言い訳になるけど、今は静かな異常事態です。

さて昨日、ぎりぎりモードに突入していることを書いたけど、まあブログを書く余裕は出てきたので少し嬉しくなっている。

言い訳になるが、こんなにギリギリになって、個展の作品を作っているのは、今の異常な燃料高が原因である。

私のガラス窯は、燃料に灯油とガスを使っている。

この写真の左側が作業炉でガスバーナーを焚いており、右側がガラス熔解炉で灯油バーナーを焚いている。

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こんだけ真っ赤に焼けているので、当然燃料を食う。

今、ウチの窯で燃料代は月に約20万円かかっている。

知らない人は「へーそんなもんか」と思うだろうが、昔、と言っても約10年前は、月に8万円もかからなかったのである。

つまり、20万円の資金があれば、軽く二ヶ月以上、窯を焚けた訳で、ひるがえって20万円で一月しか仕事できない今の状況は、大変苦しい。

で、下手に火をつけると、まさに燃えるようにお金が消えてゆくわけで、やむを得ずギリギリまで仕事を先延ばしし、短期決戦で一気に作ることになるのである。

当然、体にも悪いし、家庭にもよくない。

しかし、異常事態とあきらめるしかない。

 

多分、この寒い夜に日本全国のどこかで、灯油ストーブのタンクに燃料も入れられず布団にくるまっている人もいるだろう。

何も文句も言えずに。

静かな異常とはそのようなものだろう。

 

どこかで人が静かに死んでゆく。

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早くも梅雨入りしたそうで。壷変え中です。

なんか蒸し暑くて涼しい風となま暖かい風が交互に吹いてると思ったら、梅雨入りしたそうです。

どよーんとした空気。

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昨日から降る振ると言っていた雨が今朝になってようやく降り始めました。

 

小屋の改造も一段落して、壺換え中。

今回は白い断熱レンガを鏡オモテの煉瓦積みに使ってみる。

加工がしやすいので、熱にやられずに持つのならめっけもんだ。

窯の中に入れておけば焼き物のゼーゲルコーンのように耐火度がわかるのだが、それは次回に。

と、ここに書いておけば忘れないだろうと書いたのだけどどうかな。

念の為、もう一度。

「次の壺換えの時に窯の中に断熱レンガを入れること。」

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小心者もののシャチョウには休むのにも勇気(とお金)がいる。

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このところずっと休みなしである。

灯油の値上がり分を少しでもカバーしようとして、最近はずっと一旦窯に火を入れると何か用事があるかあるいは疲れきって体がイゴかなくなるまでずっとガラス窯の前にいる。

「たまには休みをとるか?社長?」

という声も頭の後ろで聞こえるが、休んだら一日六千円の灯油代が飛んでいくので、小心者もののシャチョウには休むのにも勇気がいる。

江戸時代の職人は盆と暮ぐらいにしか休みがなかったそうで、「エドジダイ、エドジダイ、」と念仏を唱えながらガラスを吹いている。

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性格というものはつくづく仕事場にも現れるものだ。

性格というものはつくづく仕事場にも現れるものだ。と今回つくづくと思ったことである。

鹿児島で個人でガラス工房をやっている人たちのビデオをDVDに焼く作業をしていてやっぱりつくづく思ったのである。

出来上がった作品にも当然その人となりが現れるのだが、その作品を生み出す工房にも個性が現れているのだ。

そして、それぞれの工房にはそれぞれにガラスの神様がいらっしゃる。

夜中にガラス工房にいると本当にそう思う。

神様もいろんな性格なのだろうと思う。

(吹きガラス製作中のこのDVDは和紙ギャラリーで開催中の鹿児島のガラス作家五人展で見ることができます。見たい作家をリクエストして見ることも可、ですのでスタッフの方にお声をかけて下さい。)

NEWS! 鹿児島ガラス作家5人展、開催中。4月14日(日曜日)までです。お早めにどうぞ。
(ガラス工房 ウェルハンズ)

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(宮澤ガラス工房)
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(グラススタジオ テーゲー)
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ノコギリで切れるレンガもあるのだ。

最近もらいものの多いモリナガですが、またもらいました。

今回は、ドーン!とパレット積みレンガを大量にもらいました。

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ほとんどが軽い断熱レンガです。

レンガには稠密で重たい「耐火レンガ」と、発泡スチロールのようにスカスカで軽い「断熱レンガ」とその両方のいいところをとった「耐火断熱レンガ」があります。

このうちスカスカで軽い断熱レンガは、スカスカとノコギリで切ることができます。

このように目の粗いノコギリでいくらでも好きな形に切る事ができるので、窯をつくるときには重宝します。

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ただ直接火の当たるところに使うと、侵食されたりしてすぐボロボロになってしまうのが難点なのですが。

まあこんだけあれば、いくらでも実験できるので、次回改造の時に使ってみるつもりです。

グラスウールも断熱性は高いのだけど、断熱レンガのほうが粉塵が出にくい点で、安心感がありますね。

 


 

