言い訳になるけど、今は静かな異常事態です。

さて昨日、ぎりぎりモードに突入していることを書いたけど、まあブログを書く余裕は出てきたので少し嬉しくなっている。

言い訳になるが、こんなにギリギリになって、個展の作品を作っているのは、今の異常な燃料高が原因である。

私のガラス窯は、燃料に灯油とガスを使っている。

この写真の左側が作業炉でガスバーナーを焚いており、右側がガラス熔解炉で灯油バーナーを焚いている。

mo_20141122

 

 

 

こんだけ真っ赤に焼けているので、当然燃料を食う。

今、ウチの窯で燃料代は月に約20万円かかっている。

知らない人は「へーそんなもんか」と思うだろうが、昔、と言っても約10年前は、月に8万円もかからなかったのである。

つまり、20万円の資金があれば、軽く二ヶ月以上、窯を焚けた訳で、ひるがえって20万円で一月しか仕事できない今の状況は、大変苦しい。

で、下手に火をつけると、まさに燃えるようにお金が消えてゆくわけで、やむを得ずギリギリまで仕事を先延ばしし、短期決戦で一気に作ることになるのである。

当然、体にも悪いし、家庭にもよくない。

しかし、異常事態とあきらめるしかない。

 

多分、この寒い夜に日本全国のどこかで、灯油ストーブのタンクに燃料も入れられず布団にくるまっている人もいるだろう。

何も文句も言えずに。

静かな異常とはそのようなものだろう。

 

どこかで人が静かに死んでゆく。

mo_20141121

仕事のしすぎが基本・・・・になってしまった。

mo_20141112

 

 

 

 

 

 

 

 

 

去年の年末に窯に火を入れて、ずっと吹いている。

今月末に広島で個展があるので、その為の作品をギリギリで作っているのである。

ここまでギリギリだと、小便をおもらししたくなるくらいの恐怖を感じている。

頭の中では「どうしよう、どうしよう」という言葉がぐるぐる回っているだけで、どうしようもない。

 

娘は冬休みの宿題を、学校が始まった今頃からやっているが、本当にこやつの度胸がうらやましい。

mo_20141111

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうしよう。

お花の上手な生け方。

自分が花瓶を作っているのだが、花を活けるのはさっぱり上手くならない。

花など投げ込んでそれでよし、としているから上手くならないのだろう。

しかし、やっぱり上手い人に活けてもらうと、器も引き立つのでうれしい。

mo_201310182

あんまり上手いので、ちょっとコツを教えてもらったら、

「面と線で活けていったら良い」とのこと。

つまり、葉っぱが面、茎が線で、それのメリハリをつけて活けたら良いのだそうだ。

なるほど、言われてみれば確かにそうだ。

そして、花を点にして、目を引くポイントを作るという事なのだろう。

 

次の写真はその法則に基いている典型的な例。

mo_201310181

国東半島ギャラリーめぐりもあと、2日。

今日は雨だけどお花と、花瓶を見に、涛音寮にお越しください。

お待ちしております。

 

 

はてな?な小屋と夢に出てきそうな小屋に会う。

よその土地に行くと、これは一体なんだろう?

という建物や、あとあと夢に出てきそうな、ちょっとこわい景色に遭遇する。

その遭遇度が多いほど、よそに来た感じがしていいのだが、国東半島はその度合が高い。

だいたい度合いが高いところは、コンビニ率の低いところが多いのだが、いま来ているこの辺はコンビニ率ゼロという、すばらしい条件。

なので、?な建物も多いようだ。

ちょっと回っただけで色々収穫があった。

mo_201310152

 

 

 

 

 

 

 

 

 

多分何かを大量に干すために作られたと思われる小屋。

風通しを良くするためであろう、トタン板が四角く開けてある。窓はないのだ。ただ四角く開けてあるだけ。

しかし、屋根までこのように開ける必要があるのか?

それとも台風で飛んでしまったのだろうか?謎である。

20131015a

 

 

 

 

 

 

 

 

 

緑の怪獣のような物体。

20131015b

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これはひょっとして、わがツタ小屋の未来の姿では?

と裏に回ってみると、やっぱり小屋だった。

いや、家だったのかもしれないが。

ここのツタの良い所はいろんな種類のツタが混ざり合って絡んでいる所で、これなら冬になっても緑が残っていいなあ、とうらやましくなった。

mo_201310154

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、次のこの小屋はどう考えても何なのかさっぱり解らない。

こんな小さな小屋にどうして、でかい立派なエントツが二本もついているのだろう?

