さよなら福山、またくるけん。

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福山詰めを終わり、田原坂を越えて鹿児島に帰る。

今回、できれば二の丸を攻め落としたかったのだが、物見櫓を奇襲して、一時的宴会を張り、直ちに撤退という感じだった。

え?なんだかよくわからない。という方の為に、他の例でいうと、

大阪城の外堀を埋めようとしてたら、見張りに見つかってとりあえず、おしっこして帰る、という感じ、かな?

 

実は私、以前福山にいて、一回も福山城に登ったことがない。

福山という街、知っているようで、実はよく知らなかったのだなあ、と感じている。

まあ、そうゆうことで、最後は、知人のおすすめ、又来軒(ゆうらいけん)のスペシャルモヤシラーメン定食を食べる。

おいしい!安い!お腹いっぱい、で言うことなし。

ありがとうございました、又来軒。

 

 

 

ヒンプの差が如実に見える展示会とは?

福山天満屋展も明日までとなり、いろんな方々が見に来てくださったので、なかなか面白い会になりました。

わざわざ、足を運んで下さった方々、ありがとうございました。

ところで、福山天満屋の展示会場は面白い作りになっており、小さな会場と、大きな会場がくっついていて、それぞれ行き来できるようになっています。

で、今回は私は小さな会場におり、大きな会場では人間国宝展をやっております。

 

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で、その価格が半端無い、下3桁ない価格なので、びっくりです。

ほとんど全て1,000,000円超え!

これなら一個売れただけで軽く私の売上をオーバーします。

なんかうらやましい。

 

いや、ま、商売はコツコツ、明日があるさ、の心意気です。

という訳で、明日もお待ちしております。

まだ来ていない方も、すでに来られた方も、ヒンプの差を見に、ぜひ明日いらして下さい。

ではでは。

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新入社員気分も楽しい通勤路。

さて、福山天満屋から、ホテル・ロイヤル間の通勤も、4日目となると余裕が出てきて、近道を探したり、なんか面白いもんはないか?と、寄り道したりし始める。

まるで新しい職場に就職したかのようなこの通勤路が、個展の時の一つの楽しみである。

 

それで、つい離れた所に宿を取って、散歩しながら通勤するのが楽しみなのだ。

で、今回の、面白いものの一番がこれ。

 

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崩れそうな小屋に、エントツ!

もうグッと来ますな。

特にこの瓦のすべり具合がとても良い。

どうしておんぼろ小屋にはエントツがこんなに似合うのでしょう。

すばらしい小屋です。

 

ま、しかし。

お前はボロ小屋にしか興味が無いのか?

と思われるのも、しゃくなので、もひとつ、よかったものを。

フォルクスワーゲン、UP!

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この車、久しぶりに乗ってみたいと、思わせる車です。

シンプルだけどおしゃれで、走りもワーゲンの特徴のカッチリとした足回りで、高速でも、街中でも楽しく走れそうな感じ。

日本車はハイブリッド全盛だけど、車はやっぱり、「この車で、どこかに行きたい!」「ドライブしたい!」という車がいいな。

 

 

 

グラス、グラス、グラス。

展示会も三日目となると、ちょっと疲れが出てくる。

なにせ、いつもと違うことをしているので、体が慣れてくるのが三日目くらいになるのだろう。

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それで、眠くてしょうがなかったのだが、今日は私の吹きガラスの師匠の奥さんと、ギターの師匠がいらしてくれたので、元気が出る。

吹きガラスの師匠は、本当にこの人がいなかったら今の私もいなかっただろうというほど、人生の師匠であり、深く恩義のある人である。

そして、ギターの師匠はこの人との出会いがなかったら、妻との出会いもなかったという、不思議な縁のある人である。

ギターの師匠が、焼酎のお湯割りを飲む、ということで、買っていただいたグラス。

けっこう入るので、あまり飲みすぎないで下さいね。

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「今日も先生と呼ばれて年をとり」

ガラス作家というか、いわゆる「作家」と付く仕事の場合、作品を作っている日常生活と、その作った作品を売りに行く、「展示会」との差がはげしい。

なにが激しいかというと、一番は服装である。

いつもは穴のほげた、ボロボロの作業服を着て仕事をしているのだが、展示会などはデパートとか、なんとゆーか、ちょっと肩のこるところに、詰めないといけない。

それでまあ、それなりの服を着る訳で、めったに着ない服をタンスの中から取り出す事になる。

 

めったに着ない服を着ると、肩はこるのだが、以外に良い点もある。

 

まず、めったに着ない服なので、長持ちする。

作業服のように毎日着る服だと、とても気に入っているのに、毎日着てるから、悲しくもボロボロになり、ウエス行きとなる。

ところが、展示会用の服はせいぜい、年間数十日しか着ないので、とても長持ちする。

これは経済的に大変うれしい。

さらに余禄。

尻ポケットに入れたまま、洗濯した紙のお金が、かちかちに化石化して出てくることがある。

これは経済的、(特に個人経済的に)大変うれしい。

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そしてなんか使うのも、もったいない気がするので、また大事にポケットにしまうのである。

 

