。

DropShadow ~ 20141225a

昔の人も緊張しながら作っていたんだろうな。

今の価格でどれくらいの値段で取引されていたんだろう。

そんな事を考えながら、回転焼きで飲むワインもなかなかなものである。

ロケットストーブの暖かさは? (薪ストーブとロケットストーブの連結。)

さて、今日はちょっと長文を書いてみようと思う。

山の家のロケットストーブの改造も一段落したし、吹きガラスの窯で、薪と炭を使う試みもとりあえず、一段落、という感じで、次の段階へ行く前に、薪、炭の燃焼で、今自分なりにわかってきたことを、まとめておきたい。

1.薪ストーブとロケットストーブは連結できるか?

タイトルに「ロケットストーブの暖かさは?」と付けたとおり、実は山の家に作ったロケットストーブは、とても寒い日に、山の家全体の部屋を暖めるのは、ムリだった。
15畳以上の広さの空間で、床も壁も天井もスカスカで、隙間だらけなのだから当たり前といえば当たり前。

もともとロケットストーブの本にも、ある程度密閉された空間でないとロケットストーブには向いていない、(*1)と書いてあったので、覚悟はしていたのだが、とにかくロケットストーブを作ってみたかったかのだから、少々寒いのは自分は我慢できる。(やせ我慢。)

だが寒い冬の朝、学校に行く子供たちや、冬になると足先がしもやけになる相方の事を考えると、家の中は暖かくしておきたいのである。

で、ふと思いついたのが、フィードチューブ(焚き口の薪入れ部分)を鉄板製の薪ストーブにしてしまえば、直火で暖まるので、今よりずっと暖かくなるんじゃないか?という事だった。

それに鉄板製の薪ストーブは立ち上がりが早い。

(ロケットストーブはじわじわと暖かくなって来るので、寒い朝、学校に行く子供たちの為に部屋を暖めておきたいときはすごく早起きしないといけない。約、1,2時間はかかるか。)

もともと、山の家のロケットストーブは、フィードチューブ内で、ある程度薪を燃やすように作ってある。

フィードチューブの燃焼について。

ならば、フィードチューブを時計型ストーブなどの鉄板薪ストーブにして、今のロケットストーブをそれの煙道としてつなげてしまえば良いではないか?

つまり、こう。

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いきなりの完成形でわかりやす過ぎるが、実はここにいたるまで、かなり苦労した。

自分では、こんな感じで、こんなもん楽勝でできるぜ。あっと言う間に完成さー。と、夕方から山の家に材料を持ち込んで、工事にかかり始め、よっし!夜には薪ストーブでポカポカさー。とにやにやしていたのだが、結局12時になっても、満足に燃えず、寒い体でフトンにもぐるしまつ。

原因は薪ストーブの煙突口をそのまま、ロケットストーブの焚き口(バーントンネル)に繋げようとした事。

これがまさに失敗例。
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鉄板薪ストーブの円筒形の煙道部が、狭くて、高さも高すぎ、空気の流れを遮断してしまい、薪ストーブからロケットストーブへのスムーズな空気のつながりができず、どんな焚き方をしてもロケットストーブに煙が流れず、家の中がケムリだらけになってしまった。もう目が痛い程。

で、新品のストーブを改造するのは気が引けたが、思い切って煙道部を取り外し、四角い穴を開けた!

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そして新しくレンガでバーントンネルをL字に作り直し、耐火断熱レンガを加工。段差、ストレスのない、スムーズな空気の流れを作ってやる事にした。

鉄板薪ストーブとの隙間は粘土に灰を混ぜたモルタルで埋めてつなげる。

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(右側がロケットストーブへの入口、奥が薪ストーブの煙の出口。L字の結合部を裏から見たところ。
点火時にはここから点火し、右側のバーントンネルへの炎の流れを十分に作ってやるとよく燃える。)

これでやっと燃えるようになったのだが、今度は燃え方に難あり。

薪ストーブの扉を閉めて、空気穴をいっぱいに開けて燃やそうとしても、すぐに火が弱くなって、しまいには消えてくすぶってしまう。どうしたらいいのか?