いったい、何を焼いたり、熔かしたりする必要があれば、こんだけのオーバークォリティのエントツが要るのだろう?

と、小屋好きのガラス作家としてはとても気になる。

いやそもそもエントツなのか?

何かの柱がたまたま小屋にかかっただけのことなのか?

わからん。

夢に見そうである。

mo_201310155

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

更に国東半島の山中に行くと、こんな所が、あった。

mo_201310156

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前のエントツ小屋とダブルで夢に見そうだ。しかも風邪をひいた悪夢のとき、汗びっしょりかいて。

 

で、こんなトンネルから、必死で走って逃げようとする夢なんだろうな。

mo_201310157

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

国東半島は、中心から数多くの山脈が、なだらかに放射状に海に向かって延びている。

なので、海沿いをぐるっと回る国道は、その数多くの山脈をくり貫いて走っているので、トンネルがやたらとある。

で、古いトンネルはこのようにちょっと暗い。

昔のトンネルは暗かった。

このトンネルはまだ水銀灯が点いてるからいいが、灯りなど何もない真っ暗なトンネルの中をバイクで走った事を思い出す。

 

まだまだ、面白そうな国東半島である。

 

 

灰色の山肌になって、夕日を浴びる桜島。

鹿児島市に来ると桜島がとても元気なようで、桜島周辺の人々は灰にまいっています。

車をきれいに洗ってもすぐ灰まみれになるし、灰が侵入してくるので家の窓は開けられないし、洗濯物も外に干せません。

2013928ac

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マルヤの屋上へ夕日を浴びてる桜島を眺めに行ったら、山肌全面灰色になっていました。

「こりゃかなり降ったな」

皆んな、まいったまいったと言いながら、なんとか暮らしている訳で、よその人から見たら、

「よくあんなところに住んでるなあ」

と思われるでしょうが、私の街には原発があって、鹿児島市の人から見ると、よくあんな原発の近くに住めるなあ、という感じで、どっちがマシかとゆうと、桜島のほうがまだマシかと思います。

見てて美しいし、桜島は人間が住む前からずっとどーんと立ってる訳で、ヒトが文句を言うスジアイはありません。

反して原発は見て美しいとも思わないし、いらん人間が、いらんものを作っただけで、まったく余計なものを喜んで作ってくれたものです。

さて、展示会も後半に入りました。

こんな感じで展示しております。

2013928a

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日は私が子連れで行きますので、まだ来られていない方も、一回来られた方もぜひいらして下さい。

展示会の様子はこちらの、エムズギャラリーさんのブログからもご覧いただけます。

いろんな作家の展示会を開催するごとに記事をアップしていらっしゃいますので、参考になるし、面白いブログです。ぜひ見て下さい。

では。

エムズギャラリー(マルヤガーデンズ3階)

 

メイキング・オブ ザ ディーエム、あんど、ガラスの撮影のコツについて

展示会の葉書を自分で作ることが出来るようになったけど、いい事ばかりではありません。

まず、当たり前ですが、時間を取られること。次にボツが多くなるのが問題。

すぐ変えられるので、ダメ出ししては、ボツにする。

たとえば今回製作中の葉書。

「もういいかげん、作品がばーんと載ってて、いかにも展示会ですっ!ちうのは、ハガキ貰う人も飽きてるだろうから、今回はオレの写真を全面にばーんと出したのにしよう!」

と私。

2013923a

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この画期的作戦は、

「あなたの写真で人が来る訳ないでしょ。」

と、相方にあっさり却下される。

ねばったがダメでした。。

次に我が家の愛玩猫の「くまち」が私のガラスの器で、美味しそうに食事しているところをフューチャリングしてアップしようとしましたが、ギャラリーオーナーの、

「猫が嫌いな方もいらっしゃいますから・・・」

と、これも却下。

DSCF2578

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

多分「猫嫌い・・・」はうまい言い訳を思いついたからそう言われただけで、おそらく、私があらぬ方向に暴走しそうな危険性をいち早く感じ取られたもの、と推察されます。

最後は私がプロ並みの撮影テクニックを発動させ、一気撮りを敢行。

ま、やっぱりこんな感じが無難なんですな。

 