ガラス窯の温度は温度では測れない熱度の問題なのだ

今度の窯は燃費がいいなあ。

と喜んでいたらなかなか温度が上がらず、ガラスが硬い。

エアーを強くしたり、二次空気の流入がよくなるようにファンを付けてみたり、ダンパーを開けてみたり、いろいろやってみるが、万策つきる。

温度が低いままだとガラス生地の表面に結晶化した膜ができてしまう。

「結晶」というとなんかきれいなようだが、実際は小麦粉を混ぜそこなった「ダマ」のようなもので、少ないと生地のテクスチャーにもなるが、多すぎると汚くなってしまう。

吹きガラスの生地でいろいろとトラブルが起きるときは「とりあえず温度を上げればなんとかなる」のは経験上わかっているのだが、今回は、温度を上げようと油を出してもススが出るだけで、きれいに完全燃焼しない。

これはもう窯内部のレンガの置き方や、ルツボへの火の当たり方が根本的に問題なので、もうどうしようもない。

あとはもう一回バラしてやり直すしかないか。と諦めかけたが、最後の手段、バーナーの向きを変えてみることにした。

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結果、まあなんとか普通に仕事できるレベルにはなった。

しかし、まだ「ダマ」が多いので、スキミしながらの作業になる。

キビシイ。

春寒

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「春寒」

春なのに寒いからなのか、春の別れの心寂しさを言ってるのか、あるいはどちらもか?

好きな言葉です。

さて、

熱上げも順調に行っております。

こんどの窯は小ツボの上がりが良いようで、色が全然違います。

これで小ツボのガラスが巻きにくくて困る、事もなくなり良いことです。

しかし、あんまり温度上がりが良すぎても今度はすぐにツボがいたんでしまうので、一長一短ですね。

 

春とはいえ、こちらもまだまだ風が冷たいですが、園芸屋さんでは、もう苗を売っているので、キャベツとブロッコリーの苗を買ってきました。

いっしょにリンゴの苗も。

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やっぱりなんか実のなる木を植えると、楽しみなものです。

ちまたでは日本デフォルトに備えて、紙幣を硬貨に変えている用心深い人もいるとか。

硬貨のほうが潰せて利用できるので、紙のお金よりは価値が高いのだそうです。

それよりもやっぱり食物のほうが確実ですね。

でもリンゴって何年でなるのだろう?

改造窯始動準備OK

やっとこさ窯の改造が終わる。

今回はとにかくハツリ作業が多くて、粉塵まみれになった。

壺が割れたのだから仕方ないが。

ついでに小ダルマの内部をグラインダーで削りまくり、少々の大きさの皿鉢くらいなら作れるようにする。

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良い感じの大きさになったが、削りながら粉塵を掃除機で吸い込んでいたら、「キュイーン」という音とともに掃除機がお釈迦になる。

人柱ならぬ、掃除機柱だ。

あとは、断熱をして完了になる。

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断熱をしないほうが、このようにレンガが見えてかっこいいのだが、私の作業場は狭いので断熱をしないと夏場はとても辛すぎる。

で、グラスウールを入れて、トタン板でおさえる。

カッコ悪いので絵を描いてみたが明らかにごまかしぶりがわかってかえってひどくなる。

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10年日記

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子供が学校の宿題の日記に「なにを書こう?」と悩んでいる。

「そんなに毎日、日記書かんでもいいよ、とうちゃんなんて最近全然書いてないし」

と、久しぶりに10年日記を開いてみたら、意外とちゃんと書いてあるので、親子でびっくりする。

年によって3,4ヶ月書いてなかったり、半年書いてなかったりといろいろだが、どのページにも一応なんか書いてある。

10年日記の良いところは数年前のこの日に何をしていたか一目でわかるとこだ。

たとえば2年前は「ねる」とある。次の日も「ネル」なので、おそらく風邪で寝込んだのだろう。

日記を書く元気があったのには感心する。

 

そして2008年の今頃からじわじわと灯油価格が上がり始め、この年には窯を基礎だけ残して築き直す大改造をしている。

上がり続ける灯油代に対応すべく、窯の燃費節約をねらってのことだ。

ついでに、より良くさましが効くようにダブルサマシ、つまりさまし炉を2つ作り、「今日はこっち、あしたはこっちのさましに入れる。」ことができるようにした。これでだいぶ仕事もやりやすくなった。

だが、改造が終わってガラスを作り始めた春から夏にかけ、さらに灯油価格は上がり続け、7月22日にはリッター当たり120円にまで高騰している。

今、上がってもリッター100円程度なのは、この時に「消費者の堪忍袋の緒」の切れぐあいを試したのではないか?と勘ぐりたくなる。

でもまだこのころは原子力発電所も爆発しておらず、平和な時代ではあったのだ。

このころからどんどん悪くなっていった。

10年日記をつけているとこのように時代の流れがよくわかって、すばらしいものである。

しばらくつけてなかったけど、また書き始めようと思います。

(終)

作業灯にはLEDがいいかも

さて窯を改造中なんですが、ようやく佳境に入ってきました。

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そして以外と活躍しているのがLED作業灯です。

小さなバッテリーと、車のストップランプ用の、LED36連という12V用のものを2つ使って作業灯を作ったのですが、かなり明るいです。

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LEDの青っぽい光は冷たいので、くつろぐのには向いていませんが、作業用には、仕事中、という感じがしてけっこういいです。

この作業灯は、私のお気に入りで、冬の今の時期は夕方すぐ暗くなってしまうので、こいつをひょいと持っていって、木の枝に引っ掛けて、外の作業中にも使っています。

LEDの光は冷たすぎますが、たそがれの柔らかな光の中にあると意外に良い感じで光ってます。

バッテリーがなくなって来たら、太陽光パネルにつないで充電します。

小さなバッテリーなので、晴れた日なら一日で充電してしまいます。