またまたいろいろいじるうち、扉を開けっ放しにしておくと、よく燃える事に気付いた。
しかし開けっ放しだと、煙が室内に逆流してくる。でも閉じたら火が消えそうになる。

こりゃどうしたもんかいのー、と座り込んで考えるに、どうも扉に付いている空気口だけでは、空気量が不足している。という事であろう、との結論に達した。

通常の薪ストーブの焚き方をしているのでなく、ロケットストーブに連結している→ロケットストーブは空気をたくさん吸う→今の扉に付いている空気口は狭い?→ならば空気口を広げてやれば良い。

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こうして扉を半分にカットし、下半分を開けておくことで、ようやく安定して、燃えてくれるようになった。

カット位置を決めるには、扉を全開にした状態で、適当な板を上からシャッターのように降ろしていくと、煙が室内に逆流せず、きれいに吸い込まれてゆくところがあるので、その線でカットした。

上側の小窓にはガラス窓が付いていたのだが、どうやってもここは煙がくるくると対流する位置にあり、すぐにヤニで黒くなって見えなくなってしまうので、あとで鉄板を加工して窓にしてしまった。炎を見たい時は取り外して見られるように。
結果、ガラス窓がいらなくなってしまい、勿体無い事をした。

ま、とにかく、やれやれ、やっと出来た。

メザシを焼いて、ショーチューで乾杯。
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あー暖かい。

2.ロケットストーブに太い薪。ロケットストーブの欠点を解消。

ロケットストーブは大変エコロジカルなストーブだが、欠点もある。

薪をしょっちゅう入れないといけない、暖かさの立ち上がりが遅い(ロケットマスヒーター型の場合)この2つが代表だと思う。で、今回、鉄板薪ストーブをつなげる事でこの2点がある程度、解決できた。

薪は径20センチ、長さ6、70センチぐらいのメガ薪も入るので、突っ込んでおけば世話はあまりいらなくなった。

(薪ストーブ奥からL字に作ったバーントンネル部。炎がロケットストーブ側に吸い込まれてゆく。)

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立ち上がりの遅さも直火で暖まられる所が増えたので、ある程度は解消できた。
ただし、ヒートライザー直下のバーントンネルを十分に暖めてから、火をだんだんと、薪ストーブの扉付近まで、誘導して来ないと、普通の薪ストーブの焚き方にならない所が難点ではある。
そのかわりヒートライザーとバーントンネルが十分に暖まり、ストーブの引きが決まってくると気持ち良いように燃えてくれる。

こうなってくると、薪ストーブ内のどこで火を焚こうが煙は逆流することなく、ロケットストーブに吸い込まれてゆく。

そして、薪ストーブの底から、バーントンネルにかけて十分に熾き火を敷き詰めておくと、ススの出やすい杉などの薪もあまりススを出さずに燃える。熾き火の上でススが燃え尽きてしまうのだ。

この燃やし方は、先日あった地域のもちつき行事のとき、お年寄りの方が、薪かまどで煙をほとんど出さずに、実に上手に火を扱っていらっしゃるのを見て気付いた事だ。
この状態で空気をうまく導入し、ススを燃やし切るような燃焼をすれば、吹きガラス炉の更なる高温化も可能ではないだろうか。

そしてロケットストーブはヒートライザー直下のバーントンネル部が一番温度が上がる事も、先日の実験でわかったし、

一番簡単なロケットストーブの作り方。

これらを組み合わせて炉を作れば上手いこと行くかもしれない気が今している。

3.今回買った鉄板薪ストーブ。

今回も前回、ホーロー製煙突を買った北海道、小樽の「新保製作所」さんの、薪ストーブにした。
名前がヒートエース。鉄板も厚めの長持ちしそうな薪ストーブだ。

このヒートエースの三面ガラス窓バージョンにしたかったのだが、人気らしく、納期が少しかかるようなので、前面扉だけ、ガラス窓のやつにした。
結果、前述したように、ロケットストーブに連結して燃やす私のやり方だと、丁度ガラス窓の高さのところで、煙が対流して、ガラス窓がすぐ黒くなってしまったであろうから、三面窓にしたら悲しかったかもしれない。

新保製作所さん良い会社です。ありがとうございました。

「北の国より愛を込めて、薪ストーブの新保製作所」

そして勝手に改造してごめんなさい。しかし性懲りもなく今度は床下空気導入口を、切り取った煙道部を使って作ろうと画策中です。

さて、お湯も湧いていい感じに暖まってきました。

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最後に、ロケットストーブの本の中から、Q&A "火急”の質問部分を一部引用して、終わりとします。

長々と読んで下さってありがとうございました。

(*1 ロケットストーブ Rocket Stoves to heat cob bildings より引用)

Q1 ロケットストーブはどんな種類の建物も暖められるの?
A1 (前段略) 〜しかしロケットストーブは、様々な種類の金属製ストーブのように、さっと急速には熱を放射しないので、もしあなたが寒空の下、すきま風が漏れる、断熱効果のよくない家に住んでいたら、もっと放射熱を出せる、正面に立って体を暖められるような、他のバリエーションを考えたほうがいいでしょう。