2013923bb

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さてここで、

ガラス作品の写真撮りちょこっとアドバイス。

ガラス作品を撮影する時、マクロモードを使って撮りがちですが、マクロモードだと、レンズに近いところだけ大きく撮れてしまい、作品のフォルムを崩してしまいます。

で、この場合、望遠レンズを使って、かなり離れて撮るのがいい感じになるのです。

この写真で、2メートルぐらいは離れて撮ってます。

望遠を使うことで、背景がボケるのも、メリットです。

あと、ガラスは逆光気味で撮ると透明感が出ます。

順光で、たとえばフラッシュなどを前から当てるとガラス表面がテカテカなってよくありません。

逆光で撮るので、露出は2から3段階くらい、オーバーにして、明るめに撮ります。

そうすることで、背景が白飛びになり、作品を際立たせることができます。

 

しかしながら自宅撮りだと光のコントロールが出来ないので、季節が写真に出てしまい、一回使った写真は季節が変わると使えなくなるのが残念なところ。

例えば春に撮ったこの写真。いかにも春の空気でしょ?

2013922c

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回の写真と比べて見ると、季節の違いがよくわかりますね。

プロみたいに、スタジオで撮影したら、写真の使い回しができるのになあ。

ということでDMの完成形は、私のホームページをご覧下され。では。

私的な詩的吹きガラスたち http://wp.me/p2DQZn-bn

 

不動のFマウントは今だに健在だった。えらいぞニコン!

また嵐の春の一日。

今年はこんな日がとても多い。

201346b

 

 

 

 

 

 

 

 

ガラスの写真を撮る時、オートフォーカスだとピントが合いにくい話を書いたが、結局どうやってピントを合わせたかというと、ピントを合わせたい所に、そのへんに転がっていた紅茶の空き箱を置いて、ラベルの文字をカメラに認識させ、ピントを合わせる。そしてセルフタイマーにしておいてシャッターを切り、セルタイマーが落ちるまでの間に、紅茶の空き箱をとって写真を撮る。

というめんどくさい方法でDMの写真撮りをしたのである。

数枚撮るたびにパソコンでちゃんとピントが合っているか確認しつつやったので、半日で済ませるつもりが一日仕事になってしまった。

ガラス炉には火が入ったままなので、ムダなことをしてしまった。と、かっくりくる。

「やっぱり一眼レフがいるかなー。でも金ねーし」と、何度めかのため息をつきつつ、ぼんやり考えていたら、ふと思いついた!

「ニコンの一眼レフカメラなら、昔のレンズが使えるんじゃないか?」

つまり、こうゆうことだ。

「今のニコンのデジタル一眼レフカメラのボディだけ、中古で買って、レンズは自分が昔から持っているフイルム一眼レフカメラのものをつけたらいいではないか!

ニコンがデジタルの波ニモマケズ、不動のFマウントのままであれば、デジカメにフイルムカメラのレンズが付くはずである!」

そして、

多分、今のデジカメはコンパクトデジカメが主流で、一眼レフカメラはあまり人気がない。人気はないが、技術はどんどん進んでいるので、各会社とも競って新製品を出している。ニコンの型番がどれが何なのか分からんほど、ごちゃごちゃ出てるのがその証拠だ。

どんどん新製品を出すということは、スペックの高かった新製品がすぐに型落ちになり、陳腐化するということである。

陳腐化するということは、中古品が安く出まわっている筈だ。

たとえ型落ちとはいえ今のデジタル一眼レフの性能ならば、家でDM用の写真を撮るくらいなら必要にして十分なスペックであろう。

と、ここまで思いつきグーグル君に聞いてみると。

さすが、ニコン。

不動のFマウントは今だ不動。

ユーザーがどんだけ、「あなたについていきます!」と言うだろう、ってことですな。これが企業倫理ってものだ。

うそとごまかししかやらないどっかの電力会社はぜひ見習っていただきたいもんだ。

まあ膨大なニッコールレンズのコレクションユーザーがいた訳で、デジカメになったとたんにその財産がゴミ箱行き。ならどんだけ怒るか?というのもあるけど、そのレンズがたとえオートフォーカスや、自動露出はできなくとも、最新のデジタル一眼レフにぴったり入れ込むことができるちゅうのはいい話だ。

201346a

 

 

 

 

 

 

ピントはファインダーで合わせればいいし、露出は大体経験でわかっているし、シビアに測るのならもう一台のデジカメで、露出を測ればいいのだからノープロブレム。

 