 

これから一週間ホテル暮らし。

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10数年ぶりの福山市。

鋼管町から朝日が昇る。

鹿児島、大阪間の新幹線が、必ず止まるのは、ここ広島県の福山市と、わが町、鹿児島県、薩摩川内市だと聞いたことがあるが、本当だろうか。

理由は、福山市には、西日本鋼管があり、薩摩川内市には原発があるから。

両市とも、日本のリバプール、と私は勝手に思っている。

 

ま、とにかくホテルにチェックインして、私のいつもの癖で、部屋のテレビや、冷蔵庫や、電気スタンドを動かして模様替え。

テレビは見ないので、隅に押しやり、テーブルの上を広くする。

ホテルにテレビがあると、無駄にボーと見てしまい時間があっという間に過ぎるのを予防するのだ。

これで自分の部屋という感じになってきた。

出て行くときは、元の位置に戻しますから、勘弁してね、お掃除のおばちゃん。

 

こんなところに床屋が。

こんなところに床屋があるぞ?

というところに床屋があって一回行ってみたいと思っていた。

行ってみたら、大当たりだった。

 

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「よい床屋を見つけるのは、良き伴侶を見つける事と同じく、幸せをそなたに運ぶ。」

と、だれも言ったことがないが 私は言いたい。

 

チョキチョキと髪を切る音が心地よい。

おじさんはハサミもバリカンもカミソリもご自分で研がれるそうで、切れ味が絶妙なのである。

カミソリは一番研いだところから、少し刃を甘くするそうで、それで剃ったあとはヒリヒリしないのだ。

と言われ、久しぶりに伸ばした髭を剃ってもらう。

 

確かにヒリヒリしない。

だか、家に帰ったら、「つるつるが気持ち悪い」「お面かぶっているみたい」「こっち向かないで!」とさんざんだ。

ま、よい。自分が良ければ。

で、さっぱりして、広島県福山市の天満屋で22日から展示会。

その頃には少し髭も伸びてると思う。

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ガラスの神様の好きなものは?ガラス窯で焼いたらいけないものは?

ガラス窯の火を落とすと、急にガラス小屋の空気が寒々として、どこかそっけなくなる。

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ガラスの神様がいなくなるのだろうか。

せめて少し残った余熱で、お湯を沸かして、コーヒーを淹れることにする。

ガラス炉の熱を利用して、給湯に利用したり、パンを焼いたり、お芋を焼いたりできるのだが、今はせいぜい湯たんぽのお湯くらいにしか使っていない。

昔のガラス職人は、お昼休みになると、窯の前に魚を焼いてお昼のおかずにしていたそうで、私もそれに習って、修行時代、窯焚きで泊りの夕御飯は、アルミホイルにサンマを包んで窯の前で焼いたりしたものだ。

魚は良いが、なぜか「四足」は焼いたらいけないのだ。

と、昔大阪のガラス工場にいたことがある師匠が教えてくれた。

なぜかは解らない。

私が思うにガラスの神様は、ケモノに近いのではないだろうか。

職人もケモノに近いときがあるからなあ。

 

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やっと一ヶ月めになった。

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前回、「燃料代が月20万」とか書いたが、なんか低すぎるような気がして、もう一回、正確に計算し直してみたら、月25.5万だった。

私が独立した2000年の頃は、灯油がリッター41円で、それが今はリッター100円。

約2.5倍だからこの計算で合っている。

あんまり高いので、正確に計算するのもおとろしい。

 

とにかく、とりあえずは連続一ヶ月吹き続けたので、あとは作った製品の最終仕上げと、荷造りをして、広島に行く。

やれやれ。

言い訳になるけど、今は静かな異常事態です。

さて昨日、ぎりぎりモードに突入していることを書いたけど、まあブログを書く余裕は出てきたので少し嬉しくなっている。

言い訳になるが、こんなにギリギリになって、個展の作品を作っているのは、今の異常な燃料高が原因である。

私のガラス窯は、燃料に灯油とガスを使っている。

この写真の左側が作業炉でガスバーナーを焚いており、右側がガラス熔解炉で灯油バーナーを焚いている。

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こんだけ真っ赤に焼けているので、当然燃料を食う。

今、ウチの窯で燃料代は月に約20万円かかっている。

知らない人は「へーそんなもんか」と思うだろうが、昔、と言っても約10年前は、月に8万円もかからなかったのである。

つまり、20万円の資金があれば、軽く二ヶ月以上、窯を焚けた訳で、ひるがえって20万円で一月しか仕事できない今の状況は、大変苦しい。

で、下手に火をつけると、まさに燃えるようにお金が消えてゆくわけで、やむを得ずギリギリまで仕事を先延ばしし、短期決戦で一気に作ることになるのである。

当然、体にも悪いし、家庭にもよくない。

しかし、異常事態とあきらめるしかない。

 

多分、この寒い夜に日本全国のどこかで、灯油ストーブのタンクに燃料も入れられず布団にくるまっている人もいるだろう。

何も文句も言えずに。

静かな異常とはそのようなものだろう。

 

どこかで人が静かに死んでゆく。

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