Q2 ロケットストーブの設置に適さない場所とは?
A2  (前段略)〜木工所などの職場では、作業者はほとんど座っていません。こういう場所では、蓄熱する代わりに、たくさんの熱を放射するストーブを使って、ストーブの近くや遠くに移りながら、素早く快適な暖かさが感じられる方が良いでしょう。納屋のようなあまり密閉されていない大きなテントのような生活空間では、ロケットストーブの周りの土が暖められる前に熱を奪われてしまうので、直接ドラム缶の中で、薪を焚き、熱を放射できるストーブとか暖炉の方がいいでしょう。

一番簡単なロケットストーブの作り方。(ポケットロケットストーブ)The simplest pocket rocket stove.

バイクツーリングにも持っていけるコンパクトなロケットストーブ 。耐久性の高いステンレス仕様。

ついに!というか、とうとうここまで来たかという程、超簡単なロケットストーブを作ってしまった。

いや、「作る」という言葉も大げさ過ぎる。

ただ缶の中に煙突を突っ込む、だけである。

外で作業をしていてアラレが降り出し、あまりの寒さにそのへんにあったペール缶に薪を突っ込んで燃やしていたのだが、下に穴を開けていないので、よく燃えない。

そこでふと思いつき、余っていたステン煙突をナナメに突っ込むと!

注意!

煙突を突っ込む時、絶対に煙突を覗き込みながらしないで下さい。

ヤケドします。

 

pocket rocket 2014a

急にすさまじく燃え出した。

もうびっくりするほど燃えるのだ。

すさまじい勢いで煙突が火を吸い込み、赤い炎がまさにロケットの発射のようにゴウオーと音を立てて吹き出す。

不用意に覗きこむと顔をヤケドをするオソレがあるだろう。

煙突をナナメに突っ込んだ事で、底に隙間ができ、そこから空気が勢い良く(薪の間を通って)吸い込まれる事で、このように強烈な燃焼が起きたのだ。

さらに吸い込まれる空気は、燃えている熱い薪の間を通る事で暖められ、効率よく燃えるのだろう。

とにかく、すごい!の一言である。

こんな単純な事をどうして誰も思いつかなかったのだろう。

ガソリンスタンドでペール缶をもらってきて、ホームセンターで煙突を買ってきて突っ込むだけである。

お金が勿体無い、という人はモウソウ竹の節を抜いて、突っ込んでもいいだろう。

効果の程を見るには十分だ。ペール缶の底に穴を開ける必要もない。とにかく加工は一切必要がないのに、これだけ劇的に変わるのだからビックリする。

ぜひ騙されたと思って、一回やってみてほしい。

ちなみにロケットストーブのマニュアル本に出てくる「デトロイタス」製のポケットロケットは、元祖、単純構造ロケットストーブだが、それでも、穴を開けたり、とかの加工はしたようだ。

絵で描くとこんな感じ。

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私のロケットストーブ、「私の」というのもおこがましい気がするが、

最後には煙突の根っこ部分が真っ赤になってきた。

これはつまり、ロケットストーブの燃焼はバーントンネル部分の、空気を取り込みつつ燃焼して、排気されていくヒートライザー直下が一番温度が上がると言う事の証明だ。

そして、燃えている薪の間を通り、空気が暖められてバーントンネルに向かうと言う事は、一次空気がすでに暖まっているので、更に良い燃焼を生む事になるんだな。

実に上手い具合にやっている。

完全燃焼に近い燃焼をするというのもうなずける。(竹や杉などの油分の多いものはさすがにススが出るが。)

これをうまく利用すれば高温の炉の設計もできるのではないだろうか。

このやり方は構造が超単純なだけに、ロケットストーブの燃焼のしくみを捉えるのには最適であった。

外で、寒い思いをしながら作業している人にぜひ試みてほしい。

ペール缶でなく、ドラム缶ならば更に暖かいと思う。

pocket roket b

ついでに動画もつけてみた。短いのでまあ見てくんさい。

「デトロイタス」〜道路脇などに廃棄された車・車の部品などの山。私たちの車社会・移り気な消費社会の残余物。

追記 その後、ステンレス缶と、厚め(肉厚5ミリ、内径110ミリ)の鋼管で同じ事をやってみたが、なかなかうまくいかなかったので、理由を考えるに、・・・

ロケットストーブの点火の絶対条件。A necessary reguirement of RocketStove ignition