ま、以上の視点でデジタル一眼レフカメラ中古市場をみてみると、まさに宝の山。

ざっくざっくですな。

2,3万出せば型落ちの20万スペック品があることあること。

もうどれがどう違うのか訳がわからん。

 

あとはあこがれのRAW現像ができたらよし。

 

 

 

 

 

 

やっぱりガラスの写真はむずかしい。

あったかくなると、やることが色々多くなって大変忙しい。

ただでさえ、ガラスは暖かくなるとよく出る性質を持つので暖かくなると忙しくなるのだが、暖かくなると草は生えるし、苗は植えないといけないし、コタツは片付けないといけないし、と大変忙しくなる。

今日はDM用の写真を撮ろうとしたら、ピントが全然合ってなくてがく然とする。

今のカメラはオートフォーカスが当たり前というか、マニュアルでピントを合わせる機能がついていないのが当たり前だ。

このオートフォーカスでガラスにピントを合わせようとすると、ガラスは透明なせいか、カメラがどこにピントを合わせたらいいか戸惑うようで、あらぬところにピントがあって、肝心な物にピントが合わないのである。

やっぱり一眼レフカメラじゃないといけんのかな。

20130404a

 

 

 

 

 

 

 

NEWS! 鹿児島ガラス作家5人展、開催中。4月14日(日曜日)までです。お早めにどうぞ。

性格というものはつくづく仕事場にも現れるものだ。

性格というものはつくづく仕事場にも現れるものだ。と今回つくづくと思ったことである。

鹿児島で個人でガラス工房をやっている人たちのビデオをDVDに焼く作業をしていてやっぱりつくづく思ったのである。

出来上がった作品にも当然その人となりが現れるのだが、その作品を生み出す工房にも個性が現れているのだ。

そして、それぞれの工房にはそれぞれにガラスの神様がいらっしゃる。

夜中にガラス工房にいると本当にそう思う。

神様もいろんな性格なのだろうと思う。

(吹きガラス製作中のこのDVDは和紙ギャラリーで開催中の鹿児島のガラス作家五人展で見ることができます。見たい作家をリクエストして見ることも可、ですのでスタッフの方にお声をかけて下さい。)

NEWS! 鹿児島ガラス作家5人展、開催中。4月14日(日曜日)までです。お早めにどうぞ。
(ガラス工房 ウェルハンズ)

mo2013422

 

 

 

 

 

 

(宮澤ガラス工房)
mo2013423

 

 

 

 

 

 

(グラススタジオ テーゲー)
mo2013421

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

泡生地のいいところ、わるいところ。

mo_201303251

 

 

 

 

 

 

 

このところ泡ガラスをずっと作っている。

作っていて泡生地の以外な利点に今更ながら気がついた。

相変わらず窯は不調で、温度が上がらないのだが、泡にすると温度が上がらないほうが都合がいいのである。

泡生地にするとガラス生地が柔らかくなる。パンといっしょで泡がいっぱい入るとやわらかくなるので、低い温度でも成形しやすいのだ。

成形中に硬くなった作品をあぶり直すのにも、ふつうの透明なガラス生地に比べて、すぐに柔らかくなる感じがする。

アフガニスタンのヘラートというところで、薪をくべながら泡だらけのコップを作っているのを昔テレビで見たことがあるが、あれは温度の低い窯で、ガラスを作る合理的な方法だったのだ。

 

mo_201303252

 

 

 

 

 

 

ビンなどの再生ガラスを使って吹きガラスを作る時も泡生地にすることが多いのも同じ理由であろう。

さらに泡生地には不純物が入っていてもあまり目立たない。ポンテ離れがいい。などけっこういいところがあるのだ。

ただ泡生地のめんどうなところは、時間とともに泡がどんどん抜けていくので、同じ調子の作品を揃えるのがむずかしい。

mo_201303253

また、泡が抜けきった生地は気の抜けた炭酸水のようで面白くなくなる。なので泡が抜けたらまた重曹を入れて泡生地を作りなおさないといけないところが面倒くさい。

ルツボを2つとも泡生地にして、時間差で泡を作っておき、一方の泡が抜けたら、もう一方のルツボの泡生地を巻く、という時間差攻撃で作ったこともあるが、生地がなくなるまでずっと働き続けなくてはならなくて、このやり方を発明した自分を自分でうらみながら作ったこともあった。